アトラ語録
あいかわらず主観のかたまりです。ので、出資の参考にはなさらないように(笑)。
走らなくても責任を負えません。
自分の相馬眼が正しいかどうか、数年後に検証するためでもあります。

写真は後日アップします。

第23回 シルクツアー2008 (2008.7.26〜27)

今年も行ってきました、恒例のシルク北海道ツアー。
ここ数年は雨に見舞われましたが、今年は良い天気。やはり、日程の変更がよかったのかもしれないですね。
当歳も去年までより明らかに成長が進んでいて、この時期の方がツアーとしてはよいのかもしれません
(ただ、夏休みなんで飛行機代が高いの難点だけど)。
今年の参加者は110名くらい。代表いわく「毎年2、3人ずつ減っているw」とのことでした。
ただ、これくらいの人数のほうが、見るほうとしてはストレスなく見られるので歓迎。

●種牡馬
例によって、社台スタリオンステーションからのスタート。20頭以上、馬房から出して展示してくれました。
今年新しかった種牡馬としては、ダイワメジャー、リンカーン、ローエングリンあたりでしょうか。
ダイワメジャーはがっしりした筋肉質タイプで「サンデーでもノーザンでもない。スカーレットインクです」とのこと。
私好みの馬体で、ラインアップされたらぜひ検討したいなあ。
これに限らず、相変わらず社台SS徳武さんのトークはおもしろい。この人の話を聞くだけでも、
ここに毎年来る価値があります(もちろん、日本一の種牡馬たちを見せてもらえることもすごいですけど)。

2日目には優駿SSで見学。
キングヘイロー、マヤノトップガン、マーベラスサンデーなど、シルクにも縁のある種牡馬を見学。
他にソングオブウインド、オンファイア、スターリングローズ、スエヒロコマンダー、ニューイングランドなど。
海外馬は、グランデラ、ムーンバラッド、ダージーなど、ダーレー系の馬がこちらにいました。
個人的に、グランデラは好みだったなあ。


●募集馬の展示
募集馬の展示は、1日目に北海道市場、2日目にヤナガワ牧場と、例年と同様でした。
展示のやり方も、毎年少しずつ良くなっていると思います。数年前の事故(展示馬の転倒)以来、
改良を加えているのがわかります(会員と馬房の距離を取ったり、馬を引く人が募集番号入りゼッケンをつけたり)。
この辺は、好感が持てるところでした。

話を元に戻さないと。
展示の順番はおもに飼養牧場によって変更する(ノーザンやヤナガワの馬は2日目のヤナガワ牧場で見学など)ので、
ここでは見た順番よりも、関東1歳牡馬、関西1歳牡馬、1歳牝馬、当歳とカテゴリを分けて印象を書きたいと思います
(この方が、あとで自分で読み返すときに楽だったりするので)。
そのため、1日目、2日目に見た馬をすべて混ぜて、印象を書いています。

ちなみに、7-13はヒザ外傷、7-58は熱発、8-2は寝違い、8-10はトモ外傷のため、それぞれ展示が中止でした。
どの馬も症状は軽いとのことです。
それと、天栄牧場の産駒は福島にいるので見てません。


●関東1歳牡馬
好みだったのは7-1、7-3、7-17、7-22あたりでしょうか。

7-1(母ロワイヤルハイネス)は、ゆったりとした造り。どこがいい悪いというより、全体的に欠点が少ない気がします。
その分、「これ!」という決め手にも欠けるんですが。

7-3(母シルクアンジェリカ)は、当歳のときから順調に成長している模様。デカ馬好きの私としては、好感度アップです。
しかも、繋ぎも柔らかいので、脚元の負担も軽減される気がしてます。
ただ、ここまで大きくなると見栄えはするんですが、動かしてみてちゃんと動くかという心配もあります。去年からの継続募集の中では、
まだまだ口数が残っているので、育成が始まってから出資するかどうかを決めてもいいかな。

7-17(母ピアルピナス)は、良い意味で父ステイゴールドとは似てない馬体。ステイゴールドというより、サンデー産駒という感じがします。
特に、発達したトモに目が行きますね。値段も手ごろで、厩舎も三浦くんが乗ってくれる? ただ、こちらもすぐには売れそうとは思わないので、
成長をじっくり追っていきます。

