大久保研作

<1>
ある日目が覚めると、天井が石になっていた。
どうしたことだ。俺は目を疑った。
壁に目をやった。
壁が石になった。
!?
俺はあわてて起きあがろうとした。掛け布団を見た。
石になった。
お、重い!
つぶれるー!!

<2>
ある日目が覚めると、天井が石になっていた。
またか。掛け布団を見ないようにそっと起きあがった。
床を見た。石になった。
床なら問題なし。
ふと目を上げると鏡に映った俺を見てしまった。
し、しまった!!
鏡が石になった。
おどかすな!!

<3>
ある日目がさめると、天井が石になっていた。
ムム。いかん。
すかさず目を閉じた。
まぶたが石になった。
ギャー!!

END




撰者より:

 短くまとまった作品である。鏡を見て主人公が石になってしまうと思わせといて、鏡が石になるというのがよい。
 タイトルも漢字好きの撰者好みである。