(無題)

詠み人知らず

僕はハナクソどんどんでかくなっていく。
今、ご主人様の指が入ってきた。
「まぶしい。」初めて見る光だ。これでやっと自由になれる。
「うわー。」なんだここは体がとけるー。胃の中にいた。




end




撰者から:

 それはショート2特集号を編集していたときだった。普段あまり原稿を書かない「な○ざわ君」が何気なく紙片に記したこの四行の文字…。
 私は読んだ途端に大爆笑を起こし、同時に「こんなショート2は自分には書けん」と両手を挙げて敗北を認めたのであった。
 一行目のテンポの良い文章、そして三行目に希望を持たせながらの四行目の意外なオチ…。何と見事なバランスで描かれていることか。
 正に、「SF研の生んだショート2の最高傑作」と言えよう。