平成17年1月27日 決算特別委員会(公営・一般・特別) 母子寡婦福祉資金会計

小川委員

 最後の質問ですけれども、母子寡婦福祉資金会計について伺います。
 この母子寡婦福祉資金という会計というのを聞いたときに、何と古めかしい、聞いたことのない命名だなというふうに思ったんですけれども、私は子供がおりませんので、夫に何かがあると、この寡婦になるんだということが分かりましたので、そういうことがあってはいけないんですが、内容について調べました。それで、これについて質問しようと思って事前に調整していたんですけれども、数日前に厚労省からの発表があって、その後、再三母子家庭の状況について報道がありましたので、当初予定していたことがほとんど新聞報道に載っていたということもありまして、今日の質問の中でも触れられているようですので、間を縫って伺おうと思います。
 報道でも、就労支援に各自治体を通じて母子家庭に対して力を入れていこうという国の方針が載せられておりましたけれども、15年度の母子福祉資金貸付額を見ますと、就労支援に相当する技能習得資金や就職支度資金が、件数も非常に少ないし、額も非常に少額であります。就職支度資金については1年間で10万円、技能習得資金も合計が4億4,000万円の貸付総額の中で1,741万円ちょっとということで非常に少ないと思うんですけれども、これはどういう理由でしょうか。

児童福祉課長

 就学資金等に比べまして、就労に結びつく技能習得資金等の利用が少ないということでございます。まず、この資金全体としては13種類ございますけれども、就学資金につきましては、母子家庭におきましてはどの御家庭にもお子さんがいるわけでございまして、そのお子さんの年齢により、主にこれは高校、大学等の進学に当たっての就学資金でございますので、利用が想定される母子世帯がほとんどという状況でございます。
 一方、就職、就業に向けて利用いただきます技能習得資金あるいは就職支度資金というのは新たに技能を習得して就労しようとするお母さん等への貸付金でございますので、そういう意味ではおのずと対象となるニーズが違っているということが一つございます。
 また、あわせて技能習得資金でございますけれども、一般的に母子家庭のお母さんたちが就職に向けて技能を習得する際に、比較的簡単に習得できる、例えば時間の講習で資格がとれるホームヘルパーですとか、医療事務といったものについてはこうした講習を受ける場所がたくさんあり、受講料もそう高額ではない中で受講できますので、こういった部分については自己資金で対応しているという状況があろうかと思います。また、一方では看護師ですとか、介護福祉士のような何年間か学校へ通った上で資格を取得するという場合にありましては、母子家庭のお母さんの意欲、あるいは将来の生活設計がきちっとしている中で計画をされることが多くございますので、そういう意味では貸付金の利用に際してはほかのいろいろな、先ほども出ましたような他の就学資金の活用を考慮に入れて計画される結果というふうに思っております。
 また、既に仕事を持っていらっしゃる方の中で雇用保険の対象になる方につきましては、一定の条件を満たす場合には、いわゆる教育訓練給付金という制度ができてございます。こちらの受講料の4割の給付が受けられますので、こういったところも使われている、こんなふうに推測しております。

小川委員

 あらゆる方面からバックアップ体制をしていくために、この福祉資金会計から少ないということではありましたけれども、お母さん方はいろいろな考え方があると思うんですが、新聞報道でも母子世帯の平均収入が212万円で、前回調査229万円からかなり後退したというふうに出ておりました。一方、父子世帯では400万前後ということで、母子世帯よりも非常に収入が高い。
 収入が低い母子世帯の212万円という内訳なんですけれども、母子世帯の平均就労収入というのが162万円というふうに統計で出ておりますので、この差というのはどうなのか。それから、生活保護を受けていらっしゃる母子世帯もあると思うんです。その方たちの収入もこの平均に加えられていると思うんですけれども、この差額と、生活保護を受けていらっしゃる母子世帯の平均収入についても伺いたいと思います。

