#1 秘密のUターン

バイクショップで、修理が終わるのを待ちながら、雑誌を見ていると、「右カーブ」の記事があった。
人間、左に回るのは比較的容易だが、右は難しいらしい。
私も、実はUターンができない。
「Uターンしようとしているらしい変な動き」とか、「Uターンするつもりだったらしい変な移動」とかなら、できないこともないのだが。
店内にいた常連さんたちに聞いてみようかと思ったが、彼らは「冬場は鼻水が耳に入る」というような人々である。
聞かないほうがよさそう。

というわけで、ほとんど交通量のない秘密の場所で、Uターンの練習をしてみた。
直線約100m→T字交差点でUターン→直線約100m→T字交差点でUターン
・・・って、単なる右回りの外周走行か?
とはいえ、信号があるので、直線からノンストップでUターンはできない。
停止して、Uターンからスタートするのは、私には結構難しい・・・のでは大変まずい。
一速から二速にシフトアップする時、まだどうしてもギクシャクしてしまうので、今回は一速のままでUターンする。
というか、Uターンだと普通は一速のままなのか。

道路に打たれた鋲を気にしながら、目線でUターンのコースを狙ってモンスターを誘導するが・・・うっ、膨らんじゃった。
直線では、やっぱり一速から二速にアップするところでギクシャクしてしまう。
たまに通る一般車両と警備員に注意しつつ、片側二車線と信号を利用してぐるぐる。
路肩で休憩している車両の運転手さんたちが、不安と不満でいっぱいの視線を向けてくる。
100mの直線では、海まで何十メートルも離れてるのに、何故か路上で釣具を広げ始めた人たちが、好奇心丸出しで私を見ている。

ごめんなさい、すみません、申し訳ない、と心の中でつぶやきつつ回るうちに、何周かに1回は、とりあえずUターンの部類に入れてよさそうな動きができるようになった。
結局、目を見張るような上達はなかったが、Uターンは目線がしっかりしてればコワくない、ということだけは確信できた。
うーん、それだけ?
私だって、学生だった頃は、港にマル描きに行ったりとか、人並みに遊んでいた気がするのだが、あれは錯覚だったのだろうか。

めげずに次はフルロックターンに挑戦だ!←無謀。

マスターオブモンスターのトップへ

トップページへもどる