日一日と秋が深まっていきます。
ぼんやりしていたら、バイクのベストシーズンも、すぐに過ぎ去ってしまいそうです。
あなたは思いのままに走っていますか?
私は結構、必死で走っています。
いつかあなたの腕(前)にたどりつくために。
1.フロントブレーキロックで大転倒
2.四人合わせてリッターバイクツーリング
1.フロントブレーキロックで大転倒(2006/10/21)
転倒というと、私の場合、砂利道で足をとられたとか、立ちゴケもらいゴケがほぼすべてでしたが(事実。20年乗っていてこういう人もホントにいるという見本)、初体験してしまいました。
HMS中級で、フロントブレーキを急激に握りすぎてタイヤをロックし、派手に転倒、という実績?を作ってしまったのです。
この日のテーマは「ブレーキ」でした。
午前
直線コースにて、加速・減速を繰り返す練習により、バイクの動きを読む。「ぬくもって」いく順番はエンジン→タイヤ→サスペンションの順であることを理解しておく。
模擬市街地のコースにて、細かいターンを繰り返す中に直線部分をきちんと作って加速または減速する。加速しなければブレーキもかけられないことに注意。減速ではブレーキの加減を練習する。
この日は女性の参加者は自分ひとりしかいなかった上、全体に走行スピードが速くて、私はかなり固くなっていたようです。
「首の後ろの力を抜いて。大丈夫、上達してきていますからね。」とイントラさんが励ましてくれました。
(周囲のスピードに)ついていけません、と弱音を吐くと、ついていかなくていいです、とも言ってくれました。
午後
バリアブルコースにて、午前中同様、直線部分をきちんと作っての加速または減速(旋回ブレーキを含む)。
長い直線とUターン、オフセット&直線パイロンスラロームにて総合練習。
最後の課題で、長い直線からフロントブレーキでフロントフォークを沈めると、カクっと切れるように曲がる(セルフステアの基本ですが・・・)のが面白くて、つい、調子に乗ってしまいました。
何本めかの走行中、かなりアウト側に寄った状態で直線を走っていた時でした。
「アクセル、開けすぎ!」と思った次の瞬間、バイクが左に転倒、私はバイクと並行に、路面を滑走していました。
乗っていたCB750のウィンカーが割れて、飛んでいくのがはっきり見えました(後から聞いた夫の証言では、ヘッドライトがびっくり箱みたいに「ぼよよん」と飛び出したそうです)。
腰と脇でしばらく滑走した後、最後にヘルメットがこつん、という感じで地面に当たってやっと止まりました。
すぐに起きようとしたのですが、体に力が入らなかったので、そのまま静かにしていると、夫や他の受講生とイントラさんが駆けつけてきて、声をかけてくれました。
特に痛いところはなかったので、手を貸してもらってコース脇の草地に座らせてもらいました。
助けてくれた方によると、私は血の気の引いた顔で、全身震えていたそうです。
アクセルを開けすぎたことに焦って、フロントブレーキを力いっぱい握ってしまい、フロントタイヤをロックさせて転倒した、ということは、イントラさんに言われて初めて理解しました。
この間、中級クラスの全員が走行を停止。
私はコースをふさいだだけでなく、総員足止めまでしてしまっていたのです。
練習風景を撮影に来ていたスタッフの方が、大破した車両の証拠写真を撮っていました。
自分の装備を見てみると、左腰につけていたウェストポーチと、プロテクターの左脇がぼろぼろになっていました。
ヘルメットは、二俣川の講習会でもらったゴールドステッカーが、擦り傷で掻き消されたみたいになっていました。
練習は再開されましたが、私は最後まで草地にすわったままでした。
コースから格納庫までの帰り道は、午前中に励ましてくれたイントラさんのバイクの後ろに乗せてもらうことになりました。
「うまく身体が逃げていたから、大丈夫だろうと思ってました。顔色ももどりましたね。」
すっかりしょげ返った私に、イントラさんが話しかけてくれます。
「あれがフロントブレーキのロックです。大怪我をしないで経験できたことは宝物です。一人だけのものにしないで、他の人にも伝えてあげて欲しいです。」
(そういうわけで、長々とこの文章を書いています)
イントラさんは、格納庫に着くまでの短い間に、訓練ではプロでもこのような経験をすること、疲れたら休む勇気を持たなければならないこと、気にし過ぎなくていいこと、等々、たくさんのお話を聞かせてくれました。
