平成17年7月6日 厚生常任委員会 医療事故 

小川委員
最後の質問者ですが、皆様のお広いお心でお許しをいただき、質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 新しい病院事業庁長を迎えて質問がないというのは大変失礼だと思いますので、私から1点だけ医療事故について質問させていただきます。

 先日報告されたこども医療センターにおいて発生した医療事故についての具体の案件についてなんですが、私が新聞報道等で読ませていただいた限りでは、これ報告にはありましたが、ミスが幾つか重なった事例だと思います。まず、リン酸二カリウム液を投与するときに0.6mgという指示をすべきところを6.0mgと指示した。そして投与するときにこの数字がダブルチェックできなかった。そして、3点目として骨髄液が皮下漏れしたというこの三つのミスが重なった事例だというふうに私はとらえているんですが、この事例をもとにと言ったら失礼ですが、この事故のために足を失うとうとい犠牲を払ってしまった方のために質問するわけですが、重なった三つのミスについてこれを一つのステップとして、平成13年に起きた事例ですからこの後何らか改善されたというはずだと思いますが、どういう点に留意して医療改善をこども医療センターではされたんでしょうか。 


県立病院課長
  

 こども医療センターは、かなり小さなお子さんに対しまして非常に繊細な治療を行わないといけないという特色のある病院でございます。そういった中で平成13年の事故、やはり今お話がございましたように、一つのポイントはお医者さんが本来0.6mgのところを処方のミスで6mgということでございます。なかなか医者同士のチェックというのも、薬剤課とか看護師さんの方では量的なものでチェックができますが、その中身的なものというのは現実かなり難しいところでございますが、今回のリン酸二カリウムとか他にカルシウムとか増進剤のように、非常に重大な結果を招くおそれのあるものにつきましては、小児病棟の中の集中治療室におきましては医師が重ねてチェックするというような体制をとったというところでございます。

小川委員

 看護師さんだと複数の薬品を投与する際、それぞれ投与する薬品が6.0mgなのか0.6mgなのかというチェックは難しいと。しかし、この事例を受けて医師によるダブルチェックをするようになった。それは改善されたということだと思いますが、当時のこの事故に関係した医師の方、看護師の方、処分はされていないようですが、今はどうしていらっしゃるんでしょうか。

県立病院課長 

 今回の場合には民事事件ということで争いになってございましたということもございます。それからまた、元々医療のこういう過誤というものにつきましては非常に特殊性がいろいろある場合がございます。ただ、今回の場合には0.6のところを6mgというようなことで、かなり過失の程度が高いものかなというようなところでございます。 

 それから、もう1つお話がございましたような皮下漏れした場合につきましても、非常に1,000mgに満たないような注射液をお子さんに対して刺すというようなことで、なかなか難しい観点とかいろいろなことがございます。今回これは民事上の一つの和解ということで一応の決着がありましたので、今回の事案というのを改めましてまた判断しながら、必要なことを検討していきたいというふうに思っています。 

小川委員 

 必要なことというのは、処分を含めてという意味ですか。 

県立病院課長  

 その検討もするということでございます。 

小川委員 

 私の主人が、昨年県立の循環器呼吸器病センターで大きい心臓の手術をしていただいて命が助かったわけですが、そのときはこういう医療事故というのは知らなくて、県立病院にお世話になれば大丈夫だろうという信頼感で手術していただいわけですが、この事故をきっかけに医療事件について数字をいただきましたら、訴訟提起されたのが厚木病院が移管される前も含めて全部で13件、係争中がこの和解予定を含めて10件、まだ係争中で非常に皆さん御心労のことだと思いますが、こういう時代で医療訴訟も増えてきている社会状況からして、これからもこういう医療訴訟が随分起きてくる可能性もある。しかしミスがなければ訴訟が起きないということから、十分に県立病院の信頼性を失うようなことがないように、新しい病院事業庁長のもとにしっかりと病院経営をしていっていただきたいというふうに思うんですが、新しい病院事業庁長から御苦労に対するお気持ちを伺わさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 

