平成17年12月定例議会  平成17年12月16日開催 厚生常任委員会質問

@タミフルの備蓄について
Aかながわ高齢者保健福祉計画の改訂について



@タミフルの備蓄について

小川委員
 1問目は、タミフルの備蓄についてですが、今までも各会派の質問を伺って、またインターネットその他で調べたりしたんですが、備蓄というのは果たしてどういう形でするのかよく分からないところがあるんです。また、様々な報道がされていて、もう国では2年間の18年度、19年度のタミフルの分は契約ができたとかできないとか、いろんな報道があるので、非常に不安に私自身思っています。今、当局で把握していらっしゃる備蓄についての情報をお伺いしたいと思います。

健康増進課長
 私の承知している範囲のお話をさせていただきます。
 タミフル備蓄につきましては、通常タミフルについてはインフルエンザの流行るシーズンの前、11月ごろに、毎年1,200万人分、中外製薬というところが確保してございます。毎年大体800万人分ぐらい使われて、400万人分ぐらい残って、またシーズンのはざまに800万人分補充して、またシーズンの頭に1,200万人分用意されるものでございます。こういう通常のインフルエンザ用のものとは全く別に、今回、国の方では新型インフルエンザのパンデミックが起こったときのために、医療機関が発信する発生予測というのを、CDCのモデルを使って計算してございまして、国の行動計画の4ページに書かれているんですが、国の行動計画において、最大で2,500万人ぐらい医療機関を受診するのではないかと。また、新型インフルエンザの病原性が中等度という一番起こりそうな場合の医療機関に掛かる患者数の予測は1,700万人、最低の場合は1,300万人と。1,300万人から2,500万人まで幅があるんですが、国の危機管理は最大を想定するのが基本でございますので、この2,500万人分を、いつでも用意しておこうという考えに基づきまして、国は行動計画において2,500万人分を備蓄しておこうと考えてございます。
 それで、その方法ですが、この行動計画、11月14日に発表されるときに示されてございまして、18年度の予算と19年度の予算の2年に分けて、合計2,500万人分の備蓄をいたしましょうと。2,500万人分の内訳ですが、先ほど言ったように、中外製薬、いつも400万人分持っていますので、2,500万から400万引くと残り2,100万人になります。それを、国と自治体で半分に分けて、国は1,050万人分を確保しますと。残りの1,050万人分は、自治体さんでお願いしますという話になっていて、合計2,500万人分を18年度、19年度分で備蓄しましょうという話になってございます。
 それで、国はもう今年の段階で1,050万人分、これちょっと1,000万人と1,050万人の二つがあるんですが、もう中外製薬に対して発注を掛けてございます。発注して手に入るのが19年度の末に物が入るというふうなところまでいってございまして、流通の形式は、基本は中外製薬から国及び自治体が買って備蓄して、100%まで国は中外製薬に買い戻させる。あともう一つですね、流通備蓄をしたいというか、卸から買いたいという自治体があるそうで、その場合は、卸さんから買って卸さんに戻すという方法もありますよという形を示してございます。その金額については同額という、買うときと戻すときは同額という話をしてございます。
 神奈川県につきましては、神奈川県のインフルエンザ対策の27ページに、厚生労働省の行動計画に基づく神奈川の備蓄目標というふうに書いてございまして、そこに71万6,000人分と書かれてございますが、当然、国のものも71万6,000人分、それから中外製薬の400万人分の内の23万3,000人分について、今言った合計170万人については、神奈川県の計画割り当て分になると、私ども考えてございます。国に対しては、流行時のタミフルの公平な分配について方針を明らかにするよう要望しているという状況でございます。でも、なお、詳細につきましては、今国が中外製薬と交渉中という状況で、状況は流動的でございます。

