2001年7月にぬりもの屋japanの店主が輪島を訪問した際のリポートです。

(2)塗りの世界

<輪島地の粉> 
輪島塗の堅牢さをささえてきたのが、この輪島地の
粉山から採取される地の粉です。

<新潮社 ほんものの漆器買い方と使い方から>
地の粉というのは、珪藻土(けいそうど)の一種で
ある黄土を蒸し焼きにして、粉にしたものです。こ
の粉末を混ぜるとかたく締まるため、漆器はますま
す丈夫になります。

この輪島地の粉は、採取されつくされていて、新し
い地の粉山を見つけなければいけないほど、貴重な
存在になってます。
地の粉に関しては:石川新情報書府を参照下さい。
<塗師(ぬし) 長井均(ひとし)> 
下地用の地の粉と生漆を混ぜ合わせているところ。

長井さんは、15歳から下地職人の下で修業を積
んで来られました。勉強が嫌いだったから、この
世界に入ったと謙遜なさいますが、確かな技の上
に自由な発想が重なって今の長井さんの作品が生
まれたことは間違いないようです。発想だけ、技
術だけではなかなか生き残っていけない世界であ
ることは、漆器にかかわる人なら誰しも認めると
ころでしょう。 
下地付けをしているところ。

下地付けも塗り、研ぎ、乾燥を繰り返します。長井
さんの場合は、中塗りの工程に移る直前に、ヘラで
造形を作ります。

漆器は、塗りと研ぎを繰り返して作るので、表面が
滑らかでないものを研ぐのは難しいことのはずです。
よく、漆器でもっと面白い色形のものはないのか、
という方がいますが、漆器は、型(制約)のあるス
トイックな世界だと思います。その制約の中で技術
の許す限り遊ぶ、それがプロの仕事です。

<塗師(ぬし) 鵜島(うしま)啓二>

中塗りの作業中。鵜島さんのお仕事を拝見している
と、その手早さにびっくりします。テンポよくさっ
と塗りあげます。テンポのよさが美しさに繋がって
います。鵜島さんは、また、艶を消したマットな風
合いのぬりものを製作している第一人者でもありま
す。根来塗り(黒に朱がのぞくパターンと、その逆
バージョン)が主です。以前、サントリーショッピ
ングカタログに鵜島さんの商品が掲載された際、取
材の人に、彼の商品を叩いて、その強靭さをアピー
ルしたそうです。木と漆のもつ本来の能力を十二
分に引き出す仕事をなさっているからこのようなこ
とができるのです。

尚、漆器は塗りと研ぎと乾燥(湿気によって乾燥)
の繰り返しと言いますが、ひとつのお椀を下塗りも
含めて10回それを繰り返すとします。内側と外側、
小口は一度には塗れません。それは、持つところが
必要だからです。そのため、30回はそれを繰り返
すことになります。しかも、塗るのはどんなに綺麗
に手早く塗ることができても、乾燥は気候にも左右
され、通常3日間必要とします。
3日間 X  30回 =  3ケ月。
そのため、受注生産の場合、木地づくりから始まっ
て、塗りが落ち着くまでということでホンモノの漆
器作りは6ケ月以上要するわけです。

漆器のことをもっと知りたい方は当店のリンク集を
ご覧下さい。

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