病院事業庁長 

 まことにごもっともな委員の御意見というふうに考えております。 

 医療事故の防止につきましては、これは私の前からの持論ですが、医療行政というのは、しょせんは医療の質の問題だというふうに私は考えております。個々の安全対策よりやはり質を高めることで根本的な安全対策がなされるというふうに思っておりますし、それから私のこれまでの過去の経験ですが、いろいろ努めていきますと案件の数が急に下がるということは少ないんですが、内容ですね、重大な事案というのが減るというのは私の過去の経験でございますので、この新しい職場でもそれを踏まえて努めていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。 

小川委員 

 県立病院に対する信頼感を失わせないように、しっかりとその方針でよろしくお願いしたいと思います。 

 次の質問ですが、かながわ高齢者保健福祉計画の改定について、報告事項の中でちょっと気にかかるところがありましたので、質問させていただきます。 

 報告資料の12ページ、参考の中に書いてあるわけですが、表がありました。急速に進む高齢化の中で平成12年、平成15年、平成16年の総人口、高齢者人口の実績値と平成26年の推計値が書かれてありました。私はこういう計画を立てるときには、数字というのは非常に慎重に扱わなければいけないというふうに思っておりまして、その総人口、高齢者人口を前期、後期に分けてしっかりと積み上げた上であらゆる施策がなされるものというふうに考えております。 

 人口が減少する時代、これ施策がそれによって変わってきますから、人口の問題というのは非常に大事だと思っておりましたから、自分自身でも人口問題については勉強をしてきました。 

 ここで平成26年に総人口904万人という推計値が出ているんですよね。今まで県が出した総合計画の中でもプロジェクト51の中でも904万人なんていう総人口というのは初めてですね。これだけ数字が多くなっているというのは初めてみたんです。余りにも唐突にこの数字が出てきたことにまずびっくりした。それで、今までの質疑の中でこれについて余り慎重な取扱いではなくて、簡単に答弁がされてきたということに私はびっくりしたので、この点について確認したいと思うんですが、平成26年の904万人というのは、ちなみに見込み数値は計数整理中であり、今後変動することがあるとは書いてありますが、これはどういうふうに出した数字でしょうか。 

高齢福祉課長 

 ただいま御質問の平成26年の将来推計人口につきましては、総人口、高齢化率を含めまして現在市町村が市町村の計画を策定するに当たりまして市町村が推計をしてございます。市町村の推計値を私どもまとめまして、私どもとして計算数値を推計したものでございまして、今委員御指摘のように総合計画における数値とは異なったものを用いております。 

小川委員 

 総合計画と違うものを用いたと今おっしゃったわけですが、私が聞いたからおっしゃったんですが、この平成15年3月につくられたかながわ高齢者保健福祉計画の5ページに、急速に進む高齢化というところで、高齢者の状況について触れていらっしゃって、神奈川県では平成22年、2010年ごろには人口の減少傾向の始まりと相前後して高齢化率が20%を超えることになりますと、このように県の計画を意識した表現を使っていらっしゃるわけですよ。それで、県の人口推計では平成21年が、要するに2009年が人口のピークで884万人がピークだと、そのように推計しています。 

 国の推計値では、平成14年3月の推計ですが全国の人口、日本国の人口は平成18年がピーク、2006年がピークだと。そして神奈川県のピークは平成26年あたりではないかというふうに推計していて、その推計値も887万人ですよね。 

 国の推計方法と県の推計方法は少し異なっているというふうに政策課からは聞いているわけですが、神奈川県の政策課で行っている人口推計というのは2005年まで、今年、去年まで推計値が実績とどういうふうに差があるのかということを表にしてもらったところほとんど合致しているんですね。高齢者、65歳以上の数字についても合致している。だから、急に2015年になったからと900万人台になるというのは前提なしにというか、断りなしにこの数字を使うというのは、非常に問題があると私は思うのですがいかがでしょうか。 

