地球のしゃっくり

大久保 研作

 ある日、地球がしゃっくりを始めました。
2、3日に一回、世界中を大地震がおそいました。そのたびにたくさんの人が死にました。何日たってもしゃっくりはおさまることはありませんでした。
 どうしたものかと人々はかんがえました。
 あるひとが、地球に水を飲ませてみてはどうかといいました。でも地球は水を飲みません。
 地球に息を止めさせてみようという人もいましたが、地球に鼻や口はありません。
 けっきょく、地球をびっくりさせてみようということになりました。
 でも、ちょっとやそっとで地球がびっくりするとは思えません。
 いろいろ考えましたが、核爆弾を使うのが一番だろうということになりました。
 こうして、7回目のしゃっくりがおわったあと、あちこちの砂漠や無人島でいっせいに核爆弾を爆発させました。
 それから3日たっても4日たってもしゃっくりは起こりませんでした。1週間たってもなにも起こりませんでした。
 人々は胸をなでおろしました。
 しかし、核爆弾のせいで地球は厚い雲におおわれ、気温がどんどん下がっていきました。でも大地震よりはましだと人々はがまんしていました。
 そんなある日、いままでよりもっとすごい地震が起こりました。地上のほとんどの人が死んでしまうほどのすごい地震でした。
 どうやら地球はかぜをひいてしまったようです。

end






撰者より:

 童話調に仕上げられたショートショート。オチがよい。