#16 逢瀬の晩に

ふと気がつくと、2週間バイクに乗っていない。
無性に乗りたくなって、お盆の金曜の夜、夫と二人で葉山の方に行ってみた。
お大尽コース(高速を活用)ということで、、第三京浜→首都高から大黒PAで磯子方面に向き直り、横横を通る。
実は、このコース、らせん状というか、ぐるぐるとカーブが続く、高速コーナーづくし?となっている。
久々の運転で、しかも夜。
怖い、スピード出せない、キレイに曲がれない…!
せっかく、教習所で修行し直して開眼した?のに、2週間乗らないだけでこのていたらく。
継続は力なり、逆に言うと、継続せざるは…なのだ。

自分で自分に問いかける。
何のための8の字だ?こういう場面で活かすべき技術を身につけたんじゃないのか?
何をすれば怖くなくなるのか?わかったんじゃなかったのか?
答えを出しながら走っていくうちに、少しずつ、動作がこなれてくる気がした。
Monster 800S i.e.との、久々の逢瀬の晩。
お互いを徐々に、思い出していく感じ。

どうにかバイクに乗る感覚が戻ってきた帰路、おなじみの都筑PAで休憩する。
PAにはスクーターが数十台。
ミーティングらしく、20代の男女(と言ってもほとんど男性)が楽しげに話していた。
先日の日経新聞に出ていた通り、今やスクーターは、おじさんの通勤の足ではないのだ。
ラフな服装にお碗ヘルメットのバイク乗りたち、私は賛同しかねるけれど。

スクーターの軍団に圧倒されて気づくのが遅れたが、PAの中は1000万円級のスーパーカーだらけだった。
フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ。
この人達も、ミーティングをしているらしく、お互いに写真をとりあったり、和やかに談笑している。
やたらと「・・・3」や「・355」というナンバーが多い。
「クラッチひとつで100万円、ドゥカティに換算すると、『1モンスター』や。」
夫に言わせると、今夜のピカイチは白のカウンタックだそうだ。

それにしても、スクーター軍団とスーパーカー軍団の間には、所得格差とも言うべき一線がひかれているかのようだった。
その線上で、うろたえる私と野次馬な夫。
「しかし、今夜は凄かったな。いつもはあっちの方で、ワンボックスの品評会やってるんやで。」
夫は放っておいたら、いつまでもPAウォッチングを続けそうだった。

こうして、私とMonster 800S i.e.の久しぶりの逢瀬の晩は、予想外の光景で締めくくられた。
…ここでも、こういう話の流れに持っていく気はなかったんだけど。
いずれにせよ、金曜夜の都筑PAは、まあ、何というか、面白いので一見の価値はあるかもしれない。

夜中のBMW

マスターオブモンスターのトップへ

トップページへもどる