高齢福祉課長 

 確かに違いがございます。私どもかながわ高齢者保健福祉計画によっての将来推計人口でございますが、これはいわゆるかながわ高齢者保健福祉計画の計画に載せるとき、介護保険サービス見込量、最終的には介護保険料なり、介護保険歳出に影響を及ぼす数値とあるのでございますので、私どもといたしましてはなるべく的確な見込量を算定するために最近の実績とか一番新しい状況、そういうものを踏まえて、もう一つはできる限り地域の実情を踏まえた上で、現実的な推計を行いたいということで作業を進めてまいりました。その中では委員が言われましたように、総合計画の推計人口とは異なってまいりますが、基本的に現段階で市町村が推計いたしましたものをもとに推計するものが私どもの計画としては、現段階ではそれを用いた方が、私どもとしてはふさわしいのではないかというふうに判断いたしまして、この数字を公表させていただきました。 

 ただ、委員おっしゃいましたように、ここに注の欄で書いてございます今後変動することがあるということだけでは、この数字の根拠なり意味合いがこの中から読み取ることができませんので、そういう意味では私どもの説明が不足していたというふうには認識しております。今後数字を出すに当たりまして、その辺のところは十分御説明するような形で公表していきたいというふうに考えてございます。 

小川委員 

 今の御答弁で、これから慎重に取り扱っていくということですが、これ来年3月をめどにかながわ高齢者保健福祉計画を改定するわけですよね。この冊子をつくるわけですよね。それで、県の政策課に確認しましたところ、県内川崎も横浜も含めてですが、非常に社会増、人口増が見られるので、今年の末に向けて少し数値を考え直したい、そういうふうにはおっしゃっています。しかし、もう総合計画の中で880万人ぐらいの人口に対して904万人というのは20万人も30万人も違ってしまうわけですよ。 

 それで、政策課がどういうふうに数字を変更されるか分かりませんが、県は独自の推計値を出す方法で計算していて、国の計算値をこの各市町村は使って出してきている。だから、国と同じような数字が出てきてしまうわけですが、神奈川の推計値は大体これをもとに今まで推移していますから、いろいろな社会増についても加味して人口推計を出しているわけですから、かながわ高齢者保健福祉計画だけが突出して神奈川県の総合計画と差が開いてしまっているというのは、今年の末の数字を見てみなければ分かりませんが、かながわ高齢者保健福祉計画では900万人以上で総合計画の見直しというか、やり直しで人口が増すと、数値の計算のもとに人口が下回るとしたら、それについてはやはり丁寧な慎重な取扱い、そして説明が必要だと思うんですよ。いかがでしょうか。 

高齢福祉課長 

 私ども推計しましたときには、例えば今の総合計画等の中と推計の基準点が違うというのがございまして、そういう意味でただ基準人口とか出生率とか、今委員がおっしゃいました社会移動の問題とか、そういうものについて私どもといたしましてはなるべく最近のものを使った上で推計をしたところでございます。ですが、今委員がおっしゃいましたように総合計画の中で違った数字が出ている。また今年の秋ですか、秋以降に総合計画の方でもまた新たな推計を出されるということでございますので、今回の904万人ということは第1回目の推計でございまして、今後2回、3回と市町村とも調整しながら、より精緻な数字を出していく予定でおりますので、総合計画の秋に出される数字等を踏まえまして今後もう1回見ていくということで調整をさせていただきたいと考えております。 

小川委員 

 これは単に一つのかながわ高齢者保健福祉計画だけではなくて、地域福祉計画にも関係してくることですし、県の総合的な姿勢に大いに影響するものではないですか。今一時的な数字とおっしゃいました。だったらそれだったら参考の数字ではありますが、お出しになられるときにそういった説明だったんでしょうが、そういうことも踏まえて説明していただきたかったなと私は思っております。 