考察その1:今回の大転倒の原因
状況説明が長くなってしまいましたが、以下のようなものではなかったかと考えています。
・ 直線でスピードを上げる練習に慣れてきて、過分なスピードを出してしまった、というより、ほとんどアクセルの操作ミスといえることをしてしまった。
・ ロックについての知識(フロントがロックしたらブレーキを離す、リアなら離さない)があっても、自分の置かれた状況がロックであることを瞬時に理解できなかった。
・ 自分が疲れていることに気づかなかった。この週は仕事が忙しく、職場で立ちくらみを起こしたこともあったのに、体調に注意を払っていなかった。
・ 過日の大雨でコースが水没したため、砂が浮いているから注意するよう再三言われていたにもかかわらず、不用意にアウト側に走行ラインを取り、砂を踏んでしまった(これは可能性低いかもしれません)。
考察その2:装備の大切さ
幸いなことに、ケガは腰に小さな青あざができた程度でした(後日の頸部レントゲンでも異常なし)。
ウェストポーチとプロテクター、そしてヘルメットが守ってくれたのです。
特にヘルメット、半キャップなんてかぶっていたら、左耳がなくなっていました。
頭部の衝撃も、驚くくらい軽く、どこに痛みを感じなかったので、最初は感覚が麻痺したのかと思ったぐらいです。
イントラさんは「それがヘルメットです。」とニッコリ。
装備は、やはり身を守るために大切です。
感謝をこめて、新しいのに買い換えます。
因みに革パンとブーツは、少しこすれた程度で、損傷はありませんでした。
今、振り返ってみて、今回は本当に貴重な経験をしたと思っています。
よく言われることですが、ケガをせずにフロントロックによる転倒がどういうものか、実際に経験できるというのは得がたいことです。
しかも私の場合、一般道路ではなく訓練のための場所でした。
イントラさんの言った通り、宝物のような経験だったのです。
なお、自分として一番重要だったと思ったのは、「何が起きているのか(=フロントタイヤのロック)認知できないうちに転倒してしまった。」という点でした。
次からは、もしかしたらわかるのかもしれませんが、今の自分には、瞬時に判断する力量はないことを十分認識して運転しなければと思います。
最後になりましたが、助けてくださった受講生の方々、イントラさん、スタッフの方、ありがとうございました。
傷ついたゴールドステッカー・・・ごめんなさい
UP!
2.四人合わせてリッターバイクツーリング(2006/10/22)
大転倒の翌日、散々悩んだ末、かねてから計画していた「250ccオンリーツーリング」に参加してしまいました。
「女子と小人は養いがたし」などといいますが、女子で小人なので、懲りないのは仕方ないことです。
メンバーは、こやひろさん(スズキACROSS改)、ジェネシスTさん(ヤマハFZR)、ビーマーのおっちゃん(ホンダNSR250R)、つるばら(カワサキ スーパーシェルパ)と国産メーカー揃い踏み、というかシェルパ以外は絶版車ばかり。
ルートは、
東名を沼津ICで降りた後、R136経由で修善寺(独鈷の湯で足湯入浴)→土肥(海鮮丼のお昼ご飯)→仁科峠→達磨山→修善寺→三島→裾野ICから東名
でした。
予定では仁科峠から伊豆スカイラインに行く予定(途中はもちろん温泉)だったのですが、月曜に来るはずの雨が早々に訪れてしまったため、行程短縮となりました。
「転倒の後の、癒しのツーリングということで。」
と、参加者の皆さんは優しかったのですが、バイクの神様は、懲りない私にお仕置きの雨を落とした模様です。
しかも、修善寺から三島を通って裾野にたどり着くまでは大渋滞。
東名高速も、事故や故障車で断続的に大渋滞。
これはすべて、私の行いの悪さなんでしょうか?
大雨の降る夜の東名で、いつ果てるともないすり抜けを続けながら、いつになくしおらしく反省してしまいました。
この「絶版車ーズ」(勝手に命名)の皆さんとは、伊豆スカリベンジを図りたいと思います。
なお、250ccオンリーツーリングは今後も続いてほしいので、興味がわいてきてしまった250ccオーナーの方は、ぜひ、こやひろさんにラブコールをお送りください。

UP!
それでは11月も、無事故無違反でいきましょう!
トップページへもどる
月報バックナンバー