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<輪島の椀木地師 高田晴之さんの工房>
職人さんは、工房の道具すべてを自分で作る人が多
いですが、高田さんは見事にすべてを作っています。
薫煙乾燥室、鉄(カンナ)を燻す溶炉、カンナ(3
番目の画像)などありとあらゆるものを自分で揃え
ています。
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<縦木取り、横木取り>
縦木(竪木)取り、横木取りを説明するために、高
田さんが作ったもの。画面左側が縦木取りのお椀用。
右側が横木取りのお椀用。
縦木取りは基本的に木目が縦に入ることになり、横
木取りは木目が横に入ることになります。しかし、
お椀の形との兼ね合いで、ろくろを使って木にカン
ナを入れていく過程では、木が柾目になっていたり、
逆目になっていたりするのでそこに熟練の技能が必
要になる訳です。
木は、原木を秋(成長が止まる時期)に切り、山で
1年、里で1年自然乾燥させます。その後、荒木取
り(次の画像よりもっと荒く削ってある状態)の状
態にして薫煙を1ケ月行います。薫煙乾燥室から取
り出した木型は、数ヶ月積み重ねておき、古いもの
から順に仕上げていきます。
なぜ、薫煙をするかについては、(防虫効果もある
と言われますが)、薫煙によって木の含水率を強制
的に下げ限界まで歪ませます。
1ケ月後、薫煙室から出した木型は再び含水率が少
し戻るので、そのまま数ヶ月積み重ねて自然乾燥さ
せます。
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<画像は荒木取りの次くらいの状態>
木は内側に反ろうとするので、縦木取りのお椀は内
側に反る傾向があ、横木取りのお椀はだらーんと横
に広がる傾向があります。それを極力抑えるのが、
十分な乾燥であるわけです。
ろくろでカンナをあてて木を削る時に重要なことは
ひたすら、木目に正直にカンナを当てることだそう
です。
ただし、木はいくら乾燥しても厚みのある状態で放
置すると、耐え切れないで割れるそうです。そのた
め、時期を見て薄くしておかなくてはいけません。
しかし、早く薄くしてしまうと、今度は歪んでしま
うかもしれません。その頃合を見計らうのが難しい
ところのようです。
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<カンナ>
自作の溶炉で作ったカンナの一部。カンナは使うう
ちに摩滅するので定期的に新しいカンナを作る必要
があります。木目に逆らわないで、しかも、構想通
りの造形を作るためにはカンナはいくつあっても足
りないようです。
尚、このカンナは椀木地師のものですが、朴木地師
(重箱などの木地師)の場合は大工さんの持ってい
るようなカンナが100種類以上あります。
木の性質を活かすためにも人間の英知が必要なんで
すね。
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<高田晴之さん>
高田さんは、赤木明登さん(塗師)の椀木地を多く
作っておられます。赤木さんは最近、紙のように薄
い椀木地(天廣椀シリーズ)に凝っていらっしゃい
ますが、その木地は高田さんが作っています。紙の
ように薄いお椀を作るということは、カンナの入れ
方がちょっと間違っても穴があいてしまう世界です。
赤木さんは、高田さんはいじめ甲斐があるかのよう
におっしゃいますが、それは、際立った技術力があ
るということに他なりません。
また、高田さんは最近では塗りも手がけていらっし
ゃいます。淡々と木と漆の世界に挑んでいるかのよ
うです。
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