平成18年 4月19日 厚生常任委員会最後の質問 保健福祉事務所の栄養指導について

小川委員
 私は当常任委員会に関係する施設にはなるべく足を運ぶようにしておりまして、保健福祉事務所にも伺って、ちょっとおもしろいなと思ったようなところもあり、また2月にちょっとした不祥事が新聞に出たりしたこともあるようで、それに関連してちょっと伺いたいと思っています。
 藤沢保健福祉事務所で飲食店の無許可営業に関して新聞報道され、個人情報が漏れたという点では重大なことだと思っていますが、その経過について、今どういうふうになっているのか伺いたいと思いますが。
生活衛生課長
 平成18年2月13日に藤沢であったことでございます。藤沢市内の仮にAさんとさせていただきますが、Aさんが藤沢保健福祉事務所に食品衛生法に違反して無許可営業の施設がありますということで、電話の通報がございました。
 この無許可営業につきましては、現在許可を得て、つまり営業をされております。また、この通報者の名前が出たということで、この方はちょっと憤慨されたんですが、その辺の今の動きは全然ございません。まちで会えば言葉を交わすというふうに聞いております。
小川委員
 ちょっと生々しい御答弁で、ああそうかと思いましたが、そんなような住民間で今会っても平気だというようなことが新聞に出てしまうという状況があって、出先機関の仕事というのは緊張感を持ってやらなくてはけない、大変なことだなと、あの新聞報道を見て思ったんです。
 それで、保健福祉事務所に行ったときも、狂犬病の指導をされている方が予防接種はもちろん指導するわけだが、ほとんどもう日本では狂犬病はないが、ペットを介在した住民間のトラブルなどの処理に巻き込まれる場合もあるというような、より住民に密着した様々なトラブルに巻き込まれやすいようなお仕事をされているということを伺ったものですから、そういう不祥事になりかねないような場面に直面している職員の方々に対して、本庁からどういう指導をしたり、バックアップをしたりしようとしていたのかなというところが一番大事なことだと思うんですよ。
 この間の児童虐待の死亡が出た例についても、委員会で私が児童相談所の職員の方は案件を抱えていて大変だから、本庁からバックアップをお願いしますねと言っているときに、もうその虐待に向かった動きがあったわけで、私がそういうことをお話しすると何か事件が起きてしまうというようなことがある。視察に行くと、必ずそこの視察先で不祥事が起きているんですよ。3回行くと、必ずその施設で不祥事が出ているから、何かすごく縁起が悪くて嫌なんですが、出先機関というのは、それだけ不祥事が多いから、職員の方がよほど気を付けなくてはいけないんだと私は思っているんですね。そういう指導を本庁からどういうふうにしているのか、その辺についてきちっとやられているのかどうか、お話を伺いたいと思います。
保健福祉総務課長
 保健福祉事務所に関しましては、県民と接する機関ということでございまして、基本的には公務員の倫理として適切にやっていったという部分がございますが、昨年は保健福祉部といたしましては、かなり不祥事等ございましたので、その都度、倫理等について周知してきたが、基本的にはやはり公務員は県民のために奉仕するという立場がございますので、そういった自覚を持っていただくといったことです。
 もう少し具体的に申し上げますと、やはり相手の立場に立って考える。つまり相手がどういうことを求めてきていらっしゃるかといったことをまず考えて、そういった相手の目線に立って物事を処理するといったことが大事だと思いまして、いろいろな場面で申し上げているところでございます。
小川委員
 そういうこと過去においても指導されてきたんだろうと思うんですよね。それでも不祥事が結構出ているということだから、目新しい御答弁じゃなかったと私は思うんですが、本当に不祥事が多いということはゆゆしきことですから、細かいことを指導していかなくてはいけないんだろうと思いますので、出先機関の仕事については、よく把握されて、細やかな指摘そして指導をこれからもお願いしたいと思っています。
 もう一点、やはり保健福祉事務所で栄養士さんの方が健康増進法や食育基本法を受けて、栄養士さんとしての仕事を充実させようということで、このパネルは、こういうことをやっていますということで、大和保健福祉事務所で私がいただいてきたんです。これは裏表になっていまして、4、5歳用のお子さんを持った御家庭、お母さんたちに対する御指導だと思うですが、これを見たときに、私の夫が心臓病で入院して病院で指導されたのとほとんど同じような内容だったんで成人病にも通じるような内容かなと思って、非常に興味深く見たんです。
 これを見て、様々なことを感じたんですが、栄養士さんを指導されている健康増進課では、各保健福祉事務所で様々な努力をされていることに関して、どういうふうにしているのかということをどの程度把握していて、このパネルを見てどういうふうに思ったか、感想を伺いたいと思います。
健康増進課長
 県の健康づくりの指針がございます。かながわ健康プラン21や昨年3月の「がんへの挑戦・10か年戦略」におきまして食生活の改善、それから運動の促進など、生活習慣の改善に関する取組を進めているところでございます。
 こういうことを踏まえまして、食生活の改善について保健福祉事務所では市町村それから地域と連携しながら、生活習慣病予防のためのメニュー集の作成などの普及啓発の実施、それから地域の団体が取り組む栄養改善活動への支援、地域における栄養食生活の課題に関する検討会、協議会というものの開催に取り組んでおるところでございます。
