マレー鉄道堪能;友人夫婦との気楽なひと時

クアラルンプールー(鉄道)−コタバル(KOTA BAHRU)-(タクシー)−クアラトレンガヌー(バス)−クアラルンプール

2002年2月23(土)−25(月)ハリラヤ・ハジ(イスラムの犠牲祭)。
クアラルンプール(KL)旧中央駅、朝7時出発。終着駅WakafBahru まで12時間の汽車の旅(地図参照)。
コタバルで一泊後
東海岸の町 クアラトレンガヌ(Kuala Terengganu)で水産のプロジェクトを指導する友人(JICA専門家)を訪ねた。

地図   写真KL-KotaBaharu

鉄道
鉄路の設備は想像以上に立派であった。英国統治の遺産ではあろうがマレー人の維持努力も見逃せない。
ただ写真で見られるが日本のように鉄道用地が確保されているわけではなく、現地人の村を無造作に線路が貫くという感じで
住民や家畜は自由に立ち入りをしている。運行本数が少ないせいもあろうが多少心配でもある。素っ裸の幼児が
線路脇で鶏に囲まれて砂遊びをしていたり、小学生ぐらいのグループが線路のすぐ脇に並んで列車を眺めている。
英国支配下では果たしてどうであっただろうか。同じような条件下にあったインドの状況を知りたい気がする。

運行スケジュールがはじめから30分ぐらいべた遅れであったのもマレー式。
本数が少ないのでリカバリーしようと思えばできると思うがそれはしない。結局最終駅でも多少の回復はあったが遅れたままであった。
ゴム林、胡椒林、土色の河そして東海岸に近づいた途端に豊穣な水田地帯。普通このような険しい地形では
鉄路はたとえば明治初期の札幌ー小樽のように海岸線を縫うものと思っていたがここではまったく異なる。木材の搬出を考慮したためであると言う説を聞いたこともあるが定かではない。

客車の編成
1等、2等、3等の三クラスからなる。最初2等車で十分ということで選んだが途中で車内偵察に行くと1等車がガラガラの上、
座席や設備が格段のちがいがあることを知る。聞けば25リンギ(約750円)で変更可という。長旅なので移る。
座席のゆったりさといい冷房設備と言い格段の立派さ。われわれ4人のほか車両には西洋人の若いカップルだけ。
このカップルはバックパッカーらしいがコストパフォーマンスに抗しがたく出費したのだろう。
この路線を使う場合、一等が絶対のお勧め。
途中検札があったが何となく二人連れが来て何となく見て、別に「ありがとうございます」もなし。

23日
KOTA BAHRU
マレー鉄道をワカフバル(Wakaf Baharu)駅で下車。タクシーでコタバルに向かう。
KOTA BAHRUはKELANTAN州に属する。TRENGGANU州とともにイスラム色のもっとも濃厚なところ。
マレーシアはイスラムが国教であるがこの2州はマレーシアを構成する14の州の中でも特に厳しく宗教が支配しているということ。
ここでは毎週の休日は日曜日ではなくイスラムの休日金曜日である。
銀行も役所も金曜日は閉鎖(KLでは金曜は礼拝所に集まるが休日ではない)。

ホテル
ハリラヤハジはメッカ巡礼を祝うイスラムの重要な祝日(連休)。店も飲食店もほとんど休み。タクシーもいつもより数が少ないという。
ホテルはさすがにやっていたが正規の従業員は少なくアルバイトがほとんどでトラブル続出。
漸く見つけて入ってゆくと照明が薄暗くお化け屋敷の雰囲気。無事チェックインをすませてほっとする間もなく友人から電話。
「天井から水が落ちてくる」。みるとなるほど天井から水が滴り落ちている。大きなシミができていてかなり前から起こっていたようだ。
すったもんだの末来た作業員は結局直しきれず部屋を替わる。
作業員にしたってせっかくの休日に呼び出されて不機嫌であったが、フロントンの青年もアルバイト。
部屋一つ替えるのに方々に電話して指示を仰ぐ有様。
ヤレヤレこれで落ち着ける・・・と思ったら今度はトイレットペーパーやタオルがない!スタンドが壊れている等クレームの見本市。

ちなみにこのホテル日本語ガイドブックから探し出し電話で予約したもの。本には
「アットホームな雰囲気の小さなホテル:部屋数は少ないがその分サービスが行き届いている。・・・モダンな内装で明るい」
と書いてあり値段は決して安くない。(結局大幅に値切ったが・・・)
ガイドブックっていうのは余りあてにできないなー

ビール
同行2カップル、どちらも大のビール党。ところがタイミング悪いことにイスラムの祝日でホテルのレストランすら休業。
周囲の店もほとんど休業でひっそりしている。只でさえアルコールにありつき難いマレーシアの中でも名にし負う厳格なイスラム州、それも休日真っ只中。
無理となるとなおさら欲しくなるのが人情。暗い街を歩き回って漸く見つけた!
屋台に毛の生えた風情の中華料理店。マレーシアではアルコールはご法度であるが中国人は飲む。
飲みたければ中華料理店をさがせば大体OKである。

24日(日)

凧博物館
コタバルは歴史の街として知られ、色々な博物館があるが休日とて全て休館。凧博物館が開いているというので訪れた。
市街から離れているのでタクシーを20リンギット/時間で雇う。英語はわからないがパンフレットを見せると自信ありげに
走り出した。ところがそれらしい地域に行っても一向に判らず通行人に聞きまくって右往左往。
漸くたずねあてたのは一時間近く経った後。

クアラトレンガヌ

コタバルからクアラトレンガヌまで168km。バスもあるが祝日で混んでいるためタクシーにする。
セントラルマーケットの隣のタクシーセンターの事務所で使用方法をたずねる。
当方意図判ったかどうか分からないが外で待っていろと言う。待機していたタクシーが次々に売込に来る。
そのうち係が「正規」のタクシーを呼ぶ。料金は普通車60リンギ、冷房車75リンギ。勿論冷房車。
トレンガヌまで3時間弱、この間2回休憩。

泉氏のコンドミニアムで夕食をご馳走になる
JICAの水産指導員として

場所(駅) 予定時刻 到着時刻 note
クアラルンプール中央駅 07:00
Kajang 07:30
Serenban 08:11 近郊の主要駅
Tampin 08:58 09:25
Gamas 10:09 10:17 シンガポールへの分岐点。進行方向逆転
Bahau 10:44 11:10
Triang 11:29 12:00 一人750円程払って一等車に変更
Mentakab 12:00 12:34
Kuala Kran 12:25 13:00
Jerantut 12:50 13:20
Kuala Lips 13:48 14:20
Guamusang 15:18 15:48
Dabong 16:22 16:54
Krai 17:16 17:44
Tanah Merah 17:47 18:18 周辺は水田
Pasir Mas 18:12 18:41
Wakaf Bharu 18:47 18:55 下車
Tumpat 19:05

汽車賃; 38RM/人 (約1200円)
一等車; 25RM/人 (約 750円)
タクシー; 8RM     Wakaf Bharu-KotaBahru
夕食 ; 85RM/4人 (約2500円)中華、ビール含む(例によってビール代が過半)
ホテル; 100RM/部屋 (3000円)
タクシー; 75RM     KotaBahruーKuala Terenganu (168km)


マレーシア汽車の旅掲示板