一行(ほとんど数行)感想 *勝ち抜き小説合戦9月18日締投稿作品のうち、文字数超過と極端な文字バ ケ等のエラーと自作を除いた作品に対する感想です。 *作者名は省略させて頂きました。 *無礼なフルマイ多々あるかと思いますが、シカエシは拙作への感想としてお 願いします。 星マーク評価(別名:つのだ式ひろ評価法) ★   面白くない ★☆  面白くなくはない ★★  面白い ★★☆ かなり面白い ★★★ もう死んでもいい ―   評価不能 ※ここでいう「面白い」は「笑った」の意じゃないです。 青色記憶帯(★★) ・記憶の売買、記憶の共有、というテーマは個人的に興味があります。もっと 深くイジってほしいと少々不満。 ・記憶の情景、現実の情景、それぞれ克明に描いたらコントラストがハッキリ 付いて良かったと思います。『青』と『灰』という色名だけでは弱い。 あなたに愛を−暗−(★) ・ストーカーの一方的な自己犠牲愛、キモチ悪いですな。 ・オチは新鮮ではありませんから、別の部分、ストーキングの手口とかで色を 出したら良かった。 あなたに愛を−明−(★★) ・いい話ですなあ。こっちの方がだんぜん面白い。というわけで、2作のバラ ンスに難。 ・『一人でビールで乾杯した。』の「で」のダブリが気になったけど、これは これで生々しいのかも知れない。一人称小説のオトクな点ですな。 あの海の、出会いから。(★★☆) ・こういうの好きなんす。読んでてテレくさくなるようなのが。ほどよく恥ず かしくて良かったっす。 ・『白鳥に餌をやったり鯉のあまりの多さにびっくりしたりハトを追いかけた りと全く忙しい。』この一文がすばらしい。見習いたい。 うたた寝(★☆) ・能力のアイディアはいいですね。 ・社会批判的な部分は、わざと難しくってよく分かりませんでした。 生まれ散る刹那の際に(★★) ・語感を楽しみました。内容は意味不明。そういう作品だと思います。 運命(★☆) ・最後の一文までは面白かったです。『そして、』がなぜ「そして」なのか分 からなかった。 おいしい水(★★) ・タイトルがジョビンの名曲、ボサノヴァのスタンダードで、そそられた。け ど中味は関係なかった。 ・面白かったです。ただ、解決を見たかった。 覚えているかい?(★) ・こういったスタイル(エラソー一人称)は基本的に嫌いです。新鮮な視点が あればいいですけど。 ・ネタ自体は、つまらなくない。見せ方を失敗していると思います。 思い出(★★) ・いいですね。ショートショートとしても、ちょっといい話としても。 ・『そのまま召されてしまうかと思うほどだった。』で笑ってしまったけど、 いいのでしょうか。 おやじマン(乱舞 後編)(★☆) ・このシリーズはクダラナサが文章全面に押し出されていて、そこが魅力だと 思います。作者本人の自嘲が表出してると見た。 ・『珠袋』がサイコー。それ以外は特になんともなかったです。 母さん(★) ・『マシン』がなんなのか、説明が遅いです。『パソコン』で良かったんじゃ ないでしょうか。 ・月並な結末に、日本って平和だなあとシミジミ。 階段を走る(★☆) ・最後の段落までは面白かったです。最後の『僕』の感慨に、ロマンがないや ね。ここ、好き嫌いが分かれそうです。 駆け引き(★) ・『身の保身』という表現は「腹痛が痛い」みたいで変ですね。 ・オチは、けっこうムリあると思います。 傘(★☆) ・『俺が前を歩いて風除けになるから』というツヨシの心意気なので、死ぬべ きはツヨシで、彼女の『傘』が壊れる結末が正しいと思いました。 彼女の夢(★) ・感想は「夢がかなって良かったね」ですが、なにか反意がこめられているよ うですね。でも推測する材料がない。 狩人(★★) ・冒頭の導入が見事。設定を説明しきって、しかも読後に活きるという。ハイ テクニックですね。 ・ファンタジーはあまり好きじゃないですが、この作品はソフトなので楽しめ ました。 カレー皿の中で奇跡は起こる(★☆) ・なるほど、たしかに奇跡ですね。ちょっといい話、といった感じです。 