#14 ツーリングは雨雲と追いかけっこ

1. 悩んでばかりのツーリング前夜
2. 海老名だよ!全員集合

3. 走れ、西湘
4. 伊東→城ヶ崎の晴れ
5. 亀石はカメでなく
6. 雨のスカイライン

7. 小田原
1. 悩んでばかりのツーリング前夜

「ゆったりまったり伊豆紀行」ツーリングである。
今回は、この「たぶん日本一情けない大型二輪免許取得のお話」サイト経由の参加者もいるので、とても楽しみ。
・・・なのだが、前回同様、koyahiroさんに企画・制作を任せっきりで、申し訳なく思う。
マスターオブモンスターになるには、計画性とか実行力も必要だと思うのだが、私はまだまだ・・・。
1週間前の天気予報では、いいお天気が期待できそうだったが、前日、天気予報がだんだん怪しくなってきた。
夫は「雨降りそうなら、俺、行かへん。」と無情な発言をしている。
神経のか細い?私は、悶々と眠れぬ夜を過ごしてしまった。

UP!

2. 海老名だよ!全員集合

当日の朝は、雨なんて降るのか?というようなピーカンだった。
悩みすぎてよく眠れなかった私の目に、地獄の太陽は容赦なくまぶしい。
夫は天気予報を鋭くチェックし、午後には雷雨との見解を固めたらしい。
「欠席する。降るって、絶対降るって。それに俺、合羽を単身寮に置いてきた。」
そうは行くか!と何故かいきり立つ、睡眠不足の私。
「登山用のを持ってけばいいよ!さあ、出発しよ。雨なんて、慣れてるでしょ?」
私の上司は社内では有名なインテリヤクザ(?)、なだめる・おどす・スカすの手管は、私もかなり覚えている。

集合場所の海老名SAに辿り着くと、今回はドカ率50%だった。
SS1000DS、M400S、SS900ie、M800Sie(赤&黄)、M900Sの合計6台。
ドカ以外では、RVF、XJR、CB400Four、CB400SS、Hornet、R80GSなど。
初めましての人も、久しぶりですねの人も、ちょっと緊張しながらすぐにうち解けていく。

今回、何と言っても楽しみなのは、女性の参加者が4人もいること。
青いモンスター400のなつさんは、彼=SS1000DSのyoshiさんと一緒。
いいなあ、私は、バイクに乗り始めた20歳の頃、つきあっている人はいなかった。
「女の子が、バイクに乗る彼氏もいないのに、免許取ることからしてヘン」なんて言われた時代だった。
こぼれそうな笑顔が可愛いユキさんはCB400SS、とても免許取得後2か月とは思えない、イキのいい運転。
あ、とれたてだから、イキがいいのか。
alfさんは、黄色のモンスター900。
確実な技術と、ツーリング慣れした動きが頼れる感じ。
そして4人目は、言わずと知れたこの私である(コメントは差し控える)。
総勢12人の集団が、東名を元気に走り出す。
(オトコはどーでもいい、というわけではない。念のため。)

UP!

3. 走れ、西湘

雨の懸念を吹き飛ばすような快晴の下、海を横目に捉えながら、12台のバイクが駆けていく。
みんな結構速い。
私はやっぱり日本一情けない大型バイク乗り?
心配性の男性陣は、まだ初心者のカテゴリーに入る女性ライダーに十分気を使ってくれるが、彼女たち、私の目にはノープロブレムに映った。

西湘PAで、水分補給休憩を取った。
惜しげもなく降り注ぐ日光に、日陰から出るのがイヤになる。
西湘PAはそんなバイクでいっぱいだった。
でもなぜか1台だけ教習車が。
イヤだろうな、あの生徒さん。
こんな大量のバイクに囲まれて・・・。

そんな過酷な日射しの下でも、走り出すと、やっぱりみんな元気である。
女性陣は、若葉さんもベテランも、へなちょこ(私だ)も走るのが楽しくて仕方ない。
alfさんは別格として、なつさんもユキさんも速いじゃないか!?

参加車のみなさん(トラック除く)

UP!

4. 伊東→城ヶ崎の晴れ

あまりの暑さに予定していた足湯は省略して伊東で昼食となった。
湯気を出しそうになりながら、海を眺めてのんびり過ごすが、空は怪しげに曇っていく。
城ヶ崎では、遠足の子どものように、吊り橋で盛り上がってみたり。
ああ、いー天気だぁ・・・今はまだ。

そこそこ高速船 城ヶ崎の断崖?

UP!

5. 亀石はカメでなく

伊豆スカイライン、亀石までは、フリーで走行する。
やっぱり女性陣は元気いっぱいに、それぞれのペースで駆けていく。
お約束通りに?、足早に走り抜ける男達とはひと味違っていた。
休憩時には、女性みんなで、ユキさんのCB400SSのキックペダルに挑戦するが、ちゃんとエンジンを始動できたのはalfさんだけだった。
でも、みんなバイクを、そして走ることを心から楽しんでいる。
そんな我々の頭上で、雲はますます怪しく立ちこめてきていた。
まだ雨は降り出さなかったが、途中見かけた二人連れのバイクは、この時既に雨支度を済ませていた、と、後にalfさんが証言した。

M400&CB400SS カメ休憩

UP!

6. 雨のスカイライン

とうとう、雨雲に追いつかれてしまった。
結局降り出す大粒の雨。
来ちゃったか〜、と、みんな不平も言わず、合羽を着る。
そんなひとときさえ、雨雲から光の射す下界を見下ろして、きれいだねえ、なんて言える人たちだった。
雨の中では、遅くはないが、スローペースの安全運転。
この辺り、みんなオトナなのだ。

滑ると怖いので、私はあまりバイクを寝かせられないが、他のみんなはきれいなフォームでゆったりとワインディングを抜けて行く。
雨の中を、編隊みたいに走った。
慎重に、確実に、とは思ったけれど、不思議と辛さや不満は感じなかった。
むしろ、雨の中で一人ではないことが、うれしいような気さえした。
途中、alfさんと別れ、麓(と夕ご飯)を目指して下山していくうちに、いつしか雨はやんでいた。

遙かなる水と光

UP!

7. 小田原

雨や雷では少しも動じない鉄のツアーリーダー・koyahiroさんのおかげで、一同、なごやかに山を後にした。
今回のメンバーは、打たれ強い(雨に)のかもしれない。
下界は晴れてはいなかったけれど、気分は上々、素敵なエンディングが始まっていた。
 
ファミレスで、暖かい夕ご飯を取りながら、またいろいろな話が尽きない。
このツーリングは「お友達倍増」が大きな目的のひとつなので、会話はもっとも重要なファクターなのだ。
しかし、冷えたの何のと言いながら、冷麺を食べてしまう若者に、おっちゃんとおばちゃんはびっくりしてしまった。

名残惜しくも解散して、家路を急ぐ。
雨の通り過ぎた自動車道では、心なしか、湿った空気でテールランプが滲んで見える気がした。
疲れよりも、むしろ寂しさが沸いてくる。
一期一会、二度と繰り返されない1日。
みんなそれぞれの道を走って、それぞれの日常に戻って行くのだ。

「ドゥカッティ」達

また、会おうね・・・。

UP!

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