平成15年6月定例会環境総合保全対策特別委員会
フロンについて 平成15年7月4日

小川久仁子委員

県での届出は平成14年度が最初か。

(化学物質・フロン対策担当課長)

そのとおり。

小川久仁子委員

届出対象事業所は100%に近い形で対応したのか。どのくらいの達成率なのか、その選定基準及びその補足率は

(化学物質・フロン対策担当課長)

対象事業者の選定の基準の中のひとつに対象物質の取扱量という項目があり、これについて非常に把握が難しい中で、いくつが対象事業所なのかという数字は把握していない。

小川久仁子委員

対象事業所を把握できない中でどのように届出指導しているのか。
対応した事業所の割合も把握していないということか。

(化学物質・フロン対策担当課長)

対象事業所がわからないという中で、既存の県生活環境の保全等に関する条例とか大気汚染防止法等の法令で対象になっている工場がある。その中で業種とか人数など対象になりそうな工場を算定する。また、それより少し幅を広げ法令の対象工場になっていない工場の中で一定の規模の工場約1、800をリストアップし、この制度が始まる前にダイレクトメールで通知している。また、関係団体がいくつかあるので301の関係団体に対して会員への周知をお願いし、この制度による届出がうまくいくように啓発を行った。

小川久仁子委員

平成14年度に届出された事業所数は。

(化学物質・フロン対策担当課長)

県全域で1,564事業所。県所管地域では881事業所である。

小川久仁子委員

横浜市・川崎市についても数字を伺いたい。両市は別扱いなのか。

(化学物質・フロン対策担当課長)

横浜市は465事業所、川崎市は218事業所である。両市には経由事務を県条例で委任している。横浜・川崎て届出を受けたものをまとめて県で報告している。

小川久仁子委員

届出の義務があるとのことだが、この義務を怠った場合の罰則はあるのか。

(化学物質・フロン対策担当課長)

届出をしない場合及ぴ虚偽の届出をした場合は20万円以下の過料という罰則がある。

小川久仁子委員

想定した1,800事業所と実際の届出の差についてどのように対応したか。

(化学物質,フロン対策担当課長)

通知したところが全部対象事業所ということではなく、届出は自主的に行われるので特に残りの事務所に対応したということはない。

小川久仁子委員

当初2年間は5tと緩和されていることもあつて届出が少ないのか。

(化学物質・フロン対策担当課長)

そういうことも一因としてあると思う。取扱量が把握しにくいということがあり、私どもとしては工場立入業務を通じて事業者に対してこの制度の啓発をしていく中で、今後、把握実績を上げて行きたい。

小川久仁子委員

事業者に、有害物質を扱っている、また、環境に配慮しなけれぱいけないという自覚を促すためには、非常にすぱらしい制度である。しかし、正しく運用されて結果に結ぴつかなけれぱ意味がない。従業員数21人以上、使用量も多いということは、わりあいしっかりした企業である。むしろそれ以外の事業者を把握し自覚を持ってもらうべきである。届出対象外事業者へどのようにこれから対応していくのか。

(化学物質・フロン対策担当課長)

排出量というデータを共有して化学物質を適切に管理していくという趣旨であり、いろんな場面で啓発していくということが大事であると考える。様々な方法で啓発に努めていく。

小川久仁子委員

家庭から排出される洗剤、防虫剤等にも有害物質が含まれていて、資料の「県内排出量発生源構成比」でも、家庭が6%と、家庭での使用の重みもあるが、家庭での有害なものにはどんな物があるか。

(化学物質・フロン対策担当課長)

県内で最も多く使われていたのは、防虫剤とか消臭剤として使われるパラジクロロベンゼン、それから洗剤として使われるアルキルベンゼンスルホン酸が主な物質である。

小川久仁子委員

買い物の時に「アルキルベンゼンスルホン酸が入っていない製品をください」とはなかなか言えないと思う。家庭ではどういう目安で選択したらよいのか。

(化学物質・フロン対策担当課長)

今回の集計は、一般に出回っている洗剤等の中に入っている物質であるが、もう一つ大事なのは、(この制度の中では排出量だけがとりあえず把握されているが、)それによって人や生物が受ける危険性がどのくらいあるかという(環境リスクに関する)情報が必要で、これについてはまだ国で検討しているところで、(一概に何に換えたといってもそれにも化学物質が入っているということもあり、)この制度により、排出量の情報が把握できるようになったと理解すればいいのかなと認識している。

小川久仁子委員

そんな悠長な問題ではないと考える。平成12年度から急に知的障書児の出生が多くなっている。これは、母体を取り巻く環境が悪化していると考えざるを得ない。それほど環境は悪化していると考えている。ダイオキシンや環境ホルモンの疑いのある物質も354物質に入っている。悠長に対応しているような問題ではないと思う。県内でいろいろな調査研究機関が県費を使って様々な実験をしているのを視察した。私たちが、情報を知り得ない立場で使っている防虫剤や洗剤について(恐怖を与えるかもしれないが)ある程度は情報は出すべきと考えるがどうか。

(化学物質・フロン対策担当課長)

説明不足であったが、毒性情報は環境科学センターホームページで提供している。4月4日に県でも公表をしている。今後の公表においても、毒性や影響についても情報提供を予定している。今後もわかりやすい提供に努めたい。

小川久仁子委員

情報の提供について積極的にお願いしたい。

小川久仁子委員

先日のトリクレン事件の汚染原因究明への活用のような例を含め、今後どのようにこのPRTR制度を活用していくのが環境に寄与すると考えているか。

(化学物質・フロン対策担当課長)


PRTR法は、これまでのような個別物質の規制では対応が遅れるおそれがあり、また、事業者もISOの取得等自主管理の方向が強くなっているという背景の中で、化学物質の排出情報を、事業者、県民、行政が共有し、関係者が対話をしていく中で進めていこうという制度である。今後、県としては対話の場を設けるようにし、事業者の自主管理を推進していくことが必要と考える。


小川久仁子委員

残念なことに、我が国の企業は地域や環境への貢献意織が低いと考える。自分たちが扱っている物質について厳しく公開されていけば、企業倫理が向上していくと思う。このPRTR制度を我が国に合ったように展開していく施策について、どういう風に長期的展望を持っているか。

(環境農政部長)

これからの制度として定着していくと考える。化学物質対策においては従来から県では生活環境の保全等に関する条例もあり、こういった制度をさらに広げ、生活に密着したものにするためには、条例の扱い等も含めてこれからの県としての施策展開を考えていきたい。

小川久仁子委員

(要望)私たちが安心できる環境づくりに邁進してほしい。
戻る