私の足

              

 みなさんは、無意識のうちに歩いたり走ったりしていると思います。しかし、私にはそれが出来ません。なぜかというと、私は「ウェルドニッヒ・ホフマン病」という病気のため立つ事さえ出来ないからです。

その為、私はみなさんがベビーカーに乗っている頃から手動の車椅子を使っていました。

なので、車椅子は私の足の様なものです。

けれど、手動の車椅子だと一人で出かけるにも自分の腕だけで動かすので坂や段差があり絶対に一人では出かけられないし、自分で動く時にはたくさん腕を使うので疲れたり、疲れるからといって押してもらうと自分の行きたい方向に行けなかったりして凄く嫌でした。

しかし、私は手動の車椅子の嫌な点を少なくしてくれる車椅子に出会いました。それは、今乗っている様な機能を持つ車椅子です。この様な機能を持つ車椅子は電動車椅子といい、自分が行きたい方向にコントローラーを傾ければ動かす事が出来る凄く便利な車椅子です。

その便利な電動車椅子にはじめて出会ったのは3歳の頃でした。みなさんが走り始めたり、階段を上り始めたりする頃にはじめて電動車椅子に乗りました。初めて乗った練習用の電動車椅子は大人用のもので、身体の小さな3歳の私には、すごく大きく、左右が見ることが出来ない状態で運転していたというのとまだ慣れていなかったので、練習する為に使っていた療育センターは、私がぶつかって穴だらけにしてしまいました。

そして、だんだん上手く運転できるようになり、6歳の時に電動車椅子を買ってもらいました。

その新しい電動車椅子は、大人用のもので、すごくガッチリしていました。私は、いままで一人で動く事が出来なかったので、すごくすごく嬉しかったです。そして、時々だけど小学校に登校したり、下校をしたりしました。下校などの時は、友達を最大5人まで電動車椅子に乗せて帰ったりもしました。その他にも、買い物に行く時や外で友達と遊ぶ時などに使っていました。そして、今も色々な時に使っています。

今外で使っている『赤い電動車椅子』は、いままでの『電動車椅子』と違いみなさんの歩く速さに追いつくくらいの速さで動く事が出来るようになり、いつも置いてきぼりだったのが、今では、先頭について行けるようになりました。

この様に自分で動ける範囲などが広がり外に出るのが楽しくなりました。特に『電動車椅子』に乗ってから、自由に自分の動きたい方向に動けるので、友達と遊ぶ事が『手動の車椅子』の時よりも、すごく楽しくなりました。

しかし、電動車椅子でもすべてが自由に行きたい所に行けるのではなく「行きたい」と思っても階段や段差などがあり、行けない所が沢山あります。

 けれど、スロープやエレベーターの設置によってだんだん良くなっています。

みんなさんと形は違うけれど私には『電動車椅子』という足を持っています。なので、「かわいそう」などと思わないでください。たしかに、手伝ってもらわないと出来ない事も沢山ありますが、私は、これからも、この足で大好きな友達と色々な所に行って色々な思い出を作りたいと思います。そして、もっと自由に色々な所に行けるように私の足だからこそ気付いた事をみなさんに伝えて行きたいと思います。

 

 

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