7-22(母ローズウォーター)は、パンフレットでノーマークだった1頭。パンフレットではひょろっとした、少々ひ弱な印象でしたが、
実馬は、薄いことは薄いけど伸びもあり、何より顔がよかったです。薄いのは、昼夜放牧をしている影響かもしれません。
後述する7-50と同じ父なので、出資には至ってませんが、こちらも経過を追ってみたい1頭です。


では、他のおもだった関東牡馬の個人的な印象も。

7-12(母スーパーブランド)は、かなり小柄。あまりタキオンという印象はなかったですね。
母がどのような馬なのか知らないので何とも言えませんが、母方の血統が出ているのかな。
これでよいのかどうかは、この仔が走ってから判断しても良い気がします(そうなると、募集価格がもっと上がるかもしれませんが…)。
ちなみに、この仔の母は、海外のセリで白老Fと競り合った末に落札したようです。

7-14(母シルキーウィズ)は、筋肉質ながら、少し小柄。馬自体は悪くないと思うので、成長が待たれるところでしょう。

7-18(母イッツクリス)は、パンフレットほどは悪くない印象でした。確かに薄くてトモなども小さいですが、繋ぎが柔らかくバネはありそう。
長距離向きという気がしました。

7-23(母ジブリール)は、反対にパンフレットほどの良さは感じられませんでした。何というか、もう少し伸びが出てほしいなあと。



●関西1歳牡馬
関西牡馬では、7-8、7-9、7-50、それからちょっと落ちて7-37でしょうか。

7-8(母シルクユニバーサル)は、胴が詰まり気味ながら、首に伸びがあるのがよいところ。展示中はかなりやんちゃでした。
ただ、この父でこの値段は少々高いし、厩舎が?な点もあって、出資には至らず。これはたぶん行かないでしょうね。

7-9(母シルクフェニックス)は、上背があり、腰もしっかり。シルクフェニックスの仔というと気性が心配ですが、この馬に関しては
顔を見ても悪さはしなさそう(牧場の人に聞いても素直とのこと)。実際、展示中もおとなしいものでした。
この馬は乳母に育てられたので、その辺のことも影響しているようです。
今年はネオ産駒が募集されなかったですし、中村厩舎も好み、フェニックス最後の産駒というのもあり、かなり行きたい気分。
ただ、こちらも7-3と同様、まだまだ口数が残っている状況なので、じっくり成長、育成を見てから決断することに。

7-50(母クインオブオールディー)は、パンフレットで見るのと同様、伸びがあります。
つなぎが少し硬そうだったり、もう少しトモに力強さが欲しいという点もありますが、それを考慮に入れても、良い馬ですね。
ちなみにこれは「日高の帝王」ジャパンホーストレード(JHT)提供馬。育成について聞くと、「昆さんだから、グランデFでBTC」とのこと。
天栄では成長を確認できないし、現地で会員が選ぶ「ベストグルーミング賞」にも選ばれるなど、ツアーでの人気もあったので、
早めに押さえておく意味でも、出資を決定しました。
(ちなみに、JHT提供馬は7-50の他に7-40、7-42、7-45です)。

7-37(母コパノスピーキング)は、懸念していた前脚の繋ぎは立ち気味ではあるものの、歩かせたときには問題ないと判断しました。
毛づやもピカピカで、皮膚も薄そう。ただ、思っていたよりも馬体がコンパクトで迫力に欠けるのが…。
その点で出資を迷いましたが、馬体の造り自体は好みであること、厩舎も問題ないこと、最近の千代田育成もいいし、
天栄で成長を確認できないということもあり、出資を決定。全体的な伸びが出てくることを期待したいですね。


では、ここでも他のおもだった関西牡馬の個人的な印象を。

7-7(母ウェディングベリー)は、頭が小さく、肩の角度も良く、見栄えはする感じ。悪い馬ではないのですが、
なんか引っかからなかったんですよね。並んで展示された7-9に目が行ってしまったからかもしれません(我ながら適当な相馬だなあ)。