児童福祉課長

 今、委員からお話のありました全国調査結果に基づく212万の収入のうちの就労収入163万の残りでございますけれども、残りの50万の中には、いわゆる児童扶養手当等の給付金手当、それから離婚された夫からの養育費、それから生活保護費、それから親族等からの仕送り等がすべて含まれてございます。
 それから、もう一点、生活保護を受けている母子世帯の平均の収入でございますが、ちょっと今のところ資料が手元にございません。申し訳ございません。

小川委員

 私が聞いたところによると、生活保護を受けても平均収入が大体200万円前後。無理して働いても、生活保護を受けても、大体同じような収入になってしまう。それでも母子家庭のお母さんたちは一生懸命働いていらっしゃる。母子世帯の1割程度の方が生活保護を受けていらっしゃるというふうに私は聞いております。
私の知人でも生活保護を受けながら働いている母子家庭の方がいらっしゃいますけれども、何とか生活保護を脱して自力でがんばっていきたい、ということでヘルパーの資格を取った方もいらっしゃいましたが、実際のところ、いろいろ母子家庭の自立支援給付事業であるとか、自立支援センターでセミナーを開いたり、それから指導員の教育もされているようですけれども、私が考えるには、ヘルパーになったとしても、子供を抱えながら生活してヘルパーとして稼ぐ。でもそんなにたくさん稼げない。大体8万円から10万円の稼ぎではないかなと。
私が関係しているNPOでもそんなところですから、そんなに高額の収入は得られないのではないか。今の母子家庭のお母さん方の就労状態を見ましても、正規雇用が少ない。パートであるということからしますと、どんな資格をとって働いても、母子家庭のお母さん方の苦労というのはなかなか減らないのではないかというふうに私は考えております。
 そういう中で、様々な自立支援のための施策を既にされているようですし、これからも充実を図っていかれると伺っておりますけれども、私が今申し上げた観点も含めて、どういうふうに充実させていくのか。本当に母子家庭の方が自立していくためにどういう支援をされていこうとしているのかお聞かせいただきたいと思います。

児童福祉課長

 母子家庭の自立の支援に向けた取組でございますけれども、先ほど母子家庭の自立支援計画を立てる中で、就労を中心にした支援を強化していきたいということで取り組んでいるところでございます。
 まず、母子家庭の就労支援で、最初に相談に当たる母子自立支援員という相談員を各福祉事務所に配置をしてございます。これまでは生活全般に係る相談ということで、特に就労の相談をしているわけではございませんでしたので、まずはその相談員にそうした就業に向けてのいろいろな知識を持っていただくということで、そういった相談員対象の研修会を既に4回ほど実施をしてございます。そうした上で、御相談に来られた母子家庭のお母さんへの的確な助言、指導をしていきたいというふうに考えてございます。
 それから、あわせまして、母子家庭のお母さんたちで、これから就職をしたいという方のための就職の準備のセミナーを開催いたしております。ここでは初めて就職する方たちということを考慮いたしまして、講座の内容といたしましては就職面接の受け方から履歴書の書き方、あるいは面接のロールプレイというような実際的な研修も含めながら開催をしたところでございますし、当然お子さんを抱えながらということですので、保育の体制をとって受講していただいたということでございます。15年度につきましては、後半から開始いたしましたので、実際には2回の開催でございましたけれども、参加された30数名の方の中で、事後報告ということで就職できたという御報告を2件いただいているところでございます。
 さらには、母子家庭のお母さんに対する求人の情報につきましても、県の母子寡婦福祉連絡協議会という、これは当事者の団体でございますけれども、法に定められた団体ということの中で連携をとる中で、そうした団体が母子家庭のお母さんを対象にした求人情報を提供するという事業を始めてございます。これまでは、県としても支援をしていく中で関係機関に呼び掛けて情報提供をお願いしてきているところでございます。そんな取組を今しております。

小川委員

 取組をされても、なかなか足りないと思うんですが、私が思いましたのは、離婚してから苦労するのでなく、なるべく離婚しないように、男性も女性もお互いが努力をし合って円満な家庭を続けていくのが最も幸せなのではないかなというふうにも思いましたが、離婚した方には引き続き温かい支援をお願いしまして質問を終わります。