#2 カフェレーサーへの険しい道

12月に入って、めっきり寒くなった。
高速道路など走ろうものなら、その後2、3日は冷え性になりそうだ。
こんな時期にはどう乗るか?
やはりカフェレーサーだろう。
お気に入りのウェアで決めて、小粋なカフェでカプチーノを味わいつつ、窓の外の自分のバイクを眺める・・・冬ならではの楽しみではないか。
このような意思を夫に伝えたところ、よっしゃ、オイル交換した後、こじゃれたカフェに案内したろか、ということになった。

まず、出発地点から幹線道路に入る道は「>」型の切り返し上り坂で、しかもてっぺんが停止線だった。
前車が停止線を離れた後、微速前進して止まるが、ブレーキ強すぎ!
左に転倒しそうになり、必死で立て直し、次は右によろけ、また持ちこたえた。
頭の中では「ひとコケ\17,000-」の声が響いていた。

六角橋のバイクショップで、夫のバイクのオイル交換を終え、山手のカフェ目指して出発した。
が、三ツ沢から浅間下へ続く、緩い下り坂はものすごい渋滞だった。
下り坂では足着きが平地以上に悪くなるので、渋滞すると私にとっては地獄下りの道みたいなものである。
少し進む→ブレーキかける→つんのめる→必死で持ちこたえる→少し進む(以下略)を繰り返す。
坂道に沿った絶壁の上には自動車教習所があったが、あの構内からこの坂を通って下界に降りて行けるのなら、それだけで運転免許をあげていいんじゃないかというくらいの難行苦行だった。

なんとか厳しい下りをクリアし、山手に入る・・・が、山手はやっぱり山だった。
今度は10メートル先が頭上に思えるほど急な上り坂を上る。
アクセル開けて上る→前方に車が見える→速度落とす→エンストしたら怖い→アクセル開けて上る(以下略)を繰り返す。
もう、ほとんど半ベソである。
やっとの思いでカフェにたどり着くと、なんと駐車場は、カフェの裏手に、坂を下って入るように作られていた・・・。

疲労困憊状態で、カプチーノをすすりつつ、眺める自分のバイクは、窓の外、坂の下にあった。
「眼下」という言葉がピッタリである。
カフェレーサーになるには、山の上り下りが上手くなければならないらしい。
私が想像していたのと、かなり様子が違う。
できれば次は、平地のカフェに行ってみたいと思った。

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