#3 片肺

ある土曜日の午後、軽く横浜市内の公園へ出かけてみることにした。
でも、アイドリングが不自然に低く、ファーストアイドルレバーを目いっぱい引いても、あまり上がらない。
時間ばかりが過ぎていくので、とりあえずレバーを引いたまま、出発する。
チョーク引いたまま走っているような気分が抜けない。
寒いためか、油温はなかなか上がらず、エンジンも温まらず、エンストを繰り返しながら進んだ。
・・・走行中に、エンジンが止まってしまうのは、いくらなんでもおかしい。

公園を散歩した後、予定を変更して、バイクショップへ。
大将、アクセルをぐおん!とふかすと一言。
「片肺ですね。」
私のモンスターは工場へと連れて行かれた。

「どうもパワーないと思ったら、400になってたんやな。」
夫は言うが、私はよくわからなかった・・・。
18年以上前、初めて教習所に通っていた時、一度、教習車が片肺(つまり400CCが200CC)になっていたのには気が付いたことがあったんだけど。
年を取って、ニブくなってしまったのだろうか。

ショップでは、Monster 400から大型のものに乗り換えたいらしい若者が、スタッフと熱心に話をしていた。
どうやら、河川敷にある教習所を勧められているようだったが、私がしゃべると、ややこしくなりそうなので、黙ってニヤニヤしながら聞き耳を立てた。

私のモンスター、プラグがかぶっていたそうだ。
二つのプラグ(2気筒だから)を見比べると、片方はこんがり焼けているが、片方は真っ黒。これで発火しなかったわけか。
「オイルは、冬は粘性の低いものにした方がいいんでしょうか?」
「ドゥカティは油膜が広がることより、油圧を優先するんです。だから、替えないですね。」
「アクセル開けた方がいいんです。でも、僕は、女の人にそんなこと言わない。」
大将と夫が、ふたりがかりで説明してくれた。

Monster 800S i.e.は冷え性だ、なんて思っていたけど、片肺だったから、なかなか暖まらなかったのか?
それとも、暖機のためにアイドリング状態を続けすぎてかぶっちゃったのか?
アイドリング数も少し調整してもらったので、バイクショップからの帰り道は、絶好調!という感じのMonster 800S i.e.。
この調子なら、もう少し寒くなっても乗っていられるかもしれない。

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