ひとりごと

パラグアイについて
 みなさんはパラグアイの位置を地図を見ないで説明できますか?ほとんどの方が説明できないでしょう。日本から見るとちょうど地球の裏側にあたります。南米の中央に有り、ブラジルとアルゼンチンという大国に挟まれた形となります(もっとも、北側はボリビアですが)。
 現地には、日系移住者も多く住んでおり、滞在中は多くの方にお世話になりました。日系人居住区では日本語学校もあり、日本語が日常的に使われております。赤土の大地を除けば、何か日本の地方都市を訪れた様な錯覚をしてしまいそうな、懐かしい国です。
 なお、パラグアイに昔から住んでいた人達は、グアラニー族と言います。現在では、スペイン人とグアラニー族の混血の人がほとんどとのことですが、彼ら自身は自らをグアラニーと呼んでいます。現地の通貨もグアラニー(Gs)で、言語もグアラニー(語)、何でもかんでもグアラニーといったところです。ただ、これは、彼ら自身のグアラニーに対する誇りの表れでもあり、独自の文化を大切にしようとする表れでもあります。
 このグアラニー達は、三国戦争で、大国(ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン同盟軍)を相手に、人口が3分の1になるまで戦った歴史があります。結局、敗れはしましたが、彼らにとって、最後まで三国戦争を戦い抜いたことは誇りであり、自慢でもある様です。もっとも、歴史的な恨みも残っている様で、国境付近に住む人は行き先によってナンバー・プレートの違う車を使い分けているとのことでした。現地で、戦争の話をするには注意が要りますね。
 現在の日本を振り返ると、いつまでも進まない不良債権問題、汚職事件、失業問題等、暗い影が立ち込めている様です。そして、欧米からの圧力にNoと言えない政治家達。私は、軍国主義者ではありませんが、グアラニー達を見習って、自らに誇りを持てる社会を築く勇気が必要と思います。
 そして、毎日の雑踏に疲れたら、少し休んで、自然の中を旅してみるのも良いかもしれません。パラグアイの地方都市は、忘れてしまった何かを思い出させてくれるものと思います。
 もちろん、南米ですので、治安に関する最低限の注意は必要ですが。
サランラップの話
 パラグアイ在住の知人に、お土産に頼まれた物の中に、サランラップ(これは商品名でしたっけ?)がありました。実際には100円ショップで売っている食品用のラップ(商品名不明)の長いのを何本か買って持って行ったのですが、これが欲しかったのは、実はメイドさんだったそうです。
 「何でこんなものが欲しいのだろう?こっちのスーパーでも売っているのに。」と思っていると、メイドさんから、「こっちのラップはくっつかないの。カッターの歯も着いていないし。」との説明があり、実際にその家にあるのを使ってみるとハサミで切って乗せるだけの(張り付かない)ラップでした。話によると、これを洗って3回は使っているそうです。
 これじゃ不便だから、「早速、持ってきたのを使おうよ。」というと、メイドさんいわく、「日本のラップは貴重だから大事にとっておくの。」とのこと。
 それから半年が経ち、再び知人の家へ、そしてそこで発見したものは。戸棚の中に手付かずの日本のラップがありました。話を聞くと、「もったいないので使っていない。今度、いつ手に入るか解らないので。」とのことでした。
 このメイドさんが特別なのか?それともパラグアイの人が皆そうなのか?どちらが本当かはわかりませんが、何でも使い捨てが普通の日本の現状と比べると、物の価値について考えさせられるものがあります。
 もちろん、ちゃんとお皿にくっ付く日本メーカーのラップ技術の高さを再認識したのもそうですが。
カメラの話
 パラグアイの知人宅でホームパーティを行った時のことです。現地の女の子(大学生)と話す機会があり、せっかくだから写真を撮る事にしました。何枚か写真をとっていると、「私にカメラを貸して。」、「写真とっていい?」との話が。てっきり写真が欲しいのかなと思い、「撮ってあげるよ。」というと、どうも違うみたいで、自分で写真を写したいとのこと。カメラを渡すと、1枚撮る毎に、「もっと取っていい?」、「あと何枚撮っていいの?」との質問が。「フィルムは一杯あるので、自由に取っていいよ。」と言うと、庭のあちこちで彼女達の撮影会が始まりました。
 彼女達を見ていると、写真に写るよりも、カメラのシャッターの取り合いをしている様子で、知人に聞くと、「皆、カメラが珍しいので、写真をとりたいのでしょう」とのこと。
 たしかにカメラ自体は数年前の形式か中古ではあるものの、ショッピングセンターに並んでいるのですが、現地の物価や収入からすると一般の人には非常に高価で、もっと大きな問題はフィルムの現像費が日本以上ということです。チパというチーズパンが1個20円〜30円のこの国で、写真の現像が1枚40円前後とすると、確かに一般人が自由に写真を撮れる機会というのはあまり無いのではとも思います。
 そういえば、国道沿いでチパ売りのユニホーム姿のお姉さん達に、「写真撮らせて」(勘違いが無い様に付け加えますが、ホームページの取材のためで、特別な趣味はありません。)と言うと、皆恥ずかしそうにしており、少し緊張した様子でした。あまり写真を撮られるのに慣れていないのかも?と思います。
 現地を案内してくれたドライバー(本職は知人宅の警備員)の人も私のカメラ(5年程前の旧型コンパクトカメラ)を見て、「いいカメラだな。日本でいくらするの?」との反応が。
 日本では、ビックカメラやヨドバシカメラ等の量販店の店頭でディスカウントされて、山積みになって売られているフィルムカメラですが、現像代も含めてパラグアイではまだまだ高級品です。そして、憧れの品でもあるようです。まるで、昭和40年〜50年代前半の日本がそうであった様に。


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