第28回QBOOKS1000字小説バトルの各作品にひとこと

1 始まりは終わり、終わりは始まり 高橋雄一郎
描写中心の話は読むのが少々つらい。「刃が歯止めに」は、この字でほんとにいいものかどうか、悩ましいところ。
2 ミラクルダイエット 虹男
もうすこしダイエットを真剣に頑張ってみたほうがいいと思う。
3 熊(勝治) 太郎丸
熊の親子を殺したことが勝治にどういう影響を与えて、熊撃ちを止めるに至ったのかがよく見えず気になる。素人目には、熊撃ちしているならそのようなことはままありそうも思うのだが。
追記:さとさんの感想を見て三月さんの「」の続編であることにはじめて気付く。お互いにパロディを書くことにしていたのだろうか。
4 なまり 瑠璃嬢
なまりというからには訛りが主題のような気もするが、本文を見ると家族が主題のような気もするし、どうとらえるべきなのか迷う。
5 意味不明(2) 名乗りたくもない
確かに題の通り。
6 いつか世界が 深谷 章
「光」というのはおそらく女性の人の名前なのだろうけど、一般名詞としての「光」或いはそれに喩えた抽象的な存在だったりする可能性も捨てきれないでいる。
7 シルバー・ピアス 坂口与四郎
来年受験ということから高二だとすると、五年というから小学生の時からの付き合いで、しかもその前にも彼氏がいたのか。やるなあ。……というのは明らかに誤読なのでお詫びして訂正します。別れなくてもいいじゃん、とも思う。
8 魔の刻 野村利三郎 (文字数超過)
設定から、なんとなくオチを期待して読んでたので、オチは特に見当たらなかったのが残念だったが、実は最後の段落に自分の読み取れなかったオチが潜んでいるのではという可能性も捨てきれないでいる。やはりオチはあるらしいのですが、うまく読み取れないのがくやしいところであります。
「窓を見入っている」は、「窓に見入っている」や「窓(の外)を見ている」など、「こずいている」は、「小突(こづ)いている」がよさそうな気がします。
9 平蔵の逆襲 やすくん
これは前にウェブサイトで日記として書かれていたのを読んでいたせいか、小説として読むには物足りなさを感じました。
10 願い事3つ 元亨 利貞
うそはつかない方がいい、ということか。最後は展開が急ぎすぎな気がしました(再会に気づいていきなり結婚の約束の話、というところが)。
11 見えるもの見えないもの(小品2点) 谷本みゆき
1.文章からすると、「物足りない気持ち」は眼差しを向けられる前から既に消えていたような気がします。
2.最後の最後でこわい話になった、というオチだと(かってに)読みました。数年を三年と考えると一日平均六本もの尻尾を切り続けていたわけで、すごいハンターぶりだ。
12 心霊写真 上條 裕
ふつうのお喋りだなあ、と思う。「心霊写真」は題にするには一般的すぎる言葉のような気がします。
13 深緑の森、水色の空 しゅんじ
「イグペパ」が人の名前らしくなく見えたので、もしかして火星人(ネイティブの)とかもまじって生活しているんではないか、などと想像しました。
14 仕事のマニュアル 翠葉
「お引取りにならない場合、又は他の方がおいでになられた場合の事故」にはどのようなものがあるのだろう、と悩む。
15 【美花】 卯月春生
「友達だと言えるようになる日」が来るといいですね。……という感想ははあまりにもありきたりすぎだろうか。
16 新車にて。 犬吉
「今度の職場って,寒い所?」という問いは気候のことなのか居心地の比喩なのか、微妙に判断つけづらいところが自分には可笑しかったです。結婚すりゃいいじゃん、と思う(恋愛話を読むのに向いていないような)。
17 羽田恭
さてこの後どうなったのやら。
18 虹のかたち 由述ヨシノ
この兄さんに対する世間の風当たりはおそらくつらかろう、となんとなく同情。が、「どっかで普通を望んでる」という言葉には疑わしいものを感じる。
19 奇妙な自殺 日雇いくん
そういうドラマだったのだろうか。
20 十二時半のメール 翡翠
もしかして相手は夫だったりするのかと思ってたらその通りでしたが、この場合は却って安心しました。話せばいいじゃん。
21 紅い唇(再会編) さとう啓介
あ、「紅い唇」の続きなのか。平助爺さんが幸せそうで何より。あれからどうやって復活したのだろう。
22 WAKARE マー君
最初の三つの科白のつながり方がちょっと分からなかった。「別れ様」の「よう」は漢字ではないように思います。電話に出りゃいいじゃん。
23 秋の雛祭り 有馬次郎
複雑そうな家庭だ。ちらかすのはよくないと思う。
24 決闘嵐が原 のぼりん
相手の人、かしこいなあ。
25 人気店 羽那沖権八 ★
最後の科白にはやや倒錯的な匂いを感じるが、それもまた微笑ましくあり。
26 Ruima ★
家族をテーマにした小説は非常に難しいと常日頃思っているのですが、この最後の科白には深いものを感じました。でも数字(「2人」「一メートル」)は合わせたほうがいいと思う。
27 闇の鎖 瀬野 美智緒
ああ、オチはないのか。や、なくてもいいのですが。
28 眠れない夜 芥川かげろう
昼寝ればいいような。と書いてみて、そんな感想は題を見るだけでも書けることに気付く。
29 近未来 やみさき
「近未来」というより「別世界」のような気がする。
30 犬の生活 募集中(仮)
最後の文でなるほどと思わされました。既に掲示板にて「盲導犬の世話は、自分一人でする」ものだとの指摘がありましたが、惜しいところ。
31 ある会話 海坂他人
オチはなくてもいいと思うけど、どうも完結したという感じがせず物足りない。
32 お望みの結末を 楠木マユミ
「ファイナルアンサー」の言葉は、自分にとっては興が削がれるところでした。
33 ヘモグロビンコンプレックス るるるぶ☆どっぐちゃん ★
言葉では説明しづらいですが、強い印象を受けました。「あたし」のリクエストに応えるのは至難の業だろうけど、作者にとってはこの物語自体が回答なのかもしれない。
34 太郎丸沈没 三月
投稿者に太郎丸さんがいて、以前のペンネームがTAKUTOだったりすることを考えるとパロディのようにも思えるのだが、話は真面目なものなので、どう捉えるべきなのか迷う。
35 朝のバイオレンス 蛮人S
「不死身な週末」というのは、効果は週末だけなのかな。
36 カリナくんの日常 カムイミウル
「日常」ということは、カリナくんはこのように毎日何かを学んでいるのであろう。よいことだ。

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北村曉