小川委員
 今の御答弁の中で、一番心配なのは公平な配分がされるのかどうか。また、都道府県によって目標値が国から示されている、それは予算の中からそのぐらい出しなさいよ、お金を出してくださいよという話なんでしょうが、新型インフルエンザは、やはり首都圏、人が多く流通しているところ、そして乾燥しやすい地域には、発生しやすい。鳥インフルエンザ、新型も同じようだと考えれば、人口割での目標値というのは意味がないんじゃないかと私は思うわけですよ。今170万人分ぐらいが神奈川に来るだろうという予測をおっしゃっていましたが、それが公平な配分であるかどうかというのも、今申し上げたような形からいくと、人口割合による目標値も公平ではないのではないかと私は思いますし、対外的には、アジアの会議で首相が50万人分タミフル寄付するよなんて言って、国内では結構けちけちしているんですよね。都道府県からお金を出してくれよなんて言われていますが、そのお金を出さないからって、そのタミフルが国で持っていたとしたら、お金を都道府県が出さないからって、いざその都道府県ではやったときにタミフルを出さないなんてことは、人道上ありえないだろうと。そうすると、お金をただ出してくれよという目安で各都道府県の目標値を出してきているんじゃないかなと私は思うんですが、それに都道府県が振り回されているというところもあるのかなと私は思っているんです。こういう形で国が国民の命にかかわるような数字を出してくるというのは、非常にけしからんと私は考えているんですが、どうですか。

健康増進課長
 知事の要望として1点目は、先ほど申したように、国に対して流行時の配分に公平なようにというようなこと。それから、全国知事会の要望として、基本的には国の危機管理であることから、国の責任で行うことと。それから、都道府県の分配については、公平なやり方を示すと。それから、流行時においては、円滑な流通の仕組みを構築するようにというふうに、全国知事会、または同様の内容を衛生部長会議などを通じて、国に対して要望はしてございまして、国においてもこうしたことについて非常に重要と考えており、今後検討するというふうに考えているということから、国の行動計画を進める中で、早急に出てくるのではないかと考えているところでございます。

小川委員
 おっしゃったように、国が責任を持ってやるべきことでありまして、意見書案も出ておりますが、都道府県、政令市も含めて、予算の協力は多分するだろうと思いますが、国の責任において国民の命を守るべく、タミフルの備蓄についてはきちっと対応してくれるように県からも要望を出していただきたいとお願いをして、この質問は終わります。

Aかながわ高齢者保険福祉計画の改訂について
 かながわ高齢者保健福祉計画の改定計画の素案についてお伺いしたいと思います。
 この中で、前回の平成15年度から19年度の保健福祉計画と比べてみますと、かなり細かい部分まで踏み込んで書かれてあって、以前のものと比べると、内容的にはランクアップしているのかなというふうな印象を受けました。読むべきものもありました。しかし、残念なことには、一番新しい、今度の新しい介護保険の改正に基づいた部分というものの中で、報告事項の中でも計画の重点課題として挙げられている介護予防重視型システムへの転換、地域ケア体制の充実というところの項目が、非常に不足していると私は感じましたので、そこのところをちょっと質問したいと思います。
 新しい改訂版におきましては、今まで在宅介護支援センターの役割と書かれていたものを、新しいシステムの中でもそのまま地域包括支援センターに置きかえられているんですね。それについての説明がほとんどない、全くない。そしてまた、そのまま今も現存している在宅介護支援センターのこれからの役割とか、これからどういうふうになっていくかということについても、何も触れられていない。これは、ちょっと不手際じゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

高齢福祉課長
 今委員御指摘のとおり、この新しい計画の中で地域ケア対策の充実というところでは、初めから地域包括支援センターが、今回の介護保険制度の目玉でございます地域ケア推進対策の中核というのが、突然と出てきております。ただ、確かにこれまでの計画でもそうでございますが、今後の計画で地域ケア体制の中核というのが在宅介護支援センターでありましたので、それが一部、その在宅介護支援センターの機能がこのたびの改正によって縮小されて、それで、その機能の大部分を地域包括支援センターが持つことになるわけでございますが、これまでの在宅介護支援センターがなくなって全部変わってしまうということではございません。確かに今後も在宅介護支援センターが、ある意味で機能は縮小するが、続いていくということも十分想定されますので、そういう意味では、地域ケア体制におけるその中核が、今後の役割につきましては、これまで中核であった在宅介護支援センターがこのたびの改正でどう変わっていって、それで新たな地域包括支援センターがどういう役割を持つかということによって、これまで以上に地域ケア体制が充実されるんだということをもう少し触れないと、委員御指摘のとおり、これというのはちょっと分かりにくいというふうには考えてございますので、その辺はもうちょっと触れていきたいと考えてございます。

