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ヘラブナは群れて回遊する性質をもつ宙層魚である。これが、根本的なヘラブナの性質であるが「ヘラブナ釣り」の場合、だからと言って中層で必ず釣れるのか?というと決してそうではない。これは自然条件、ヘラブナ自信の問題、エサや仕掛けとの関係で、大きく変化してくる。ここでは、そのタナについて考えていく前に、釣り人のいうタナとは、餌付く層の事を指し、泳層とタナとの区別をはっきりしておきたい。

天然のヘラブナは、植物性プランクトンを主食にしている事が、泳層と大きな関係があります。植物性プランクトンは、光合成を行うのに都合良く、水中で浮く構造であるので、その層を遊泳してヘラブナが植物性プランクトンを口にするのは、ごく自然であるといえる。そして、藻などが底や藻穴にあったりすれば、そこの餌付くようにもなって、食性との関係からもヘラブナのタナというのが伺えてきます。

管理池などで、養殖された環境下でのヘラブナはどうだろうか?まず、人工餌料を与えられて育ったヘラブナは、経験的に水面から投下されたエサを追うように浮上する。これは、餌付く層が泳層より上にある事になるが、ヘラブナの年齢や大きさなどでも異なり、警戒心の強いヘラブナは底でエサが落下してくるのを喰う。
養魚池で餌を与える時などに、水面まで集まり、先を争うかのように餌を喰う光景を目にする事があるが、まるで飼い馴らされたキンギョを見ているようである。
このような餌馴れしたヘラブナを「釣る」となると、自然条件だけを考えたタナで釣る事よりも、釣る側が、釣りに適したタナで魚を集めることがポイントになってくる。もちろん、そうした場合も自然条件、仕掛け、エサなどを考慮しなければならない。

最初に釣り人がタナを決める時の問題としては、水温との関係を考えるだろう。これは、大きく考えると「季節」と「1日」の水温変化がタナとの関係と結びついてくる。適水温なのか?それ以上なのか、低いのか?もう1つは、酸素の量が多いのか少ないのか?この2つと、プランクトンが多いか少ないか?という事が、自然条件としては特に重要になってきます。
酸素量は、水温が下がるにしたがって水中に含まれる酸素量は多くなり、逆に水温が上がるにしたがって水中に含まれる酸素量は少くなっていく。この事から、酸素量が多い時は水温も低下し、タナは下がるが、水温が高いと底の方から酸素が不足してタナは上がる事になるのが通常である。また、魚に活性があるかないかも、タナを探る決めてとなる。
また、1日の変化を見ると、朝夕はタナが上がる傾向にあり、正午に向かって深くなってくる。そして夜は底の方まで下がる。

その日、その時で釣れるタナが変化して模索しながら釣っていると、タナを上下しすぎてタナボケするケースなどもあり、様々な条件をトータル的なバランスで、丁度良い選択をするのは大変難しい事であるが、ヘラブナ釣りでは季節や集魚の方法、エサの選択などによってタナの種類を選択して釣る事が出来るので、ここでは、そのタナの種類を紹介します。

底/ハリ付けしたエサが底に着いている状態をいいます。釣るタナとしては、集魚すると比較的安定してタナの変化はすくない。仕掛けが底に着いている状態によって種類が分かれます。
上図より右から順に
■オモリベタ/仕掛けに付いているオモリの所まで底につけた状態。
■大ずらし/共ずらしからオモリベタまでの間。
■共ずらし/上バリが、ちょうど底まで届いた状態。上バリトントンとも言います。
■片ずらし/下バリが底まで届いていいて、上バリが浮いている状態。
■下層/底に近い深い宙の層。底釣りでタナが上がってしまう場合や、春先などは狙い目のタナ。
■中層/ヘラブナは中層魚ということを考えると、この層で回遊し移動することになる。水温やヘラブナの活性などによって、釣りをしていてタナが上下に変化しやすい。
■上層/ヘラブナの活性が上がれば、上層に餌付いて集まってきます。これをカッツケ釣りと言い、底同様タナが決まっているので安定して釣ることができます。

実際に釣る事を前提にしたタナでの仕掛けとエサの関係。
■底/ヘラブナを浮かせてしまうと、アタリが出にくいので要注意。その為に、短時間で底までエサを届かせてやらなければならない。それには、大きいウキで重いオモリ、短かめのハリスにするほど素早く底へ届く。しかし、ヘラブナの寄りが悪い場合には効果的でない事もある。
エサは比重がある方が、水流で舞ったりしないので、底に安定する。上ズリ防止として、ドロは絶対必要。
■宙/中層の一定のタナだけにヘラブナを寄せる事は困難で、マブシ粉や、バラケエサの拡散により、最もタナボケしやすい。そこで、エサやハリス、オモリの調整で釣れるポイントを探りながら釣っていく。ハリスは長めにし、オモリを分けて付けると、エサの落下が自然になるので効果的。
■カッツケ/小さいウキ、軽いオモリ、短いハリスを使用するのが特徴。水面にヘラブナが見えなるぐらいまで浮かせて釣るので、吸い込みの良いエサだと良く釣れる。

その日、その時のタナを理解するというのは、自然条件の変化がどのようにヘラブナの生態に影響し、関係しているかを知る事が大切です。そして、その条件を「ヘラブナ釣り」という目的の為に利用することが出来れば、その目的の為に、仕掛けやエサでヘラブナにアプローチしていく訳ですが、その奥深さが「ヘラブナ釣り」の楽しさでしょう。
各々のタナで仕掛けも釣り方も違い、季節によっても変化していくので、自分なりの感触で「釣れるタナ」を研究してみてはいかがでしょうか。
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