マレーシアの建築

マレーシアの建築現場で驚かされるのが柱の太さ、というより「細さ」。

何しろ3階建て程度の相当大きな建築物でも柱はせいぜい腕程度しかない。ちょうど職場で見た建物の建築過程を写真を写してあるので
ご覧ください。

建物の建築過程

発端
最初の写真は建設が始まって一月程の段階。
最初は細長い棒状の柱が地面からニョキニョキと突き出してきた。この段階では何をやろうとしているのか理解できなかった。
一応鉄筋は入っているがどう見ても建物の柱とは思えない。
そのうちに梁に相当するものが現れて始めて初めて建物を作ろうとしていることが理解できた。
それにしても聞きしに勝る細さと思いませんか?

時間を追って写真を示してあるが外装すると柱の細さは隠され日本と変わりない。

原因は地震にあるようだ。
事実マレーシアの人たちはほとんど地震を経験していないことがわかった(例外的なのは海外で遭遇したもの)。

下に示したのは理科年表の世界の地震分布図。1975年から94年までのあいだに発生したマグニチュード4以上の地震の記録である。
これによればマレーシアは真っ白なことがわかる。
これに比べると日本は恐ろしいほど真っ黒!

これで少なくとも耐震建築は不要なことがわかっていただけるとおもう。

マレーシアで石油化学の工場を訪れる機会があったが、建物や煙突などの構造物がすっきりしていることに驚いたことがある。
その反面日本から進出している工場はがっちりと重厚な感じがした。日本の企業は経験から耐震を放棄することができないのだろう。

また、風も一因だろう。この地域はまた台風に見舞われることがない(台風はフィリピン近海で発生する)。
そのせいか樹木は風に弱く、少し強風が吹くと相当の大木でも倒れることがある。街路樹などがばたばた倒れた現場に行き逢ったこともある。

そういえば2階建て3階建ての住居の上に無造作に増築していることをよく見たものだ。中には明らかに素人細工と見られるものも見られた。

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