7-38(母クイーンオブタイム)、7-39(母ピアグレイス)の両アジュディ産駒は、どちらもこじんまりした感じ。
アジュディなら、「筋肉モリモリ、ダート短距離」という馬体を期待してしまうので、その点では期待とはちょっと違ったかも。
成長に期待ですね。ちなみに、7-38は生まれてすぐに加用師が「やらせてください」と言ったようです。
7-39はヒーローというよりもミディオンビットに近いですね。

7-42(ジュウニヒトエ)は、柔らかい歩様が印象的。あまりクロフネという感じはしません。母父リアルシャダイも硬めなので、
母方のノーザンなどが出ているのかもしれません。ヤマダステーブルで飼養中。

7-43(母ダークフラワー)は、測尺に比べ馬体がコンパクトで、迫力がもう少し欲しい。胸前は厚みがあるので、後ろがしっかり
してくれば。父のゴールドアリュールというよりも、母父のサドラーが出ている感じです。人気しそうもないので、じっくり成長を
確認します(血統的には、ホント魅力があるので)。

7-45(母ブリッツケーニギン)は、体高が低く、いかにも短距離という感じ。ただ、パンフレットのほうが印象がよかったかな?
フロンティアスタッドで飼養中。

7-47(母シルキーグランス)は、こじんまりした印象。ただ、グランスの仔は皆こんな感じなので、これで良いのかもしれません。
無駄肉がつきにくそうで、ブライアンズタイム系な体型ではなかったですね。
ちなみにこの馬は、日高の帝王の提供馬ではないですが、山内師予定。経緯としては、グランスの仔はシルクアルボーレがいるので、
基本、藤原英師に話を通していたようですが、師の使い方などに意見の差異などもあり、
そこで、シルクから山内本人に「実馬を見ていただけませんか?」と、声をかけたようです。
実馬をみた山内師が、「やるよ」と手を上げて、今回のグランス=山内になったみたいですね。
ヤマダステーブルで飼養中。



●1歳牝馬
いちおう、牝馬も全馬確認しましたが、基本、牝馬には出資しない方針なので、馬見の本気度が牡馬とは違うかも。
牝馬を気にしている方は、すみません。
牝馬では7-31が抜けて良いですね。離れて、7-5、7-28、7-35、7-10、7-59辺りでしょうか。

7-31(母エムジーピッコロ)は、父スウェプトオーヴァーボードのライン(ミスプロ-49er-エンドスウィープ)とは似ておらず、
伸びやかさと少々小さめのトモ。ダート馬という感じではなく、芝のしかも距離もある程度保ちそうな気がします。


7-5(母ヘイアンダーム)は、全体的に良い感じ。父のクリスエスという印象はありませんでしたが。

7-28(母シルクフレグランス)は、しっかりとつくところに肉がついている。父がザッツザプレンティですが、
あまり長距離という感じには見えませんでした。

7-35(母セクシーココナッツ)は、バランスの良さが目につきました。こちらも父のマイネルラヴという感じではなかったと思います。

7-10(母シルキーパレード)は、少し首が短いながら、バランスは良。ギムレットっぽさはあったように思います。

7-59(母シルクロマンス)は、肩も腰もしっかり。父系のがっしりした体型です。展示中、終始うるさかったのがどうでるでしょうか?


●当歳馬
当歳は、牝馬もしっかり見ました。当歳では、牡馬は8-3、牝馬は8-8と8-11ですね。

8-3(母アナボタフォゴ)は、筋肉の量が十分にあり、なんといっても歩き方に好感が持てました。
ファンタスティックライト-Rahyの系統は短足ですが、この仔はそんなところもなく、バランスが良かったですね。
社台産の8-1や8-12と一緒に展示しましたが、いやいや、まったく見劣りしないどころか、
こちらのほうがよいくらい。あとは、その素質を延ばしていってほしいです。
一緒に行った友人2人も、当歳牡馬ではこれが良いという見解で一致しました。
怖いのは、アナボタの仔は良く見せても、競走成績に結びつかないんですよね。まあ、当歳は年を追うごとに
なかなか売れなくなっている傾向がありますし、今年は社台系の馬やディープ牝馬に皆の目が移るでしょうから、
使い古された(失礼!)アナボタ産駒は最後まで残ってくれるでしょう。値段も少し高めかな(田村厩舎は良いですが)。

