くにこの県庁見聞録 連載25号 2004年9月17日

情報公開制度に一石を投じる

(本紙)早速ですが、くにこさんの活躍が大きく新聞各紙に載ってましたね。
(くにこ)ワァうれしい。読んでくださったんですか。
(本紙)もちろんです。9月11日付けの新聞でしたね。くにこさんが政治資金について情報公開請求した文書が公開拒否されたので、その拒否取消しを求めて不服申し立てをされたんでしたよね。そして、くにこさんの言い分が全面的に認められたんでしたね。
(くにこ)その通りです。県当局と請求者との意見が相反して、両者とも主張を譲らない場合、第3者機関が裁定するという制度があるんです。それが県情報公開審査会なんですね。この審査会会長は中央大学教授でこの道の大家。当県の条例作成当初から関わってこられた先生で、今や国でもリーダー的な存在の方です。大物揃いの審査会から、「あなたの言い分は正しい」と答申を頂いた訳ですから、その喜びは大きかったですよ。
(本紙)本当に嬉しそうですよ。不服申し立てといっても簡単じゃないでしょ。大変だったのでは?
(くにこ)ハイ。文書作成も苦労しましたが、下調ベに時間が取られました。条例や法令の解釈をめぐる争いですから、専門書と首っ引き状態でしたし‥ その代わり、当条例や制度には詳しくなりましたよ。
(本紙)得るものも大きかったという事ですね。でも情報公開は、県民の大きな関心事ですし、市民オンプズマンが毎年、全国自治体の情報公開度をランク付けしてますよね.
(くにこ)「県民の知る権利を尊重し公正で開かれた県政を実現する為」という条文の通り、行政は積極的に情報公開をすべきなんです。社会に混乱を招いたり、個人情報に関わる事は避けなければいけませんが、県民に隠す事は何もないはずなんです。神奈川県は先進的に情報公開に取り組んできたんです。国の制度は平成13年に施行されたばかり。当県より20年近く遅れているんですよ。そんなに遅れている国の見解を公開拒否の理由にするなんて、情報公開の精神からいって時代の流れに逆行してますよ。情報公開をより進める意味で審査会の答申は公平・重要なものだったと考えています。
(本紙)他の自治体や国の判断にも影響を及ぼす程の意議ある答申だと聞いています。くにこさんの努力が実を結びましたね。
(くにこ)ええ。本当にありがとうどざいます。

■小川栄一・くにこ事務所

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