グランドチャンピオン戦作品の感想 参加できて光栄でした。 海の原子 takka 2+ ・「君」が「僕」に対して抱く想いというのは単なる憎しみではな  く、好悪が渦巻く渾沌とした感情なんだろうなと思う。兄の死で  我を失う「君」を見る「僕」の想いも。そんな心と心がぶつかり  合うのって、何とも切ない。 ・「君の骨の上に沿って張りつく皮膚」の言葉が印象的でした。 さいかい 北村曉 ? ・アイディアSFで孤軍奮闘。敢え無く散る。 ・少々浪漫が多めだっただろーか。 ・下読み段階で既に「最後のオチがよくわからない」という意見を  頂いていた。結局そこは変えなかったが、どんなものでしょうか。 ・別の結末として、今でも小さい「彼女」を旅のお供としてM氏が  連れているというのも浮かんだが没にした。いかがなものか。 どうして? 歌鳥 2+ ・パターン認識を繰り返していけば、そのうちキィにも理解できる  ようになるのでしょう。 ・実際のところ人間が何かを「理解」するというのも過去の経験の  積み重ねによって「これはこういうものだ」という認識が確立す  るということなのでは。こんなこと言ったら夢が無いかな。 ・ママが一見普通の主婦なのに機械工として一流の腕を持っている、  という裏設定があったら面白いなーと勝手な想像をしました。 当世武士道事情 もずのすけ 2+ ・「チョイカす」はどうかしら。でもそれを得意げに繰り替えす長  岡課長の姿は可笑しいだろうなあ。 ・小島理沙さんは普段めちゃめちゃ日記を書いてるんだろうな。三  四二頁はスゴい。 ・「おっさんの人生を、死神が調べて行ったんだろう」という喩え  ってめちゃめちゃカッコイイ。イカすぜ岩見哲也。おっさんの日  記の続きを書くとこにも好感を抱く。 読求詞 池田朋子 3+ ・これは凄い! とてもとても敵わないっす。 ・三文字熟語を使うことで「異世界感」を出すのってすごいアイディ  アだと思います。日本語でもこんなファンタジーが書けるのかー  と、新たな発見でした。 ・その三文字熟語それぞれも想像力を刺激する文字列でした。その  一方で「あかるくあつく」が平仮名なのが印象的だったりしまし  た。 ・そんで読者を引きずり込む結末(「ええー? 詞読人って俺(読  者)かい!」と吃驚した←読み方違うかも)はあまりに衝撃的で  茫っっとなってしまいました。暫くの間異宙海を彷徨ってました。 ・この言語世界がこの範囲狭で終わってしまうのは惜しいような……  いやいやこの文は永遠極なのだから。 ・こんな作品書けるのうらやましいー! というわけで二つ目の3+。 瑠璃色の海 の★ 2+ ・俄作りのベッドが分解して三つの椅子に戻るってリアルだ。 ・日常生活の中でもこんなファンタジーがあるのですね。 ・黒田の涙が印象的だなあ。 ・仕事がうまくいくといいなあ。