#19 二俣川の講習会・9月

1. 講習会場へ
2. 講習前半

3. 休憩
4. 講習後半
5. 講評プラスアルファ
1. 講習会場へ

「秋の交通安全運動」たけなわの9月末である。
だからと言うわけではないが、とうとう、念願の?「神奈川県警察 二輪車安全運転講習会」に参加してしまった。
そもそものきっかけは、5月の安全運転神奈川県大会だから、辿り着くまで4か月かかったことになる。
何事にもペースののろい、私らしい展開である。

会場である運転免許試験場入り口は右折入場禁止だったので、エンジンを止めて横断歩道を渡った。
門の前に立っていた指導員から「Uターンして入って来られない?練習しなくちゃね。」といきなりチェックが入る。
ちょっと早めの到着だったので、警察や二輪車安全運転普及協会の人たちがブリーフィングをやっている(らしい)様子が見えた。
前を走るバイクについて行こうとすると、その人達ほぼ全員が、そっちじゃないよ〜、と手招きをしてくれる(前のバイクは、主催者側の人なのだろう)。
なんとなくおぼろげに、見覚えのある顔がいくつもあった。
5月の安全運転大会の時の、気のいい指導員さんにもここで再会できてしまった。
そうして集まった参加者は49人、通常の半数程度らしい。
この日、講習はレベル別に3班に分かれて行われる。
私は迷うことなく、一番下の、初級者クラスに参加した。

UP!

2. 講習前半

簡単に書くと、クランク→クランク→幅広のスラローム→普通のスラロームのコース。
幅広の、というのは、正確な表現ではないと思う。
これはコーンが1本ずつではなく、横に3本並んでいるタイプのスラロームのことである(並んでいる側を回ればいいのか、避ければいいのか、いつも迷う)。
モンスターでのスラロームは「1速では反応が鋭すぎ、2速だと速すぎる」という定説があって、どっちでいくかしばらく試行錯誤してしまう。
スラロームで注意されたのは、リアブレーキを使うこと、発進前は停止して後方確認すること。
2速ではエンストしそうなので、1速で必死になって車体を倒し、アクセルを開け、コーンを回るが、やっぱりアクセルに過敏に反応しすぎる感じ。

クランクは、やってるうちに何故かすいすいできるようになった。
ハンドルがロックする寸前までハンドルを切り、なるべくバイクを倒すようにして通ればいいんだ、と自分なりに納得したりして。
とはいうものの、1速で半クラッチなので、かなり邪道な気がする。
なお、私にはクランクの方がS字よりも通過しやすいのだが、これは角がはっきりしていて、目印になるからだと思う。

UP!

3. 休憩

コース脇でぼーっとしていると、カブの指導員による、カーブが苦手な人のためのミニ講座が始まった。
まず目線を向けて、それからお尻を少し移動して、バイクが曲がる方に傾いたら、その動きを妨げないで。
言葉で聞くと、ふむふむと納得するのだが、やってみるとギクシャクしてしまうのが悲しい。

UP!

4. 講習後半

こちらも簡単に書くと、急制動→S字→一本橋または幅広のスラローム→普通のスラロームのコース。
私は急制動を特に重視している。
もし、走行中に目の前で事故が起こって進路が完全にふさがったら、「一生一度の急制動本番」をやらなくちゃならないからだ(後続車のことはとりあえず置いといて)。
一生一度と書くとそれで人生終わりみたいな印象だが、一度で十分という意味である。
急制動の成功率が仮に80%なら、残りの20%が本番でめぐってきてしまいそうな気がする。
それを思うと、とにかく真剣に練習である。
止まった時、前にのめるので、ニーグリップして、腹筋と背筋で支えて、腕の力は抜いて、とアドバイスされる。
姿勢が悪いので、左足のかかとを車体につけるように、チェンジペダルにつま先が届くポジションで、と注意される。
更に、前ブレーキが早い、クラッチ切らなくていい、とコメントがつく。
「こんなに短い距離で止まれるのが不思議なくらいだよ。」
それは単に、ブレーキの性能がいいだけの話である。

S字通過自体に、特に問題はなかったと思う。
…極端に遅い、という点くらいなものだ。
むしろ問題だったのは出口を出た直後、次の課題へのアプローチだった。
右折小回りになっているのだが、どうしても大きく膨らんでしまい、コーンの列の内側を通過できない。
すると、白バイ婦警さんが気づいて、「目線もっと先へ」とアドバイスしてくれた。
ちゃんと気がついてくれたんだ!そう思うと、とってもうれしかった。
よく考えると、あからさまに小回りできないのだから、全身で助けを求めているようなものだったのだが。
婦警さんは、私が通るたびに「目線、目線!」と声をかけてくれる。
その声に導かれるように、だんだん小回りできるようになってきた。

一本橋では、とりあえず、脱輪もせず、「そつなくやっている」そうなのだが、記録が悪い。
7.6秒、7.8秒、?秒(教えてもらえず)、8.1秒…。
「2気筒でも湿式クラッチなら、半クラッチとリアブレーキで記録を伸ばせます。」
励ますようなアドバイスをもらって、かなりいい気分になってしまった。
ホントは、大型二輪なので、10秒持ちこたえないとダメなんだけど。
「信号発進で、緊張してしまう?」
尋ねられて、はい、と答える。
「スタートの時、足をちょんちょんとついていて、パッとステップに移動できてないんです。怖がってて。」
自分も足の着かないバイクに乗っているという指導員、急制動の発進の時などに練習するといいですよ、と大変実用的なことを教えてくれた。

UP!

5. 講評プラスアルファ

楽しく充実した講習は、気がつくと終了の時を迎えていた。
きれいな乗り方、丁寧な運転を目指して下さい、という講評にうんうんと頷いてしまう。
そう、私が目指したいのは、そういうスタイルなのだ。
Monster 800S i.e.、この相方を、最高にキレイに、丁寧に、安全に乗りこなしていきたいのだ。
「ドゥカティ、どうでした?」
帰りがけに、一人の指導員が声をかけてくれた。
「ハンドルが思いっきり切れなくて、ここがぶつかって…あれ?」
「そこじゃなくてね、こっちがね、ぶつかって止まるの。ここから先に切れない。」
あ、ホントだ。ストッパーみたい。
この特性を十分理解して、マシンコントロールできるようにならなくちゃいけないのだな。

講習会は日常生活のしがらみを忘れて、まっすぐ自分のバイクに向き合える貴重な時間をくれた。
ちょっと疲れたけれど、弾むような気分で試験場を後にした。
保土ヶ谷バイパスに向かう岐路で、そこまで一緒に走ってきた参加者が手を振ってくれた。
帰り道は、特に混んでいなかったのか、来る時の半分ほどの時間しかかからなかった。
というか、足取りが軽かったのだろうか。
私のモンスターは、軽くて良く走る素敵なバイク。
もっともっと、わかりあっていきたい・・・なんて思ってしまった。

UP!

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