#54 第38回白バイ安全運転全国大会見学ツーリング
参加車3台♪  タイトルバック?
旅人たち
頼れるツアーリーダーになって、みんなで白バイ大会を見学に行きたい。
そんな野望を抱いて幾年月、今年こそはとメンバーを募集してみた。
が、私の頼りなさは今や定評となったのか、参加者は夫をのぞくとたった一人。
日本赤十字社の救命救急員資格を持つYOUさんは、むしろ頼れる参加者である。
結局、YOUさん(ZRX)、夫ことビーマーのおっちゃん(NSR250R)、私(Monster800 S i.e.)の3人で、ひたちなかを目指すことになった。
出口を言い間違えて
今回は見学がメインなので、ルートはラクラク(のはず)、首都高→常磐自動車道→北関東自動車道→東水戸道路で「ひたちなか海浜公園」に出る。
常磐道は事故渋滞だった。
無残に前後が焼けた乗用車の脇を抜け、約束の時刻ぎりぎりに集合場所の守谷SAに到着した。
「ひどい事故でしたね。」
「あれは後ろから追突された後、前に突っ込んだんでしょう。救助に行こうと思いましたが、遅かった。」
今回は初心者はいないので、高速は各自で走り、出口で集合することにした。
が、事故の話に気を取られて、私は「ひたちなか海浜公園」と言わなければいけないところを「ひたちなか」と言ってしまった。
そのことを、給油のためYOUさんより遅れてSAを出ることになったビーマーのおっちゃんが指摘した。
「じゃあ、ひたちなかで出て、下道通るか。」
そう提案したが、おっちゃんの目が一瞬怪しく光った。

SAを出たとたん、ビーマーのおっちゃんは、鎖の外れた犬のように喜び勇んで駆けていく。
YOUさんに追いつくつもりなのだ。
「コンプライアンス」という言葉が頭の中ではじけて消えた。
・・・こういうツーリングにしたくなかったんだけど。

結局、YOUさんに追いついたおっちゃんに私も合流した。
YOUさんとおっちゃんを先導し、というより二人に後ろを守られて、大会の会場である安全運転中央研修所に到着した。
3人寄れば
午前の競技は不整地走行(モトクロス)である。
コースを見下ろす土手に立ち、土煙をあげるトライアル車を双眼鏡まで使って見学した。
私たちの地元である神奈川県警の選手がトップのタイムを出し、YOUさんと私は大いに盛り上がったが、ビーマーのおっちゃんの姿が無い。
見ると、睡眠不足の連続で疲れ果てたらしく、土手で眠っていた。
「どうせ寝るんなら、次の場所取りしてよ。」(←ひでぇツアーリーダーである)
無理やり引きずって、午後の傾斜走行操縦競技(コーススラローム)の見学席(といっても、やっぱり土手だが)に転がした。

競技開始前にお弁当を食べ(バランや銀紙がコースに飛んでいかないよう注意!)、いよいよ「楽しい楽しいコーススラローム」が始まった。
3人寄れば当然、下馬評というか、自由なコメントを交わしつつの見学である。
「一番速いのは先導車だったりして?しかもフル装備つけたままだし。」
「パイロン並べた本人なんじゃないの?」
「どうしても通らなきゃならないライン上に、パイロン置いてみたりとか?」
見学者の無責任な感想、と言われてもしかたがない。

見学者には、最終成績が知らされるわけではない。
が、減点前のタイムだけは放送で聞くことができる。
覚えている限りでは、男性のトップが2分08秒、女性が2分11秒だった。
元気の出るニュースである。
バイクに乗る女性みんなに教えてあげたいな、と思った。
うちへ帰ろう
興奮冷めやらぬまま、帰路に着くことになったが、高速のガススタまでたどり着く燃料が無かった。
そのことをおっちゃんに告げたが、何か行き違いがあったのか、YOUさんもガスが無いので、下道を通って行くからここで解散、といういうことになってしまった。
まあ、初心者はいないし、列を作ってガススタ探しをするよりいいのかな・・・。

と、現地解散してみたが、帰りの守谷SAで、我々3人は、申し合わせたように再会してしまった。
「ひとりはキツイですよ〜。」
ニコニコしながら、YOUさんが言う。
すみません、グループツーリングなのに、何かヘンな幕切れで。
守谷で見る夕間暮れの空は、楽しかった1日の終わりを告げるようで、ちょっぴり寂しかった。

こうして、見学ツーリングは無事に終了した。
コーススラロームにすっかり興奮した私は、練習したくてたまらなくなったが、翌日の月曜は祝日でも出勤日である。
もうトシなんだから無理するんじゃねえぞ、と憎まれ口で心配してくれる上司の待つ職場に戻らなければならないのだった。

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