#18 初めての水沢うどん

群馬へ行こう
みんなで行くツーリングは楽しいけれど、いつも連れていってもらうだけでいいのだろうか?
身の程知らずにも、こんなことを思ってしまい、「言い出しっぺ」になることを決心した。
koyahiroさんのように、十分なフロントローディング(事前検討)で、隙のない企画をする、なんて私にはムリなので、ミニツーリングにしよう。
行き先は、とりあえず自分一人で何度か行ったことのある群馬。
有名な水沢うどんを食べる、というのをメインに据えてみよう。
今回のミニツーは、安易とも無謀とも言える、私の軽い決意?で始まった。
五月の連休の時のソロツーリングの記憶をたどり、地図とにらめっこし、渋川出身の熟年ライダーに相談し・・・。
とどめは、台風の中、クルマで山道の確認までしてしまった(クルマの運転は、心配せずとも夫である)。

不在のリーダー
企画は何とかできたが、ツアーを率いるリーダーは、私では、どう考えても務まりそうにない。
「ビーマーのおっちゃん」こと夫に依頼するが、夫は仕事が超多忙で、ツーリングの前日、単身赴任先の高崎から自宅に戻って来られない。
「上里から9Rで合流するから。三芳から上里まで、ちゃんとみんなを連れてくるんやで。」
そんな〜、と思ったが、仕方がない。
当日朝、三芳で集まったのは、FZ-6Sでの初ツーリングとなるのびーさん、グループでのツーリングは初めてと言うドラッグスターのRomiさん、そして初幹事の私。
koyahiroさんとユキさんは、上里で合流することになったので、やっぱり結局私が先頭になって、三芳から上里を目指す。
短距離とはいえ、初めてのリーダー…。
う、ペース遅すぎ…これじゃついてくる方(ドラッグスター、FZ-6S)がたまったもんじゃない。
あ、合流で乗用車が間に入って来た…けど、車線変えたか。
つい、ミラーばかり気にしてしまうが、先頭が前方不注意ではまずいので、なるべく前に意識を持っていく。
後ろの二人が、礼儀正しく(?)ついてきてくれるので、何とかグループツーリングになっているという感じだった。

上里では、ビーマーのおっちゃん改め9Rのおっちゃん=夫が待っていた。
9Rは、夫の単身赴任先からの帰宅マシーンなのだ。
年間14回分(毎月1回+盆暮)しかない帰宅交通費で毎週家に戻るには、これがいちばん(らしい)。
今回これまた初グループツーリングというドラッグスターのMaxさんと合流すると、koyohiroさん達が到着するまでの間、なぜか大撮影会となってしまい、お互いのバイクを写しまくった。

M800&ドラッグスター FZ-6S

いざ水沢
ツアーは9Rのおっちゃんを先頭に、2台のドラッグスター、FZ-6S、私のMonster 800S i.e.、ユキさんのCB400SS、最後尾はkoyahiroさんのMonster 800S i.e.で、千鳥になって走っていく。
上里から前橋ICまで、私の先導よりずっと速いペース。
やっぱり、私にリーダーはまだムリだった、と思ってしまう。

関越を降りると、群馬は曇りだった。
本当に「曇り」というのが相応しい天気で、降らないし、晴れない。
水沢までの道は、前橋から徐々に町中を離れ、ちょっと薄暗い、山の方に入って行く。
下見の時は、なかなかうどん屋街に辿り着かなかったので、走っていて不安だったけど、今は平気よ!私、知ってるもん!と、生意気にも余裕の走り。
まあ、下見では、朝早すぎてどの店も開いていなかったけど。
そうして、森の雰囲気のあるルートをすんなり通って、目を付けておいたうどん屋に到着した。
憧れの水沢「うんどん」(とお品書きに書いてあった)をすすりつつ、バイク話で盛り上がった。

うどんランチミーティングが終わると、いよいよ峠道へ。
アメリカンで峠はどうだろう?という懸念どころか、私の腕でグループでのワインディングは可能か?という心配すらあったが、それは最後まで隠し通すことにして走る。

群馬旅情
県道33号線は、峠道である。
ポルシェで下見に来たときは、夫がタイムトライアルに走ってしまったので、私は車酔いしてしまった。
今回はアメリカンやら、日本一情けないモンスター乗りやら、バラエティに富んだメンバーなので、急がずじっくりワインディングを味わう。

ワインディングを抜けると、榛名湖に向かう、長いストレート。
まるで大陸横断のような豪快な景色が目の前に広がって、9Rが、ドラッグスターが、FZ-6Sが駆け抜けていく(koyahiroさんのモンスターとユキさんのCB400SSは私の後ろなので見えない)。
7人まとめて捕まったらどうしよう、と一瞬思ったが、そんな速度は出ていなかった模様・・・だと思う。

下は榛名湖の写真だが、団交(白鳥ボートが組合側で恐竜ボートが経営側)に見えると夫は言う。

榛名湖

そして再び峠道。
下りでは、先頭の9Rが見下ろせるのだが、よーく見ると先頭は9Rではなかった。
きつね色の小さな犬が、後ろを振り向きながら、とことこと駆けている。
コイツが我々を率いていたのだった。
なんだ、9Rは傀儡政権か。

箕輪城址で休憩したが、教育委員会が発掘&工事中のお城跡は、なんというか、ひと気もなく、観光客にこびる所もなく、トイレもあるけど使えなかった。
ちょっと謎めいた雰囲気の城址を、ぶらぶら歩いて気分転換する。

17:00上里SA
高崎ICから関越に入り、解散場所の上里に着くと、ほぼ予定通りの時刻だった。
見事な計画、というより、結果的にこんな時間、という感じだけど。
次もご一緒したいですね、と心からの別れの言葉で、みんなそれぞれ帰路についた。
夫と二人で出発するが、夫は本庄児玉で高速を降り、高崎に引き返していく。
仕事の都合で、どうしてもすぐに戻らなければならないそうだ。

一人で帰る道は、柄にもなく速度が上がる気がする。
急いで帰ったって、待ってる人がいるわけでもないのだが。
その日一日の幸福な記憶を道連れに、翌日からの日常生活を乗り切るための助走をしていると考えればいいのだろうか。
・・・あ、明日は講習会だった。
そう、楽しい予定をたくさん詰め込んで、私とMonster 800S i.e.の二度目の秋が始まるのだ。

コンビニで整列

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