8-8(母ウェディングシルク)は、もう父シンボリクリスエスそっくり。馬格もあり、父同様雄大な馬体になりそうです。
ただ、牝馬にとって、それがよいことのなのかどうか……。
値段も手ごろだし、これが牡馬だったら、かなり成長を追ってみたい1頭なのですが…。

8-11(母フィールドソング)は…すみませんでした。まず謝っておきますw
完全に、客寄せパンダだろうとタカをくくっていましたが、いやいやかなり良い馬です。
大きくはないですが、切れがありそうで無駄肉がつきにくそうなシャープな馬体。父に似ているのかもしれません。
母のフィールドソングが蟻洞で歩行に難があるようで、歩かせた状態はあまり見られませんでしたが、
それを差し引いてもよかったですね。
ミーハーな人と、しっかり馬を見る人の両方に売れそうなので、けっこう早くに満口になるかもしれませんね。


では、当歳の他の馬も。
8-1(母ウイングオブラック)は、すでに離乳済み。後ろ脚の踏み込みが弱い感じ。全体的に軽めの造りで、
これが良いほうに出れば。パンフレットの印象よりはちょっと落ちるかな。

8-7(母シルキーグランス)は、全兄のアルボーレの当歳時に似ている感じ。小さいが柔らかさがある馬体。
これも成長を見守りたい1頭ですが、いまのブライアンズタイムでこの値段はちょっとなあ…。

8-12(母アクティビスト)は、ちょこちょこと歩く姿が印象的。ただ、馬体のインパクトはそれほど受けなかったかなあ。
ただ、会員の人気はあったように見えました。



●その他仕入れた情報など
馬の展示以外にも、関係者の方からいろいろなお話を聞けました。中には、Web上には載せにくい話もあったりして
(くわしくは書きませんが、牧場関係者の方も育成に関していろいろ不満を持っているなど…)。
今後のことはまだわかりませんが、いろいろな動きも出てくるのかなと想像してみたり。

▼2次募集について
秋の2次募集は、当歳=2〜3頭、1歳=5〜6頭くらいを考えているとのこと。
当歳は、シルキーラグーンの牝馬(父ファンタスティックライト)、セレクションセールで購入したステイゴールド産駒、
それに、シルク縁の血統(詳細は不明)の3頭になりそうとのこと。
1歳は、この後のサマーセールなど、リーズナブルで良さそうな馬を幅広く探すとのことでした。
ただ、会員からは、2次募集の馬がはっきりしないと、1次募集の出資もしにくいとの声があるので、
ある程度馬が確定してきたら、すぐに情報を出しますと言ってました。

なお、シルキーグルーヴの産駒は募集なし。
私の出資馬だったシルキーアゲインの当歳(父マーベラスサンデー)は来年の募集に出したい、
シルクメガヒット(今年ファンタスティックライトを付けた)の仔は基本、水上牧場の所有ですが、
生まれたらシルクが見せてもらう約束だとのことでした。
そういえば、シルクリンケージも繁殖牝馬として過ごしており、グラスワンダーを付けたと言ってました。
募集されるかはわかりませんが。


▼ヤナガワ牧場の育成方法
今年のパンフレットからもわかるとおり、ヤナガワ牧場産の馬は見栄えがしない馬が増えたと感じている方も多いと思います。
この点について、ヤナガワの社長さんの話を要約すると、

・いままでは、走る馬というよりも「売れる」見栄えのする馬を造っていたと思う。
 ただ、現状それで結果が出ていないので、今年から馬作りを変えた。
・無駄な肉をつけるのではなく、少々馬には厳しい環境にして鍛えている。そのため、見栄えはしないが、腱や筋肉は丈夫になるはず。
・このやり方は、岡田さん(ラフィアン)と話をしている中で、ラフィアンの馬造りを参考にしている。

という感じでした。結果が出ていない現状から、いろいろな方法を模索するのは、良いことだと思います。
一会員としては、これで結果が出てくるのも良し、それまでは様子見もできるわけですから、悪いことではないでしょう。
ただ、シルクとヤナガワの関係を考えると、ヤナガワ産の馬が走ってくれないと、飛躍的な成績の向上は望めないわけですし、
募集馬の「当たり」の率も増えないので、やはり頑張ってほしいと思います。


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