小川委員
 是非、そういうふうにしていただきたいんですが、今のお答えの中で、在宅介護支援センターとして残っていくところもあると、全く新しい包括支援センターをつくるところもあるというお答えでしたが、私の考え方では、現存のものですと在宅介護支援センターが社協とか特養とかの施設に併設しているところがあって、そういうところだとその社協や特養を利用していない方、デイサービスだとかケアマネージャーとか全然利用していない人たちがどうも行きにくいとか、相談しにくいとか、そういうような様々な問題もあると思うんですよね。それで、そういうことも踏まえて、新しい支援センターを新しい機能も持たせながらつくっていくのかなという気もするんですが、そういう問題点については、どの程度把握されていますか。

高齢福祉課長
 在宅介護支援センターの問題というのは、今委員御指摘のとおり、私ども、また県の所管しているところで申しますと、地域型というのは126箇所ございますが、そのうちの8割以上が居宅介護支援事業所と兼務しているというようなこともございますので、そういう意味では地域の相談機能を持っているんですが、今委員の御指摘とおり、事業所との関連があまりにも強すぎますし、相談とケアマネージャーが、どちらの顔をしているのか分かりにくいという問題もございました。そういう意味で、地域の方々が気軽に相談に行くというよりは事業所に行ったような形になってしまいますので、そういう意味では相談が非常にしにくいということがございまして、これが一番大きな問題というふうに、在宅介護支援センターサイドの方も考えているところでございます。そういう面を、排除した公正・中立な包括支援センターをつくろうというのが、今回の一つの目的でございます。

小川委員
 大都会ですと様々な事業所があって、ここは行きやすい、あそこは行きにくいということもあるでしょうが、そうでない部分というのは、やむを得ず併設というような地域もあるでしょうから、今までの支援センターが残っていかざるを得ないような場合もあるでしょうが、そういう問題点を把握されているんでしたら、そういうところを払拭するように御指導をしていっていただきたいなと思います。
 今までの既存の保健福祉計画ですと、市町村の社会福祉協議会の活動を強化というのが、きちっと1ページ半ぐらいで書かれているんですが、今度の改訂版では、それが全くそっくりなくなって、急に民生委員の活動支援なんていうのが新しく入ってきているんですが、社協の活動強化はもうなされたから要らないと、こういう考え方なんでしょうか。

高齢福祉課長
 地域ケアの体制の中で、やはり今まで申しました在宅介護支援センター、それから地域社協、民生委員の方々、医療ボランティア、いろいろな担い手がいらっしゃるわけでございまして、今回の計画でも在宅介護支援センターとともに地域社協につきましても、大きな役割を担っていただくということで書かせていただきました。それで、今回の計画中では、どちらかというとNPO、ボランティアが中心のような書き方を今の素案の中ではさせていただいておりますが、私どもの認識としましては、地域社協の役割がなくなったとか、それとも強化はされたからこれでいいとかということではございません。そういう意味では、これからも大きな役割を担っていただくというふうには考えてございます。ただ、地域社協の強化というよりも、私どもの認識でございますが、地域社協の中にある機能、そういうものにやはり注目したような書き方をどうしてもするようになってくるのかなというふうになっており、地域社協というのはこれから大きな役割を担っていただいて、ボランティアの調整とか、ボランティアセンターをつくっていただくとか、ボランティア間の調整とか、いろいろな機能はあると思います。そういう意味でいろいろな機能に着目しますと、地域社協全体という名前が出てこなかったものですから、私どもちょっと抜いてしまったんですが、委員御指摘のとおり、地域社協につきまして役割は決して減っているわけではございませんので、その辺のところをもうちょっと書き込んで直したいというふうに考えてございます。

小川委員
 今、御答弁にありましたとおり、社協の役割というのは、その地域によってやはり格差が出てきているのかなというふうに私は考えております。そしてまた、介護保険事業者として大もうけしている社協もあって、過渡期は、あるいは移行期はしょうがないにしても、やはりコーディネーター機能であるとか、ボランティアの紹介事業であるとか、研修事業であるとか、県社協の在り方が地域社協も目指すべきところではないかなというふうに考えておりますので、そういった方向性も踏まえて、社協の在り方についてもおっしゃるとおり、改訂版の中でも触れていただいて、19年度までの高齢者保健福祉計画とそごがないように、もう一度じっくりと見直していただいて、全体的にはいい計画になっていると思いますので、より努力していただきたいと御要望して、私の質問を終わります

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