#58 二輪車倶楽部の水沢うどんツーリング

ドカ友

カウントダウンツーリング
もうすぐ、モンスターとのお別れの日がやってくる。
その日まで、なるべくたくさんの素敵な思い出を作りたいと思っていた。

そんな私の気持ちをバイクの神様が慮ってくれたのか、職場の二輪車倶楽部のツーリングは、とても梅雨入り後とは思えない、最高の天気に恵まれた。
ルートは以下の通りで、夫がGPSのソフトにかじりついて地図まで用意しながら作ってくれた。
妙義山と榛名山をこれでもかと走る。

 甘楽PA
 松井田妙義IC
 群馬県さくらの里
 杉ノ木峠
 地蔵峠
 榛名湖
 水沢(うどんで昼食)
 前橋IC
 上里SA
妙義山
クルマでは何度か訪れている妙義山道路は、「路面が荒れている」という印象が強かった。
でも、実際にモンスターで走ってみると、注意を怠らなければ怖くない、という程度だった。
今回は、400CCの参加車が1台いることもあって、走行は比較的ゆっくり。
ゆっくりペースなら、路面のヒビや砂に気をつけながら、ジョギングのように気持ちよく走れる。
妙義山神社前の駐車場はいつも通りすいていて、雄大な、というより、奇妙な山容と、芥子粒みたいなバイクたちの写真を撮ることができた。

芥子粒バイク

榛名山から榛名湖へ
以前、群馬プチツーでも走った、ワインディングとロングストレートのツーリングロードである。
慣れというか、勘違いというか、とにかく自分を見誤る時というのはあるもので、もっとハイペースでもいいな、などと思ってしまった。
でも、考えてみると、このモンスター、私の所有となってしまったために、思いっきり気持ちよくエンジンを回してもらったことがほとんど無いのではないか?
今なら、かつてより少しはドカティらしく走らせられるかもしれないが、そうなるまで、というより、そう思えるようになるまで、あまりにも時間がかかっている。
ごめんよ私がヘボだった、と思うひと時である。
でもね、ノッキングとか、リアブレーキ引きずりっぱなしとか、以前はとにかくひどかったけど、今は多少マシなのではないか?
それもこれも、このモンスターで鍛えられた、ということなのかもしれない。
うどんとメロンのツーリング仲間
さて、ここまで、私はひとり感傷に浸りつつ走ってきたが、ツーリングのメンバーは、ひたすら楽しんでいる。
榛名湖畔では、マンガ「頭文字D」のライセンス菓子?をしっかり購入し、実はルートもこのマンガっぽかったことに充実感を覚えている模様。
紹介が遅れたが、今回のメンバーは、会社の二輪車倶楽部のいつもの面々の他、社外からの参加(隼、スーパーブラックバード)、夫と私の元上司であるOBのOさん(エリミネーター400)の大所帯である。
OBのOさんとは、まだ、私がVT250スパーダに乗っていた頃、今とは少し構成の違うメンバーで、何度か伊豆方面にツーリングに出かけた。
「あの頃は、私とつるちゃんだけ250で、ふたりでしょっちゅう置いていかれたよな。」
今は400と800で、というより、みんなオトナになって、じっくりゆっくり走るようになった(かもしれない)。

うどん屋は、2軒ハシゴしたのだが、みんな実に良く食べる。
典型的な組み合わせは
1軒目:もりうどん(普通サイズ)
2軒目:もりうどんと天ぷら(当然普通の量)
だった。

水沢うどんは、あっさりしているがコシがあって、おいしい。
正直、いくらでも食べられるかも(私の場合)。

当初の案では、うどんで鋭気を養った後、赤城方面に出撃?するはずだったのだが、翌日の仕事のことも考えて(或いは、待っている家族のことが気になって)、前橋ICから関越に入る。

関越では、上里SAで最後の集合をして、夫が持参したメロン(というか、商品名不明の長い瓜)を切り分けて食べた。
こんなコト、ツーリングでやっていいんでしょうかという感じだったが、クーラーボックスでよく冷やしたメロン(夫の説)はとっても美味しかった。
BMWのパニアケースの運搬力は全く侮れないのだ。

水沢うどんツーリングは400km弱。
この日までの、モンスターの走行距離は18,569kmだった。
心離れて
こうして、モンスターとの別れへと続く、カウントダウンツーリングのひとつが終わった。
モンスターに乗るたびに、私は少しずつ、別離の覚悟を固めていく。
変わらなきゃ・・・先へ進まなきゃ・・・そんな風に、自分を励ます。

例えば、かつてモンスター乗りどうし、折に触れて語り合った(メールだけど)相手から、いつしか返事が来なくなる。
そういう時、みんな、それぞれの今の人生を生きているんだ、と思う。
過ぎ去った日々から心離れて、今この時を真摯に生きているのだ、と。
私だけが、過去にしがみついているのかもしれない。
時は移り、人は変わっていく。
私も先に進まなくては、と思う。
そのきっかけが、HMS954であり、中研のXJR1300だった。
そして選んだ進路は、1098Sとなった。

でも、モンスターと別れる日のことを思うと、切なくなる。

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