#48 雨の二俣川
雨の講習会

連休後の、待ちに待った土曜日の朝、午前中いっぱいは持ちこたえそうな雲を見上げながら家を出た。
が、二俣川の運転免許試験場につく頃には雨は本降りになっていて、今回は、つるばら@二俣川史上初の雨天講習となった。
参加者は49名と少なく、ほとんど白バイ隊員&指導員によるマンツーマン指導状態である。
今回も私は一班に参加、モンスターとのコンビネーションの基礎固めに励むことにした。
…というか、一班の課題、まだまだ全然こなせていないのだ。
 
前半:急制動→坂道発進→一本橋→千鳥→パイロンスラローム→目標制動→狭路→千鳥→パイロンスラローム

順番にこつこつと課題を回る。
最近、急制動がスランプだ。
構えてしまうというか、ブレーキング開始位置に来る前にアクセルを戻してしまう。
今日は指定速度なしなので、指定速度が気にかかる、という言い訳も通らない。
路上で「一生一度の急制動」が必要な緊急事態になったら、あらかじめ減速なんてできないのだから、今ここで正しい急制動の練習をしなければ。
それに、急制動の時は「アクセル全閉→ブレーキング」だから、指も4本掛けにしたい。
2本指でハンドルを支えながらの通常のブレーキングと使い分けが必要なのだ。

「右カーブが苦手ですか?右の時、リズムが乱れますね。」
確かに、ワインディングで右カーブの時は力んでしまう。
それがパイロンスラロームで診断できるなんて、知らなかった。
「トルクの大きいバイクでは、アクセルとブレーキをバランスよく使ってコントロールするんです。」
モンスターのアクセル、一速ではわずかな操作に過敏に反応してしまうので、リアブレーキを引きずりながら、何とかリズムらしきものを作る。
「まだ自分のバイクによくなじんでいないんですよ。もっと自分のバイクがわかってくれば、コントロールできるようになっていきます。」
白バイ隊員が、こんなことを言ってくれたのだが、あまりに的を射たコメントだったのでびっくりした。
私はまだまだ、自分のモンスターのあるじになっていない。

狭路&千鳥は今回進歩なしだった。
「とにかく通ってください、それからなるべくゆっくりにすればいいんです。」
白バイ隊員がアドバイスをくれるが、フルロックがどうしても怖くて、通ることもできない。
今日は雨だから思い切ったことができなくて…というエクスキューズはありだろうか?
後半:コーススラローム(長直線パイロンスラローム→Uターン→オフセットスラローム)

こう書くと、何のひねりもないように見えてしまうが、長直線パイロンスラロームは、最後のパイロンが見えないくらい、彼方まで延々パイロンが並んでいる。
Uターンは、いわゆる180度ターンである。
オフセットスラロームは、後の方に行くほど間隔が短く、難しくなっているのだ。

直線パイロンスラローム、リアブレーキを引きずりながらアクセルを開けてなんとか引っ張る。
Uターン、曲がれないので足を着く、コースアウトする。
オフセットスラローム、間隔が短くなると失速する、後輪滑る。
…ムチャクチャである。

そんなお粗末なオフセットスラロームをしていたら、指導員の声が後ろからついてきた。
「その次のパイロン見て!はい、その次を見て!」
面白いことに、言われる通りに目線を向けると、(比較的)まともにスラロームできてしまうのだ。
これが自分でできるようになれば、オフセットもらったぁ!ってことになるのだな。

「前を走りましょうか?後ろにつきましょうか?」
スタート位置で、白バイ隊員が近づいて来た。
後ろについてもらうことにして、長直線パイロンスラロームに飛び込む。
ちょっと緊張しながら走り終えて、アドバイスをもらった。
「ブレーキランプがつきっぱなしです。リアブレーキ引きずったままですね。アクセル、ブレーキ、アクセル、ブレーキのメリハリをつけましょう。」
アクセルとブレーキをブレンドしていたつもりだったが、アクセルワークの粗雑さを、ブレーキでごまかしていただけだったようだ。
「さっきオフセットで滑ったでしょう?ブレーキ引きずったままだからです。却って危険なこともあるんですよ。」
やっぱり私、まだまだMonster 800S i.e.を理解していない。操れていない。
「今度は後をついてきて下さい。でも、ムリはしないで。」
白バイ隊員のブレーキランプの点滅をマネしてブレーキング、アクセル、ブレーキング…
気合いを入れて練習してみたが、この気難しい怪物は、私を振り回し、怖がらせる。

今回は荒天ということで、通常より早く11時で終了となった。
でも、ほとんどマンツーマンで走り通した?ためか、私はクタクタに疲れてしまった。

「自分のバイクをよく知る」
これが今回わかった、私に一番不足していることのようだ。
モンスターのアクセルって、どんな操作にどんな反応を示すの?
モンスターのブレーキって、どこまでならロックしないの?雨の中ではどれくらいが適切なの?
わかってないことだらけだ。
私とMonster 800S i.e.、つきあい始めて約2年半、走行距離は14,000kmちょっと。
惰性でつきあってきたつもりはないし、愛情も薄くはないと思うんだけど、もっと濃密な関係を築くにはどうすればいいのか?
今のところ、二俣川の次の抽選に応募するくらいしか思いつかないのだった。

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