 そしてまた、改正をされるときには政策課と十分にすり合わせをされて、それでだれから見てもそごのない数字を出していただけますように強く要望いたします。 

 では、最後の質問とさせていただきますが、介護保険制度の改正についてなんですが、これに関連して今の数字も影響してくるんですが、一番介護保険で今まで大きな問題だと私が感じているのは、ケアマネジメントについてなんですね。このケアマネジメント、ケアマネジャーについても、大きな変更が今度の改正でされることになっています。 

 それで、それについて現任研修もあわせて伺いたいんですが、報告資料の9ページに、サービスの質の確保と向上と書いてあるところに、ケアマネジメントの見直しと書いてあるところにケアマネジャーの資質の向上を願うということでア、イ、ウと書いてあります。この課題は当局でも把握されていることとは思いますが、もう一度確認をさせていただきますが、ケアマネジャーの現任研修などを通じ、ケアマネジャーの現状についてどういう課題があると思われていらっしゃいますか。 

高齢福祉課長 

 ケアマネジャーにつきましては、介護保険制度の中核を担っているところでございますので、非常に重要な役割ですが、そういう中で制度施行後5年を経過したわけでございます。そういう中で私どもの方はいわゆるケアマネジャーがおります居宅介護支援事業所、いわゆるケアマネジャーの事業所がございます。そこをこの5年間県の立場から指導してまいりました。そういう中でいろいろな問題とか改善点を業者に対して指摘しているところでございます。 

 具体に申し上げますと、一人のケアマネジャーが利用者を多く抱えてしまうということで、先ほど委員おっしゃいましたアセスメント、いわゆる課題分析とかサービス担当者との十分な連携とか、それから実施状況の把握、いわゆるケアマネジメントが十分に行われていなかったケースがあるということ。それからもう一つはケアマネジャーの事務所といいましても、ケアマネジャーが一人でやっている事務所というのが非常に多くございまして、その事業所におきまして一人でやっていますので、自分がつくったケアプランをチェックする機能がないということ。 

 それから、ケアマネジャーの事業所はサービス提供事業所に併設された事業所が多いということでございます。9割が併設された事業所でございますので、そうしますとケアマネジャーがケアプランをつくるときに自分のところの事業所の提供できるサービスをケアプランに入れたがるという傾向がどうしてもございます。そういう中からプランの公正、中立な観点からすると、改善が必要になるプランが多くあったというようなことを私ども事業所の指導の中で指摘をさせていただいているところでございまして、こういった問題が現実的には起こっているというふうに認識しているところでございます。 

小川委員 

 そういう認識のもとに様々なケアマネジャーの研修についての変更をされていらっしゃると思うんですが、介護保険制度の変更がされると、こういう状態にどういう影響があるのか、影響を与えるようなどういう変更があったのかという質問の方がいいのかもしれませんが、その辺はいかがでしょうか。 

高齢福祉課長 

 今回の見直しの中で、ケアマネジャーに対しましてやはりケアマネジャーを支援する仕組みをどうつくっていくかという問題、それからケアマネジャー個人の資質を向上していくというそういう両面から見直しが行われていると考えてございます。 

 ケアマネジャーに対する支援の方でございますが、主治医とか他の職種との連携を一部とるような体制を置こうとか、地域でケアマネジャーネットワークを構築し、問題を共有しながら課題を解決していくというようなこと。それからケアマネジャーがいろいろ困難な事例を抱えてしまって、それをどう解決していいか分からないという問題がございますので、そういう困難事例に対して支援ができるような体制を置こうというようなこと。今回地域包括支援センターというのが設置されますので、そこが担っていくというような仕組みをつくるようになってございます。 

