平成17年7月29日 厚生常任委員会調査会 アスベスト

小川委員

 では、1点だけ質問させていただきますが、先ほど中村委員の質問に対しまして、中皮腫と石綿肺の過去の患者数が報告されましたが、たまたまアスベストの関係でいろいろテレビを見たり報道を読んだりしていて感じたことです。県は、がん対策の10年計画を出しましたが、医療の資質という点においての質問ですが、中皮腫とか肺がんに関しても医師が対応したときに、これはアスベストの関連ではないかと思い至らない例が多いという話を聞きました。肺がんであるとか中皮腫がどうなのか、どこまで細胞組織を取って調べられるか分かりませんが、肺がんでも細胞組織を取って調べれば、アスベストの関連ではないかという思いが医師にあれば組織検査をして、それで対策もできるし事実をつかむことができると。しかし、残念ながらそういう思いに至らない医師が多いのだと、そういう話を私は聞いたんですが、今までの県立病院において、そういう組織検査をした例があるのか、これからそれに対応していく用意があるのか伺いたいと思います。

県立病院経営改善担当課長

 肺がんにしても中皮腫にしても、最終的には組織検査をしてがんであるかないかということを確定するわけでございますので、組織検査自体は当然なされるわけであります。

 ただ、組織検査をするときに細胞を取るわけでありますが、その中にいわゆるアスベストが含まれているかどうかというのは、検査の過程の中ですべて分かるということにはどうもならないようでございます。中皮腫については、調べて一部の細胞の中にアスベストがあるかどうかというのはなかなか分からないというふうにお聞きしているんです。ただ、中皮腫自体は胸膜の内側の中皮に腫瘍ができるわけでありますが、多くはアスベストが絡んでいるのではないかということは医師からはお聞きしたことがございます。

小川委員

 たまたま私の後援会の幹部の方が先日中皮腫で亡くなったんです。その方は、洋服の仕立屋さんだったんです。アスベストとは言われなかったが粉じんが関係しているのではないかというふうには聞きましたが、アスベストが関係しているのではないかという観点で調べられたことはなかったと。そして、セカンドオピニオンで県立病院にも私同行して行ったんですが、そういう話はなかったんです。

 もう亡くなられた後ですが、これからの対応として、やはり事実を調べていくということが大事だと思うんです。肺がんについて、先ほどは報告の数字が出ていなかったわけですが、肺がんだってアスベストの関連で亡くなられたかもしれない方はいらっしゃるわけでしょう。それについては把握していないんですか。報告がなかったんですが。

県立病院経営改善担当課長

 今のお話で、私どもがんセンターでということでお答え申し上げますが、肺がんの患者さんの中にアスベストが原因で肺がんになった数ということについての確認はできておりません。

小川委員

 そういう確認ができていないということは、確認しようとする姿勢がなかったということだと思うんです。そうでしょう。中皮腫だってそういうこともあり得るし、先ほどのお答えでアスベストについては組織検査の過程では分からないこともあると、では違う検査をすれば分かる可能性もあるということなのかどうか、私はちょっと詳しいことは分かりませんが、そういう視点を持って今までだってやってこなくてはいけなかったことだろうなと私は考えているんです。肺がんについての検査にしても、対応にしても。そういう認識を医師が持っていないからアスベストの関係の肺がんかもしれないという視点がなかったかもしれないと。ちょっと遠回しな言い方ですが。そういうこともあると伺っていますので、専門的な部分だから分かりませんが、がんについて10年計画というものがしっかり出されているわけですから、私からしたらしっかりもしていないと思いますが、概念的過ぎる計画だなというふうには自分としては考えておりますが、こういうアスベストの問題で肺がんであるとか中皮腫であるとかこういうことが急にまたクローズアップされて、県民の不安も増しているわけですから、県内の病院のがんに対する資質を全体的に上げるという意味においても、県として病院側に様々な専門家としてアドバイスする部分があると思うんです。そういう部分というのはないんですか、あるんですか、それともやっていくことを計画中ですか。

県立病院課長

 昨日も県立の全病院長さんを集める会議がございまして、その際にもこのアスベストのお話というのを私の方からさせていただきまして、県庁で今非常に喫緊として取り組むべき大きな課題ということでお話申し上げました。

 今の点につきましては、やはりがんセンターは非常にこれまでの経験とか知識、技術を持ってございます。そういった中で、今の委員のお話、がんセンターの所長にもこういう観点から委員会でも調査会の中でもお話しいただいたということで、県立病院としてどのような対応がとれるのか、またどのような対応をすべきなのかというのを是非相談していきたいというふうに思っています。

小川委員

 県立病院もそれで是非対応を急いでもらいたいですが、県立病院だけでなくて、県内の病院全体にそういうことを県の医療に関して責任を持ってやっている当県として、民間の医師、民間の医療に携わる方全体にこういうことをきちっと伝えていく必要もあるんではないかなというふうに思いますが、これからの検討課題でしょうが、その辺はどうでしょうか。

医療課長

 中皮腫に特化してちょっとお話をさせていただきますと、基本的にはほとんどが肺にでき、一部腹膜とかというところになりますので、大体の場合は、例えば肺がんと同じような形での視点で多分レントゲンを見るような形になろうかなということで考えております。ただ、確かに、その目で見ないと、普通に肺がんという形で組織検査も簡単にやった場合にはなかなか中皮腫という形にならない場合もなきにしもあらずという形で聞いております。

 そういった意味からしますと、確かに診断を確実にやるということは求められることだと思いますので、こういった点につきましては、今後、地域の拠点病院等も絡んでくるかと思いますが、県全体のそこら辺のところに関しましては、医師会、病院協会とも相談させていただきたいと考えております。

小川委員

 是非、そういう方向でお願いしたいと思いますが、最後に、先ほどの情報公開の件ですが、それも含めてなんですが、前回、私が質問したことも含めて、こうやって報告資料として出された限りは、それに対してどういう質問があるのか、もしくはどういうふうに対応しておくべきなのかということは、保健福祉部として検討されておくべきことなんだと私は感じているんです。だから、前回の私の質問したことについてもそうですし、今回のこの質問に対してもちょっとたるんでいるんではないかと思うので、報告資料に載っているのであれば、部局として是非きちっと全部対応してもらいたいと要望して質問を終わります。