11/6 『海辺の部屋』滝口雅行  「アネモネの花はいまも花咲き」はくどい。「アネモネの花はいまも咲き」 でいいと思う。漢字とかなのバランスがいまいち。ひらがなをふやすならリズ ムにも気をつかわないと。「思い始めたのはてにいれることのできない」は 「思い始めたのは手にいれることのできない」、「むこうがわにはかること」 は「むこうがわに測ること」にしたほうが読みやすくないか?  「うなづ き」は「うなずき」。 『改訂さるかにばなし』TAKUTO  改訂? 教訓はいらないと思う。パロディは原作よりはるかにおもしろくな いと読みすてられる。 『コンポスト』鴨田義次  「お台所を設計から」は「お台所を設計するところから」か「お台所の設計 から」じゃないかな。  プロ作品におなじネタがある。あえて言えばゴミの量に無理がありすぎる。 『至福の時間』aki  登場人物がよくわからなかった。だれがだれの母親? 前半と後半で語り手 がちがうの? はなしことばで「サボテンすら」って言うのかな。「サボテン だって」とか「サボテンも」って言うような気がするけど。 『台風の子ら』梅松  「ブタ」と「豚」を使いわけているように見えない。「字も読めない」にひ っかかった。字があって、それを読めることに意味があるという豚の認識はど こからくるのか。どこまでが豚の認識でどこからが人間の論理なのか、そのあ たりのずれを書きこめばもっとたのしい話になったと思う。ま、好みだけど。 『私は中央分離帯にいる』こずみっく  一行めが好き^^ でもおちは読める。わりにみんな書きたがるタイプのおち じゃないかな。  ついでに暴言なまとめ。  読みにくいものが多い。せりふだけでも音読するとずいぶんちがうよ。でも って改行したらひと枡あけてよたのむから。登場人物の皮をかぶった作者が語 るのもパス(って、まえも書いたよね)。作者の仕事は酔わせることであって みずから酔うことじゃないはず。ついでに言わせてね、殺せばすむと思ってい る話も、こうつづくと飽きるよ。あとね、みなさんリーダ(てんてん「‥‥」 のこと。余談ながら使うなら「・」より「‥」か「…」にしようね)が多くな いか。余韻をのこしているつもりで、要は文をきちんとまとめられていないだ けじゃないの?  しかし今回も文字化けが多いね。私の送った話も一本載らなかったし、フォ ームの限界なのかしらん。  感想になっておりませんな、失礼。まとめも言いたいほうだいだし。と言い つつ撤回はしないんだけど(笑)。  つまりその、小説は作品であって青年の主張じゃないはずなのよ、と言いた いだけなのよ。言いたいことを書かないことによって感じてもらう、そのかけ ひきが小説の快感だと思うんだけどなあ。「おお、なんと悲しい」って講談調 も、まあ芸になってりゃ楽しめるけど、そこまでいっていないものは読めたも のじゃない。