 それから、ケアマネジャーの資質、専門性ということに関しましては、これまでも委員が先ほどおっしゃいました現任研修等いろいろな研修を行っているところでございますが、まだまだ研修を受講していないというケアマネジャーもたくさんおります。それは当人が行きたくても、事業所の都合でなかなか受講できないとかいろいろな事情がございまして、まだまだ受講もできないというような状況もございますので、今回の見直しの中では研修を義務化するということ。それから事業所において、これまでのケアマネジャーというのは資格を与えたら、そこである意味では終わってしまっていまして、ケアマネジャーがどういう活動をされているのかが全然分からなかったという状況がございましたので、所属のケアマネジャーの届け出と事業所にどのくらいケアマネジャーがいるのかということを分かるようにするとか、ケアマネジャーがどういったプランをつくっているのが分かるようにするとか、そういった意味でケアマネジャーの管理を強化していくというようなことを必要としております。 

 それから、これまではケアマネジャーが一旦資格を取りますと、ずっと資格があったわけでございますが、資格の更新制度で5年で資格を更新するというようなことも行いまして、なるべくケアマネジャーの資質向上を図っていきたいというふうに考えてございます。 

 それからもう一つは、ケアマネジャーの独立性をどう担保していくかという問題がございます。それにつきましては今明確ではございませんが、ケアマネジャー一人当たりの担当ケースを見直したり、それから独立した事業所、ケアマネジャーの事業所があった場合にはそこのところで報酬を分けて、独立した事業所を増やすというようなことも考えているところでございます。 

小川委員 

 様々今御答弁があったわけですが、整理してもう一度申し上げますと、現在ケアマネジャーはプランをつくる一番頼るべき存在ではあるわけですが、どうしても私たちが介護保険が施行される前に危ぐしたとおり、施設付きで、利益誘導、その施設の利益になるようなケアプランをつくりがちである。端的な訪問介護だけだとか、施設介護だけだとかという単純なケアプランが多いと。相談にきちっと乗れるようなこういう施設がありますよというような親切に相談に乗ってあげられるようなケアマネジャーが余り多くない。そういうような様々私たちが見聞きしているようなケアマネジャーの改善すべき点、それを踏まえて今いろいろと御答弁していただいたんだと思うんですが、現在1割しか独立したケアマネジャーの事業所がないわけですよね。それを独立して事業所を増やす、なかなか難しいことだと思うんですよ。これどういうふうな工夫がされているんですか。 

高齢福祉課長 

 今のところ独立性をなるべく増やしていくという意味で、サービス提供事業所のケアマネジャーとそれから独立したケアマネジャーの報酬を変える、独立した方の報酬を高くしようと。そして独立している事業所の方に誘導しようということが国では今考えられているところでございますが、それがどのぐらい報酬が上がると誘導することになるのか、というところが今のところ申し訳ありません、見えていないところでございます。 

小川委員 

 今お答えになった部分についての例えば病院付きの門前薬局が多くなっているように、施設付きではないが、もとは施設付きで、独立した形の事業所が増えるということだって当然予測されますよね。そういうふうに事実が変わらない、もとが変わらない、内容が変わらないではしようがないと思うんですよ。要するに形も大事ですが、ケアプランの内容がどんなに充実されていくかということが利用者にとって必要なことですよね。そういう中でケアプランの内容を厳しくチェック、今までは全然どこもやられていなかったところだと思うんですが、チェックしていく機関というか、そういう仕組みが必要だと思うんですが、その辺はいかがですか。 

高齢福祉課長 

 新しく制度ができます介護予防の新予防給付のケアプランにつきましては、包括支援センターからもつくると。一部委託することが可能だと思いますが、最終的なチェックは全部市町村が設置する包括支援センターでチェックするということで、今委員がおっしゃったことについては新しい新予防給付についてはチェックできるという体制が生まれるわけでございますが、いわゆる介護サービスにつきましては、そこまでのチェックというのは制度的にはまだ担保されていない状況でございまして、一部市町村では市町村で独自にやられているというところはございますが、制度的に全部第三者がチェックするという体制はなってございません。 

