#33 灼熱の二俣川

「ブタと燃料!」

二俣川で逢いましょう
7月の第3日曜日、約2か月ぶりに二俣川の安全運転講習会に参加した。
二俣川はこれで何と5回目、銀のステッカーをもらってしまった。
5回参加してこの程度か!?と言うかのような、夫の視線が冷たい。
夫はこの日も迷わず3班=一番上のレベルである(空いているからだそうだ)。
講習会では、少しずつ知り合いも増えてきて、楽しいのだけど、私は未だに緊張してしまう。
…前回よりも上手くできるだろうか
…転倒しないだろうか
…体力が保つだろうか
緊張の原因は、いつも同じだ。
今回も1班に参加する。
この班は、初めての人からリピーターまで、いろいろ混ざっているので結構気楽なのだ。
が、考える事はみな同じなのか、班全体で29人、という大所帯?になってしまい、急遽カリキュラムが変更された。
慣熟走行の後、班は更に二つ(初めての人と女性とスクーター班、その他班)に分けられてスタートする。
8の字
8の字で、いつもまず迷うのは、「何速がいいのか(というか、マシか)」という点である(相変わらず情けない)。
2速で速く回ろうとして失敗するか、1速でパワー制御に失敗するか…
迷ったら、やっぱり減速?
1速で「丁寧な低速」をテーマに練習することにした。
したんだけど、低速でアクセルをパーシャルに保つのって、こんなに難しいのか!?
モンスターのアクセルは1速では特にデリケートで、失速と暴走の間で苦闘する私に、指導の白バイ隊員が問いかける。
「まだあまり乗っていないの?」
…そのネタ、もう飽きました!とも言えないので、そんなことありません、と弱々しく反論してみた。
「身体が怖がって逃げてる感じです。肩が見えちゃうの。」
アクセル量の調節に気を取られ過ぎて、姿勢を十分に意識できないようなのだ。
永遠の初心者(世間が見た場合)…いい加減卒業したい。

8の字で白バイに追われる

ブレーキング
今回はパターンが三つあった。
その1 普通の急制動(30〜40kmの速度からの停止)
その2 加速→減速して狭路通過→加速→停止
その3 加速→制動→加速→制動
それぞれに、指導員や白バイ隊員、ホワイトエンジェルス(女子白バイ隊員)がつく。
急制動や目標制動、調子の良い時はバッチリなんだけど、ダメな時は全然できない。
でも、いつやってくるかわからない「一生一度の急制動」のため、成功率?を限りなく100%に近づけなければなるまい。
この日はどういう訳か、白バイ隊員の見てくれる所で毎度失敗してしまった。
リアブレーキを使いすぎ、フロントを使い無さすぎになって、後輪ロック気味になってしまうのだ。
確かに、Monster 800S i.e.のフロントブレーキ(320mmダブルディスク、4ピストンキャリパ)は強力なので、正直言うと怖くて握り込めない。
最後には
「自分のクセとして覚えて置いて下さい。でも、高速道路で80kmくらいから急制動しなければならなくなった時、後輪ロックするとせっかくかけたフロントブレーキを緩めなきゃならなくなるから…」
(お、おまわりさん、見捨てないで下さい〜)。
おまけ:講義「二人乗り」
高速道路二人乗り解禁を記念して(?)最後に二人乗りについての講義があった。
気のいい指導員がパッセンジャーの女性役を熱演して盛り上がる。
最近、私はちょくちょく夫を後に乗せて走る。
後に人が乗ると、発進や停止が丁寧になるから、自分にとって良い練習になるのだが、講義では、バイクに乗ったことのない人を乗せる場合についての話がメイン。
さすがに、二人乗りは丁寧な運転の練習になります、という説はなかった(当たり前である)。
夏に鍛えろ!
体力を消耗する割に、あまり上手くできなかった講習は、無事(倒れる前に)終了した。
自分の現状に対する不満と将来に対する不安が重なって、かなり未消化な感覚が残った。

私の通っていた教習所の指導員で、S4を駆る現役のマスター オブ モンスター「気配りの先生」が、Monster S4では既存の教習課題項目をこなすことは非常に困難です、と言っていたことをもちろん忘れてはいない。
「スラロームは1速だと速過ぎて、2速では立ち上がりに不満を感じます。平均台や3×6台はクラッチをあまり酷使したくない。クランクなんて曲がらないし…」
なぜかうれしそうに、こんな事を話してくれた先生を思い出す。
悔しさで泣けてくるが、ここは普通、懐かしさに涙する場面であろう。

S4はM800よりもスパルタンだとは思うが、私にとってM800は、十分スパルタンである。
でも、だからできなくて当然、とは思わない。
あきらめなければ、いつかできるようになるかもしれない。
一生できないかもしれないけれど、幸いなこと?に、安全運転というものだけは、才能がなくてもあきらめる必要がない。
というか、才能がなければないほど、たくさん、気が済むまで、いいえ、一生だって練習し続けなければならないのだ。
実はこれって、幸せなことかも?(←能天気)

試験場の片隅にしつらえられた不整地では、二輪車安全運転全国大会の選手、つまり桃子さん達が練習に励んでいた。
「土日、毎週ですよ。」
と、警察の人が説明してくれた。
キツイだろうに、桃子さんはいつも明るい。
私もめげずに、この夏は明るく鍛え、楽しく励もう。
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