Essay Gallery
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「プールと煙草」
今日は曇っているがまだ暑い第二土曜日、お昼過ぎに平間公園のわきを通るとき、後ろから自転車に乗ったワンピースの涼しげな小学生達がすり抜け様に「もう並んでいるよ」「大変だよぅ」と叫びをあげた。目を上げてみれば公営プールの前に子供達の行列が出来ている。この間新聞で、もうすぐ公営プールがオープンすると読んだ覚えがあった、時計を見れば12:55。1時から開くのだろう。あちらこちらから自転車に乗って駈けって、籠や手に手にビニルのバッグを持って小学生達が三々五々集まって来る。学校で友達同志約束して来るのだろう。そういえば自分が子供の頃も、学校の校舎は子供達の情報交換の場だった。プール開きと聞けば友達ん家の前を集合場所にして、水着とタオルをビニルバッグに詰めて短パンで駆けつけた。
あの頃も今のように暑かったなあと思いながら歩いてバス停に近づくと、目の前にバスが入ってきた。するとYシャツ姿のサラリーマンがバスに気付いて駆け出した。そのダッシュの一歩目と同時に右手からするりと自然に煙草が離れていった。一瞬の自然すぎて違和感の無い仕草だったけれども、その姿はかっこよくなかった。バス停の前には灰皿が置いてある。煙草を吸う人がよくバスの乗り際に、さりげなくそこで煙草をつぶして颯爽とタラップに乗り込む姿を見ていた。そちらの方がどれほどさりげなくカッコ良かった事か。子供から大人になって失ってしまうものではない。子供の時から変わらぬその人の生き方なのだろうが、ふと、その差について考えた日であった。
今、夜になって降り出した雨に、雷が響いている。梅雨明けが近い予感をさせる音だ。人のいとなみに関わらずに時は流れている。