小川委員 

 体制ができていないということも問題ですが、これから工夫を重ねていかなくてはいけないと私は思いますが、今の御答弁にあった介護予防給付、市町村が主体となってやる部分のサービスについては、ケアマネジャーはタッチしないと。保健師さんが一義的に保険プランをつくる。ケアマネジャーの事業所にケアプランをつくることを委託することができるということは知っておりますが、これ結構現場では不安があるのではないかと思うんですね。というのは、要支援、要介護1の認定者は要介護2から5の認定者と比べますと、要支援、要介護1、すなわち介護予防給付の方に移動するだろうと思われる認定者の方が5分の2ぐらいいらっしゃるわけですよね。半数近くいらっしゃる。その人たちのケアプランをつくっていたケアマネジャーは仕事が一時なくなるわけですよね。市町村の方に移動するわけですよね。 

 委託がどういうふうになるかは別にして、実際にケアプランをつくるのはどういう仕組みでされるのか分かりませんが、こういうことについてもケアマネジャーがしっかりしていないから、実情を踏まえてそういうふうな仕組みになってきたのかなと私は思っているんですが、ケアマネジャーがしっかりとケアプランをつくる。本来の仕事をできるように指導していくのもケアマネジャーをたくさん、1万5,000人を認定してきた県としても責任があると思うんですよ。みんなたくさんケアマネジャーになってくださいよ、それで現任研修もやってきました。質を向上させます。しかし今度は仕事が減りました。それもまた困ることですよね。ケアマネジャーにとっては非常に不安な形もあると思うんですよ。 

 来年4月から、新しい介護保険が新しい制度で施行されるわけですよね。それまでの間に非常に短期間においていろいろなことをやらなくてはいけない。非常に担当部局としては苦労がおありだと思いますが、ケアマネジャーのことについてきちっと給付額も提示されて、どういう形でしていこうかというのがはっきりするのは大体いつぐらいですか。 

高齢福祉課長 

 基本的に国の方では、秋には骨格が出るということでございますが、実際の報酬の単価とか何かというのは1月過ぎになるというふうに聞いてございます。 

 それからもう1点、今のお話の中で、確かに5分の2とおっしゃいましたが、5分の2の4割ぐらいの方が新予防給付の方へ移るということでございますので、その方々が新しいケアプランになると。そういう意味で旧来のプランをつくるケアマネジャーの役割がずっと減ってくるのかなというふうに今委員がお話されましたが、それは確かに数字的にはそうなるわけでございますが、国の方ではこれまでのケアマネジャーが一人当たり平均50人ぐらいのプランをつくるということで想定して、報酬などを決めていくわけでございますが、それはやはり多過ぎるということで、それについては今一人当たり30人ぐらいにして、もうちょっとじっくりとケアマネジメントができるようにしたらどうかということで国は今検討を行っておりまして、それにあわせたといいますか、利用者30人を見ることによってある程度ケアマネの経営ができるような報酬単価にしようというふうなことを検討されているようでございますので、数からすれば4割の問題ですからかなり数は減るんですが、一人当たりの担う数を減らすことによって、単純に今までより減るということにはならないのかなというふうには考えております。 

小川委員 

 その点についてはそういう考え方もあるのでしょうから、不安を払拭するような説明が必要かと思いますが、来年1月にきちっとした数字が出されて、それから市町村を通じてケアマネジャーとか各事業所にいろいろ伝達していくわけですよね。その伝達するのが非常に難しいと思うんですね。正しい情報を正しく伝えると。私も地域においてまるっきり違う話がいつもケアマネジャーやヘルパーさんたちに伝わっているのを聞いてびっくりすることばかりですので、正しい情報を正しく伝えるということが非常に難しいということを踏まえて、きちっと対応していっていただきたいと思いますが、この介護保険の改正についてはただいま質問したケアマネジャーの件だけではなく、非常に多くの問題、それから不安、不満な点がたくさんあります。ですから、それについては今年いっぱい一生懸命質問させていただきながら、よりよい体制に結びつくように私どもも努力していきたいと思いますので、当局としてもそういう姿勢でよろしくお願いいたします。 

 要望して私の質問を終わりたいと思います。