#15 他県にてバイクフォーラム

1. 幸先悪いスタート
2. バラの咲く教習所

3. 心だけは風のように
4. 講習済んで日が暮れて
1. 幸先悪いスタート

ネット上で知り合ったバイク友達のみーすけさんに誘われて、警察署主催の練習会に参加すべく、みーすけさんの出身の教習所に行って来た。

実はみーすけさんと顔を合わせるのは初めて。
待ち合わせのファミレスで、大いに盛り上がったのだが、悲劇は駐車場で待ち伏せしていた。
私のモンスターの隣に止められたファイアーブレードに気を惹かれつつ、駐車場を出ようとした時、急に揺らぐみーすけさんのFZ6-S(以下、「染ちゃん」)・・・。
おおっ、と思った瞬間、みーすけさんと染ちゃんは立ちゴケ、私もびっくりしてエンスト&立ちゴケしてしまった。
大慌てでモンスターを起こすが、クラッチレバーは折れ、ウィンカーが割れていた。
みーすけさんも私も、ケガはないのだが、一気にしょぼくれてしまう。
「これ、もらいゴケって名付けていい?」
「いいです・・・。」

−自分で自分を「安心」と思ったら、思い出してきたら “危険”なのですよ・・・。
ふと、そんな声が心に聞こえてきた。
立ちゴケなんて、もうするわけない!と慢心していたのかもしれない。
前向きに考えて、これは、モンスターから私への、愛ある警告なのだ。
今日は初心に戻って、しっかり練習しよう!
と、都合のいい決意を固めた。

みーすけさんの後について、幸先いいんだか悪いんだかわからないまま、教習所に向かった。

UP!

2. バラの咲く教習所

みーすけさんの通った教習所は、コース内にたくさんのバラが植えられていた。
・・・バイクで暴走して突っ込んたら、イタイことになるそうである。

練習会は、二輪車専用コースを使った初心者向けのエリアと、普通車用のコース内に設定された中級以上のエリアに分かれていた。
初心者用は本当に初心者だけにして下さい、と言われ、中級以上のコーナーに入った。
課題はスローライド、遅乗り台(!)、坂道8の字(レムニーだ!!)、コーススラローム、ジムカーナ、等々・・・。
余談だが、遅乗り台は、私の通った教習所では3×6台と呼ばれていて、ホントに低い台になっていたのだが、こういうのは珍しいらしい。

教習所でCB750を借りた私は、さあ、行っちゃうよ〜、と、いい気になって張り切った。
が、S字のコースでタイムを計ってもらうと、39秒だの40秒だの。
他の参加者は、27秒とか、そういうレベルなのに。
思わず、計測係の人と笑顔をかわしてしまった(笑って現実をごまかしている?)
カーブ上に設定された不等間隔のスラロームでは、全部のコーンを回れるようになるまで、3回くらい走らなければならなかった。
でも、全部回れた時に、見ていた指導員が両手で大きなマルを作ってくれて、ちょっとうれしかった。

しかし、走り始めから、何となく、みーすけさんの染ちゃんの様子がおかしい。
どうも、クラッチレバーがゆがんでいるというか、うまく切れないという。
それでも、がんばって練習していたが、やはり不調らしい。
初心者用のコーナーに移動するというので、私もついて行った。
そのころには、初心者コーナーで走っている人はほとんどいなくなっていたので、大きい8の字や、等間隔のスラローム等、基本をきっちり?押さえてみた。
が、暑さで、30分も走らないうちに、バテてしまった。

UP!

3. 心だけは風のように

最後は「本番」である。
これは、みーすけさんの説明によると完熟走行(慣熟走行?)で、上級から順にA、B、C、D、Eチームに別れる。
先導車となる指導員の人たちが模範走行を見せてくれるのだが、片手で走っている人もいる。
ついでにチョイノリで走っている人もいたが、これは単なるオヤジギャグだろう。

Cチームの先導車であるGPZが、さっきスラロームでマルを作ってくれた人だったのでついていきたかったが、私はレベル的にはどう考えても最低なので、Eチームに入る。
Eチームの先導を務める指導員は、首に手拭いを巻いていた。
これ、私の職場である造船所では「首手拭い」と言って、正装?である。
何だか親近感が持てる。
S字やクランク、ちょっとだけスラロームを含むコース、最初はもたもたと前車についていったが、3周もする頃には、スムーズに走れるようになってきた。

ついていけるようになったら、どんどん上のチームに移ってください、と説明があり、当然、最低クラスのEチームからは人が次々と抜けていく。
私は開催側の意図に反して、Eチームで首手拭いにぴったりついて行けることを目標に、ひたすら走った。
でも、首手拭いと私の間には、最後まで1台残り、ぴったり追撃(?)は実現しなかった。

ふと見ると、みーすけさんは途中でリタイアして、プロっぽい男の人にバイクを見てもらっていた。

UP!

4. 講習済んで日が暮れて

13時のスタートから4時間、汗でびしょびしょになりながら、終了時刻を迎えた。
暑さにもリタイアにもメゲない、気丈なみーすけさんと共に、講評を聞く。
改めて教室内を見回すと、参加者は60人ほどもいたようだ。
やっぱり、腕を磨きたいと思っているライダーは多いんだなあ。
その場で、次回の講習会の申し込み受付をしていたが、次回は9月。
さすがに8月は、午後中びっちりの講習はムリなのだろう。

みーすけさん、みーすけさんの友人二人と一緒に帰路についた。
夕暮れの川越街道は、なんだか切なく、「慢心によるもらいゴケ」をほろ苦く思い出させた。
腕を磨くのは大事だけど、磨いているから自分は大丈夫!と思うようになっちゃダメなのね・・・。

近いうちの再会を約束して、笹目でみーすけさんと別れ、謙虚に反省しつつ、ひとり帰る道。
・・・間違えて、逆方向に進んでいることに、すぐ気がついてよかった。
しかし、初めての県外進出?は、最後までしまらない、恥かきベソかき武者修行だった。

UP!

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