#44 房総下見ツーリング

船子

春のツーリング準備

初心者もタンデムの人も一緒に楽しめるツーリングを企画したい
HMSに何回か参加した成果もちょっと確認したい
というわけで、夫が考案したツーリングのルート下見に出発した。
先導は、とりあえず夫にやってもらうことにした。
2月の第2土曜日、快晴、かなり暖かい。
心弾む新しい春、朝の旅立ちだった(って程の距離ではないか)
東京湾アクアライン(川崎浮島JCT〜金田IC)

今回のツーリングは、東京湾アクアラインを使って簡単に房総へ渡り、交通量の少ない千葉の田舎をゆったり走る、春らしいルート。
アクアラインの浮島ジャンクションに向かう途中、モロに工業地帯、という地区を通るのだが、その道すがら、マンホールでリアタイヤが一瞬滑った。
ちょっと冷えていた?まさか凍っていた?
後輪を滑らせる練習をHMSでやったことがあったので、慌てはしなかったが、いい前兆ではないな、と思った。

さて、川崎側からアクアラインに入る場合、海底に向かって緩やかな坂を下ることになる。
私はこの下り坂が苦手だ。
何だか意識が遠くなっていくような、幻惑されそうな気分になるのだ。
そのため、いつもここを通る時は、ヘルメットの中で、声を出して歌う。
歌は大抵、「鉄腕アトム」である(耳を澄ませ〜ラララ目を見張れ そうだアトム 油断をするな♪)。
歌ってるうちに「風の塔」の表示が見えてくる。
ここまで来れば、意識が飛ぶ心配はもう、ない。

海ほたるは混んでいた。
駐車場に入る車列に並んでいると、交通整理の人が、こっち通っていいよ、と路側帯を通らせてくれる。
ホントは路肩とか走るの、好きじゃないんだよね、通行区分違反でつかまったことあるし、砂がこぼれてて滑ったりするし、と思ったとたん、またリアタイヤが滑った。
でも、焦ることなくお尻で荷重をかける。
HMSで習った通りである。
練習したから、焦らなくて済んだみたいだ。

海上に出ると、向かい風だったけど、大したことはなく、日射しの暖かさの方がありがたく感じられた。
海を走るのは爽快だった。
金田でアクアラインを降り、国道409号に入る。
料金所で係員の人が
「後ろは気にしなくていいよ。スタンド出して、倒れないように、ゆっくりどうぞ。」
と言ってくれたのがうれしかった。
房総とほほ旅情(国道409〜米沢〜国道297〜八声〜国道465〜国道410〜国道409)

ガススタで給油するついでに、タイヤの空気圧をチェックしてもらった。
が、このガススタの空気入れ?のノズルは長すぎて、なぜかリアタイヤはチェックできなかった(フロントは大丈夫だったのに)。
2回も滑っているリアタイア、エアもチェックできなくて、何だかイヤだな、不安だな、というか、かなり減ってるような気がした。
「スリップサインが出てくるまで使い倒すという手もあるけどな。」
夫はさらりと言うが、私はそこまで使いたくない。

のどかな房総の道は、相変わらず交通量が少なく、ゆったりした気分で走ることができる。
ただ、ところどころ、路面の傷んだところがあり、その一か所で、私はまたしてもリアを滑らせてしまった。
しかも、学生さんのお楽しみ「養老渓谷攻めに行く」の言葉通り、忘れた頃に見事なワインディングが現れる。
つづら折りの下り坂、路面は赤くペイントされて滑りそう!
「落石注意」「路面凍結」「路肩注意」と居並ぶ三大恐怖標識?を横目に、カメの呪いがかかったような低速走行になってしまった(どのみち、制限速度30kmなんだけど)。
しかも、フォームもライン取りも上手くできず、自分で自分が情けなくなる。
HMSで、コーススラロームをかなり素早く走れるようになってきたと思っていたが、実戦では、まだまだ修行が足りなようだ。

八声という交差点で、国道297から国道465に入る。
この辺りは、蛇行する川(名前がわからない…)に沿ったり、緑の丘陵を見渡せたり、日本のイエローストーンとも言うべき風景が広がる、と書くとかなり大袈裟だが、私は好きだ。
4月の暖かい風の中、緩やかなカーブを走ったら、とっても気持ちがいいだろう、なんて想像しながら走る。
しかし、やがて道はまばらな住宅街というか、民家の点在する細い道に続いてしまったので、対向車や歩行者に注意しながらおっかなびっくり走った。
さすが400番台の国道、侮れない!
今回のツーリング、「コンプライアンスな運転」というテーマも入れておかねばなるまい。
久留里街道と言われる国道410号から409号に入ると、あとはアクアライン入り口を目指す。
…これがまた、想像するよりずーっと距離があるのだけど。
再び海ほたる

追い風を受けながらアクアラインを走り、海ほたるまで辿り着いた。
ここまで来ると、もうツーリングも終わりに近い。
「コーススラローム、結構走れるようになってきたと思ってたんだけど、やっぱりカメの呪いがとけないなあ。」
カフェテリアで「名物 ピーナツまん」を食べながら、夫とその日の走りっぷりを振り返ってみる。
「コーススラローム練習したって、速くはならん。それに、速くなったら、免許なくなるで。」
夫は冷静である。
「ねえ、もし免許なくなっちゃったとして、普通免許は教習所でゆっくり取るけど、大型二輪だけは、試験場で取れないかな、私?結構、腕は上がってきてる気がするんだけど。」
「ムリや。だって、一本橋、未だに苦手やろ?」
…現実は厳しい。
でも、いつの日か、「卒業検定70点でギリギリ合格」のくさびを解いて(というか、トラウマを克服して?)何の屈託もなく、モンスターで走れるようになりたい。
そのために必要なのが、講習会やスクールなのか、モンスターでの日本一周か何かなのか、今のところはわからないのだが。

ともあれ、4月のツーリングに向けて、最初の下見は無事終了した。
走行距離は約150km、休憩時間を入れても、5時間で往復できた。
ちょっと距離が短すぎるような気がしたので、次は勝浦まで回るルートを考えて、もう一度行ってみようと思う。

海ほたるのマスコット登場

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