 今大和保健福祉事務所の例を委員に御指摘いただきましたが、大和保健福祉事務所においては、平成12年度から生活習慣病予防のために、幼児期から望ましい食習慣を身に付けることが必要ということで、食生活指針10か条というものをつくりまして、関係団体等を通じて、普及啓発の活動というものを推進してございます。
 また、平塚保健福祉事務所におきしましては、市町村それから地域の団体が連携しまして、高齢者、それから介護が必要な方に対して、介護予防というものを目的に、食を通じた自立支援ということで、「いきいき生活のためのやさしいメニュー集」というものを作成しているというところでございます。
 このメニュー集をホームページに掲載したりしまして、一人暮らしの御高齢の方などに便利に使っていただいていると聞いております。
 それから秦野保健福祉事務所では、職域における働き盛りの世代に対する生活習慣病予防を進めるために、管内の関係機関による協議会を設置しまして、職域における生活習慣病予防というものを検討し、事業所給食等を活用した健康教育を実施しているというふうに承知してございます。
小川委員
 このパネルについてどう思うんですかと質問したんですが、それが一番難しいかもしれないが、それをちょっと聞かせていただきたい。
健康増進課長
 私が医師としてやっていたときもそういうものを通じて患者さんに目で見ていただき、それから実際に食べていただくということで栄養指導するのが一番ということで、非常に分かりやすいものだと認識しております。
小川委員
 私、これを見て非常に食生活が乱れているんだなと思ったんですよ。というのは、市販のスナック菓子やファーストフード類は味が濃く油が多いので、できるだけ控えましょうと書いてある。それから、飲み物も麦茶とか牛乳とかにしなさいと。わざわざそういうふうに書いてある。
 それから、最後の食事のポイントのところに、家族で食卓を囲んで楽しく食べましょう、朝御飯をしっかり食べましょう、毎食主食、主菜、副菜をそろえて食べましょう、こういうことを書かなければ分からない若い御家庭が増えているということだなと思ったわけです。だから食育基本法とか健康増進法とかというのを国でつくって指導をしないといけないぐらいになっているということは、地元の小学校を回ったり保育園を回ったりして、先生方のお話を聞いてそれは実感していました。地元地域で、保健福祉事務所の栄養士さんがそれをいち早く感じて、親を傷つけないような形で基本的なものをつくらなければいけない状況になっているんだということが非常に食生活が心配な状況なんだと感じたんですよ。
 そういう状況の中で、栄養士さんが県の保健福祉事務所でどういうことに意欲を持ってやっていかれようとしているのかというのは非常に大事なことだと思うのです。保健福祉事務所では、県民とより親しく接点を持っており、住民に対しては、平塚市でも大和市でも市町村が細かくやっていますというお話だったんです。でも、実際に一生懸命やっていたって、実情が追い付いてこなくて、どんどんひどくなって食生活の質が悪くなっている。それは成人病のもとにもなるし、がんのもとにもなる。健康増進課では、がん対策でも塩を一日何グラム以下にしましょうみたいな細かいこともプランに入れていらっしゃる。全体に栄養士さんの仕事、栄養学の問題というのは、これから日本人に関しての非常に重要なことだと思いますので、栄養士さんというのは、自覚を持ってもっと厳しく、県の仕事はこうで、市町村と分かれてこうなっていますというんじゃなくて、より本庁とも連携して様々な分野の連携が食に関係しているわけですから、自覚を持ってきちっと前向きに市町村に対してもやってもらいたいし、住民に対しても指導を優しく、また厳しくやっていただきたいと思っています。そういうことを健康増進課長としても厳しく把握して自覚を持っていただいて指導していっていただければ、保健福祉事務所や県の栄養士さんがいい仕事ができるんじゃないかなと私は思うんですが、いかがでしょうか。
健康増進課長
 委員御指摘のとおり、食生活のイロハというのが今崩壊し始めているのかなと認識してございます。この問題、もう随分昔になりますが、平成9年度の文部科学省の保健体育審議会においても、基本的に食の生活が壊れてきている、特に子どもにおいて目立ってきているというようなことが問題となりまして、学校の栄養職員、具体的に言いますと家庭科の先生とか市町村の学校栄養士、栄養教諭などを通じて、まず子どものころからしっかりさせようというのがもう平成9年9月に答申として出てきておりまして、それが今の食育の流れになったのかなと認識しているところでございます。
 ただ、保健福祉事務所の栄養士の業務にしても、私ども法律に基づいていろいろな活動をしてきている面も当然ございまして、健康増進法の第17条に、一般の住民に対する栄養指導というものは市町村がやりなさい、それから健康増進法の第18条には都道府県の役割は何かということで、難病等専門的な栄養指導とか、それから特定給食施設の指導といったものは県の役割でありますというようなことが書かれてございます。また、地域の食生活の課題については、市町村や関係団体と連携をとったりしながら、食生活対策推進協議会等で検討を行っているところでございます。
小川委員
 前にも今のお答えのとおり第17条、第18条で県と市町村の役割はこうですというのを書かれていることの説明を受けました。でも、大和市では積極的にこういういいこともされているので、これから食育基本計画を市町村や県でもつくっていくということですから、こういう積極的なことをされている実情をとらえて、いいところを取り上げていただいて、よりすばらしい活動が食育にもできるように、これは県の仕事でない、市町村の仕事だなんて分けないできちっと前向きにやっていただきたいと希望して、質問を終わります。