救世主(メシア)〜飛ばない犬はただの犬さ〜(★★) ・いつもながら完成度が高いですね。ただ、最後の最後のオモシロワードをサ ブタイトルで先にバラすのは失敗。しかも「た」が一個多い。これに限っては 難点(冷笑を受ける)になる誤入力です(サブタイトルは正しく書けてるか ら)。 空中庭園(★☆) ・さっき食った鳩を見て感傷的になる主人公を、嘲笑していいものかどうか困 りました。そういう作品なのかどうか困ったと言うべきか。意味が分からな かったのですが、単に社会から遊離した楽園のスケッチなのかもしれない。 ・『「すわわん、さわん、すわわん」』はいいですね。 ・『強い風が吹き付ける』が『新鮮な風』というのに違和感があります。 訓練(★★☆) ・いいっすね、これ。バカバカしい。なぜ2ミリ以上口を開けてはいけないの か、分からないところがまた。短いのでナゲヤリなムードがあり、いいです ね。 恋敵(★☆) ・思考が短絡的に展開する様子が、よく描かれていると思いました。でも、 ちょっと短絡すぎやしないか、とも思います。こういうコワイ女性は恋人にし たくないなあ。 ココロノコリ(★★) ・面白かった。もっと淡泊な記述でも良かったかもしれません。 午前四時のお茶会(★) ・意味不明でした。夢の苦痛と現実の幸福。なんだろう。夢の中の出来事がや たら克明に長々と展開していくということは、そこに隠喩があるのでしょう か。いや、単に見たまんま、素晴しきかな「家族」ということでしょうか。 紫陽花(★★☆) ・いい話ですね。じーんと来ました。最後の一文もキいてます。言うことな いっす。 言霊(★★) ・なんかいいですね。平和です。なんかいいです。←もろ、感想だ。 ・結の文がさらりとしている。終っているんだけど、終ってないかんじ。私は 好きですが、嫌いという人も多いだろうと思います。 この忌まわしきくすくす笑い(★☆) ・この作品にはメタファがありそうな気配。なぜ『仲良くやっていけるだろ う』になるのか分からなかったです。 ・ショートショート的な面で、オチ(くすくす笑いの引っ越し先)の見せ方は 普通ですね。ヒネリがほしい。 殺す人(★) ・『死なねばなるまい』なのはなぜか。殺し屋のプライドか、罪の償いか、両 方か、ハッキリしません。 ・オチはアリガチですから、オチの見せ方や他の部分で新しいものを見せた い。 作文作家(★☆) ・『コーヒーの染みが付いたそれ』にはなにか物語がありそう。気になりま す。 ・火か炎をからめた結びの文章が欲しいです。 視姦(★) ・意味不明でした。意味不明は物語が面白ければ好きなんですが。 ・特にタイトルと内容の関連性が意味不明です。 事件(★) ・シカケが分からなかった。 重山教授の相関理論(★) ・エロ教授の屁理屈。面白くなかったです。 ・『俺は燕尾服が似合う。ふふふ。』はなんか面白い。 自己破壊衝動(★) ・真理子は少女だった、というショートショート的オチだとしたら、オチの見 せ方に工夫がありません。少女は真理子じゃないのだとしたら、意味不明な上 に後味が悪いだけですね。 シミュラキュラ(★★) ・シュールです。いや、難解というより不解。でも物語が面白いからいいんで す。 小旅行(★☆) ・事情がよく分からないですが、ハッピーエンドではなさそうな気配。 ・『蜜柑の皮』で子供の頃を思い出すのは、いいですね。それだけで、主人公 の成長過程がかなり想像できるという。 白い世界(★★) ・千字で読むのがもったいない感じです。もっと長く書いてこそ活きる題材だ と思いました。 ・タイトルに内容とは違った意味深長な印象を受けてしまいました。 新世界より(★) ・なるほど、主人公はキ○ガイなのですね。たしかに再び転げ落ちれば直るか もしれません。 ・キ○ガイの主人公を使って、何を言いたいのか分からなかったです。 ・タイトルに引用した楽曲のイメージが、内容と合わない。反対音響の効果も 生んでいないと思います。 人類最後の日?(★) ・シチュエーション・コメディかと思って、オチを楽しみに読み進めていたの に、ガッカリです。 ・ここは、人類滅亡の予想が当たって神様になるのだが人類がいないので意味 ナシ、というオチがいいなあ。 相撲・オン・ザ・ウォーター(★★) ・ディープ・パープルのファンは怒るだろうか。この作品はタイトルから作っ たに違いない。 ・ナンセンスオチ。いいですね。いや、橋を造る時とかに役立つはずだ、とい うツッコミは禁句。 責任転嫁(★) ・恨みゴトをだらだらと聞かされたあげく、インパクトに欠けるオチです。 ガッカリ。 ダイエット(★) ・愛犬家の擬人的寵愛を見せつけられた感じです。それを嘲笑する意図は見え ない。 ・記述の言い回しでウケを狙っているように思いましたが、イマイチです。 ・どうか早く動物病院へ連れて行ってあげて下さい。 大作好みで悪うござんした(★) ・ヤなカンジですね。主人公の卑屈さがヤなカンジです。こういうヤツはブン 殴ってやりたいですな。ヤなカンジがよく描けていると思いました。 タエコ(―) ・ああ、残念。文字バケだ。泣ける話に違いないです。ぜひ最後まで読みたい です。 堕落 −フォーリングダウンー(★★) ・面白かったです。オチの見せ方もいいと思います。 ・『勿体無い気』は、するかな。しないと思います。 小さな 嵐(★) ・意味が分からなかったです。『?』の連発は最近けっこう見るスタイルです が、個人的に大嫌いです。 徹底マスター必勝お見合い講座(★☆) ・なんだろう。今ハヤリの哀愁ただようお笑い小説なんですかね。お笑い小説 にしては、テンションが中途半端に低いです。どうせなら、とことん低くすべ き。 天高く(★) ・ショートショート的に見れば、最後から2段落目は蛇足です。 ・ほのぼのムードにしたら良かったと思います。理屈っぽい。 灯火管制の頃(★☆) ・叔父の人生についてもっと書けば、最後の文章がより活きると思いました。 どうか涙よ止まらないで(―) ・子供が死ぬのは嫌なものですね。 ・実際の死亡事件に関する作品なので、星マーク評価は控えさせて頂きます。 凪(★★☆) ・面白いです。タイトルも絶妙。面白かった。 ・こういう凪は、人生には大切だな、などと思った。 入眠儀式(★★) ・面白かった。描写が簡潔なのがいいですね。特に『何かわからない映像』に ついての部分。 走って、跳ぶ(★★) ・意味不明。でも物語が面白いからいいんです。 ・『おいら』かあ。なんか古き良き青春歌謡曲の香りがしてしまうのは私だけ でしょうか。よって、グッドです。 8度目の 夏(★☆) ・単にエキセントリックなキヨイに振り回されるトウコの図に見えますが、結 末の重さを考えると、なにか深いものがありそうな気配。なんとなく分かった 気にはなりました。 犯人は誰だ2(★) ・唐突かつ安易なオチで、面白くなかったです。私は。 日の浅い午後(★☆) ・映画やらで、もはや確立された感のある「殺人者と子供」の図。交流のしか たが、いい変化球ですね。 ・変化球を投げただけに思いますが。 腹筋運動(★) ・よく分からなかった。共感できないせいでしょうか。 プレゼント(★) ・これで終りっすか。優子のやさしい言葉でシメて欲しいところです。 僕が仮面ライダーになった理由(★) ・オチの見せ方がルーズです。『〜取ってくれよ」』で終っても充分だと思い ます。 ほどけていた記憶(★) ・なんだか分からなかった。ただ卑屈な印象だけが残った。 凶月(★☆) ・これまた分かんない。でも物語が面白いからいいんです。 負け抜き小説合戦(★★) ・ぽこぽこふーたん氏のコメントがサイコー。きょうびメケメケだもんなあ。 そこ以外は特になんともなかったです。 ・このパロは他にもいろいろ遊び甲斐がありそうですね。 ママ(★) ・痛々しいですね。痛々しいです。それだけです。 未勝利(★) ・楽しめなかったです。競馬好きな人には楽しめるのかな。 MV(ムーブ)(★) ・ケンイチが『ケニチ』なのがいいですね。 ・オチはイマイチ。長々としたMVの機能の説明はなんだったんでしょうか。 女神と丸太郎(★☆) ・終り方がしつこいです。