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「保育園のことを考えはじめたみなさんへ」
(オンライン書店BK1への管理者りくパパによる寄稿、2000年11月掲載)

オンライン書店BK1より、当サイト管理者に保育園に入園するにあたって参考となる本に関連づけて、コラムを書いて欲しいとの依頼があったため、寄稿した文章を、承諾を得て転載します。

りくパパの"保育園選びにお役立ち"本情報

「保育園のことを考えはじめたみなさんへ」
(ホームページ」「子育ての輪at川崎」管理者りくパパ)

  「川崎保育のつどい」という保育園関係者らで毎年12月に開催するイベント
のホームページを立ち上げて早や3年。以来、保育園を探している読者から
の「よい保育園を紹介してください」「あそこの保育園の評判は?」という声に
向き合うことになりました。わが川崎市は、認可保育園に入れない子(待機
児童)の割合が非常に多く、政令指定都市でトップクラス。「良い保育園に」
という前に「どこの保育園なら入れるか」という問題に直面するのが現実で
す。認可保育園が厳しそうなら無認可保育園を探すというのがパターンのよ
うですが、こちらは各園ごと千差万別なので選ぶのがさらに難しい上に、人
気のある保育園は早めに予約しないと入れないという状況。私自身、子ども
の入園に際しては、精神的苦痛を味わってきたので、
読者のお気持ちがよく分かります。なので、こんな八方ふさがりの方々を励
ましつつ、どう情報を正確に伝えていくか、が「りくパパ」の役割の1つだと思
 っています。
 "「本」を紹介することで親を励まし、情報を伝える"、これがここでのテーマ
です。そもそも、保育は児童福祉であって、法律にも明記されています。だ
から、基本は「福祉事務所」にいって、窓口で教えてもらえばこと足りるのが
本来の姿でしょう。しかし、現状はそんなに甘くはないので、親も調査と努力
を強いられ、本を読まねば、ということになってきます。保育にかかわる制度
の基本や素朴な疑問に対しては、ノウハウ本を読めばおおよそのことが書
かれているので、ぜひ参考にしてみてください。
 そこまで理解された上で、次に福祉事務所に出向いて近くの保育事情を調
べることと、めぼしい保育施設に見学に行くことになるかと思います。しか
し、子育てもはじまったばかりの父母が保育園を見学しても、評価できない
のが実際のところで、「あそこの保育園の評判は?」という問題にぶちあたり
ます。預けた経験のある方を探しあてて評判を聞くことも大切ですが、逆に
あてにならないと感じることもあります。それは、保育園を見る目は
   @その親の「子育て観」に依存する、
   Aその子がどんな子なのかに影響を受ける
   B預けていたとしても、保育をされているのは子であり、親の理解の深さは
     まちまちである、だめではないか、と思います。
   ということで、子育てのこと、共働き世帯の子育てと保育園との関係、そし
て保育園で子どもが育つイメージが描かれた本をお勧めしたいと思います。
どういう子育てをしていきたいか、少し考えてみて、そのパートナーとなるに
ふさわしい保育園を選びましょう。

 親は毎日当たり前のごとく子どもを預けます。けれど、そこでは個性を持っ
た子どもたちがみんな違った感情を持ち、昨日とは違う今日が日々展開さ
れ、そして、保育者はその場面場面での子どもの気持ちに向き合って臨機
応変に対応をしています(そのはず)。大人にとっては些細かもしれないけ
ど、子どもにとっては重要な「ドラマ」が繰り広げられます。すばらしい保育園
を描いた本を読むことで、もしかしてパートナーにふさわしい保育園のイメー
ジを持つことができるのでは、と期
待します。また、これらの本は、すでに入園している方にも読んでいただけれ
ば、保育園との新たな関わり方を考えていただくのに参考になると思いま
す。

 保育園見学でのチェックリストなどもあったりしますが、結局は人間が保育
するのだから、そこにいる大人がどんな人物か、それも園長先生だけでな
く、見学の時にたまたま見せてもらったクラスの担任先生だけでもなく、いろ
んな大人の人となりを見極めて感じてもらえれば、と思います。

  ここで、「よい保育園を紹介してください」という核心的な質問に対して、一
般的に1点だけ私の考えを書きたいと思います。「親を過度にお客様扱いし
ないこと」。そこには、親を子育てのパートナーとしてみるか、それともサービ
スを受けるお客様と見るかの違いが隠れているのでは、と思います。虐待死
事件を起こした大和市の施設長は、対応が丁寧で、その点で信頼を寄せて
いた親も少なからずいたとのことです。保育はなにより子どもに対してされる
もの、ということを忘れないでほしいと思います。

 最後に。入園に際して悩み、苦労されているみなさんが、めでたく希望する
保育園に入園できることを祈ります。そして、身近にすばらしい保育園がど
んどん増えて、入園に際して苦労するなんてことのない、そんな世の中にな
るよう協力あえれば、と願います。


はじめての保育園 新版
著者:保育園を考える親の会編
出版:主婦と生活社
発行年月:1998.12

保育園を考える親たちが作った定評のあるノウハウ本。保育園の制度、入園決定までの段取りなど分かりやすく説明されています。

保育の思想
著者:田中 孝彦著
出版:ひとなる書房
発行年月:1998.8

4人のお子さんを保育園に預けた教育学者が書いた本。福祉事務所で冷たい対応を受けて、自信をなくす方も多いはず。よりよく変えていく立場から保育園の歴史と制度を説明したこの本は、悩んでいるお母さんへの励ましになるはず。

少子化時代の保育園(岩波ブックレット No.495)
著者:前田 正子
出版:岩波書店
発行年月:1999.12

各方面から高く評価されている保育園評論家が今の保育園をめぐる論点を分かりやすく紹介した本です。

保育における人間関係発達論(私たちの保育実践論 1)
著者:嶋 さな江著
出版:ひとなる書房
発行年月:1998.8

行間から暖かい雰囲気がにじみ出る東京都東久留米市の公立保育園の保育の現場を描いた本。保育者ってこんなにも深く子どもを見ているのか、と感じます。

保育園児はどう育つか
著者:小出 まみ著
出版:ひとなる書房
発行年月:1984.4

0歳のお子さんしかお持ちでない方には、保育園と言っても赤ちゃんの御世話しか目に入らないのでは。おにいちゃん、おねえちゃんになった時のことも考えて保育園を見る目を養うには参考になります。

父子手帖
著者:汐見 稔幸〔ほか〕著
出版:大月書店
発行年月:1994.4

テレビ・雑誌などでおなじみの汐見先生他の父親向けの本です。書き込みスペースあり。先生も当然、保育園パパ経験者。共働きを始めると父親の関わりは必須!

あーんあん(あーんあんの絵本 1)
著者:せな けいこさく・え
出版:福音館書店
発行年月:1978

「保育園にいくのはいいけれど」で始まる、みなが経験するエピソードをコミカルに描いた絵本。親子ともども「自分だけじゃないんだ〜」という気にさせてもらえます。

命さえ忘れなきゃ(シリーズ生きる)
著者:朴 慶南著
出版:岩波書店
発行年月:1997.6

著者は,2000年12月の「'00川崎保育のつどい」にて講演予定。 「どんな失敗をしても,命さえ忘れていなければ大丈夫!」という言葉は、日々子育てに悩む親への力強い励ましになります。




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