最後『そうしたら、〜』はやめて、『丸太郎という 人間が存在するのが何よりの証拠です。』を最後に持ってきて結んだ方がス マートです。 ・アイディアは良かったです。女神のキャラも。 面接(★☆) ・『僕』の描写にコミカルさが足りないと思います。特に微笑ましくもない し。 ・展開がストレートすぎるかな。ヒネリが欲しいです。 盲目は戦争をして美学たらしむ(★☆) ・『一平卒』。最近「一平ちゃん」ばかり食ってるので笑ってしまいました。 ごめんなさい。「一兵卒」。 ・『驃騎兵』という名称は初めて聞きました。この『驃』は、白の混ざった赤 栗毛の馬、馬が疾走する様子、どちらの意味でしょうか。 ・雰囲気が面白かった。 ものおもふ秋の日記につき(★☆) ・第三者の私には理解不能な思考の展開図。まさに日記ですね。 喪服の女(★★☆) ・ウームと唸った。亡き男の嘘を告げるその父と息子の愛人の図、複雑で深 い。愛人の、意地の空振り。珍しいものを見させて頂きました。なんかスゴイ や、尊敬。 ・歩行に対して『目の前の空気を睨みつけるように』はおかしい気がします。 「睨みつけながら」でいいんじゃないでしょうか。 矢ガモ(★★) ・意味不明です。でも物語が面白いからいいんです。 ・矢ガモは人によってイメージが違うと思います。可愛そうな動物か、マヌケ な格好の鳥か。とりあえず哀愁はある、なかなか深いキャラですね。 闇のある場所(★☆) ・ドラムじいさんは、いいじいさん。美談だと思う。闇は減ったような気がし ます。 ・母が娘の死を語るにしては、さらりとしすぎます。 結納(★☆) ・娘を送り出す父親、良くないハズがない題材ですな。 ・弟は姉を思いやりすぎる、と、再婚した姉を持つ私は思いました。 夕立のあとで(★☆) ・叔母と甥、よくある構図だったりするも、最後の一文がいいですね。カッコ よし。 夜明け(★) ・主人公、くさくさしてますね、がんばって下さい。といった感じです。 ・失恋の感慨、面白く読ませるには、斬新なプラスアルファが必要です。 欲(★) ・『ベット』は「ベッド」です。よく見る誤字。 ・銀座にコワイ街という印象がないので、まさに裏戦争だと思いました。ドッ キリ。 ・オチの見せ方がルーズなので、ショック度、インパクトに欠けます。もった いないです。 夜空(★) ・夜空とミサイルのつながりはムリあると思います。流星ならまだ分かります が。そういう意図じゃないのか。平和な日常に迫る危機かな。 ・『おちょけて』が面白かったです。方言? 夜は二人で(★) ・なんでしょう。終業直後に何があったのでしょうか。と言いつつ、そんなに 興味をそそられてなかったりする。 ・タイトルはウキウキしてていいですね。 ラジオ体操(★★☆) ・いい話でした。泣きそうになりましたよ、マジで。こういうのに弱い。 ・変な文章が魅力的です。 流転(★★) ・意味不明でした。でも物語が面白いからいいんです。 ・なんか独特のカラーがありますね。 わたしのために…。(★★) ・いい題材っすね。夫婦の真実。 ・タイトルでバラす必要はないでしょう。蛇足です。 本当の嘘 (改訂版)(★☆) ・女を殴りたくなるのは大いに共感。殴ってほしい。が、やっぱりドラムじい さんは惨めじゃない。他の野良犬とは違い、美しい。『死んでなくなってしま え』と嘆く主人公の思考が理解できませんでした。  読者として書きます。「意味不明」「よく分からない」作品が多かったです (これは私すなわち読者の読解力が不足しているせいではありません)。親切 な深読み派の読者は、メッセージを見い出そうとがんばってくれるでしょう。 また、作者に近い思考・嗜好・志向の持ち主、つまり共感者になりえる読者に は分かりやすいかもしれません。が、それら都合のいい人間は微々たるもの。 「意味不明だが面白い(決してT意味不明だから面白いUではありません)」 というのがあるとおり、メッセージが伝わらない読者にでも、面白いと思わせ るなにかしらの工夫がなければならないと思います。いわば保険。 [紺詠志/kontic@geocities.co.jp]