平成18年11月2日  県民企業常任委員会

県幼稚園設置基準緩和策の確認

小川委員

 よろしくお願いします。幼稚園の設置基準の緩和について伺いますけれども、今日は11月2日で、まさに昨日、11月1日に幼稚園の入園申し込み日ということで、昨日は朝から、もくしは前の晩から並んでいらっしゃる御家族もお見かけしましたし、一日中面接ファッションで、若いお父さん、お母さんがお子さんを連れて歩かれている姿を高津区内で随分見かけました。こういう高津区や川崎市内の各区のように、幼稚園に申し込むときに3園から4園、多い方は6園ほど申し込まなければどこかに入ることができない、幼稚園に入ることができないという厳しい地域で、私が申し上げたように設置基準を緩和していただきたいと、何とか窮状を救っていただきたいとお願いをしてきたところなのですが、この幼稚園の設置基準の緩和策について確認をしたいと思います。

 10月19日の日付で、各幼稚園の設置者に対して部長名で通知がなされて、11月1日付で学事振興課長名で通知もされておりました。これらの内容を確認しながら逐次伺ってみたいと思うのですけれども、まず、部長名で通知された設置基準の改正、これについて私も事前に文章を読んでみましたけれども、園地の2分の1まで借地でも可ということが改正条項として書かれているわけなのですけれども、この詳細についての内容の確認、説明というか、こういう結果になるまでの経緯を伺わせていただきたいと思います。

桐谷学事振興課長

 お話のとおり、川崎市においては幼稚園定員を大幅に上回る実員、実際のお子さんが幼稚園にいると言うことでございます。そういう中で、これまで幼稚園の場合ですと設置基準が定められております。その設置基準の中で定員を越えて受け入れているという現状でございます。ただ、それはあくまでも設置基準というハードルの中での制約がございますので、まずはそこを変えていく、そこを検討してきたと言うことでございます。

 実際の改正の内容でございますが、二つございまして、これまで幼稚園については園地、園舎は、学校法人あるいは個人立含めて自己所有ということが原則でございました。これは幼稚園の永続性ですとか、安定性ですとか、それを図るためと。今回の場合、あくまでも幼児人口が急増していくのが、一定程度これから5年とか10年というスパンでございます。そうしたときに、現在急増するお子さん方を受け入れていくために、あえて自己所有という中で園地の拡張ではなく、安定性が図られる範囲、つまり園地、園舎の自己所有の半分まで拡大する場合には、借地を認めようということが一つございます。

 それから、もう一つは、借地となりますと幼稚園のすぐ隣にということがなかなか難しいところがあるだろうと。それを考えまして、一定程度安全性等が確保できれば、道路を隔ててとか、そういった条件を緩和したと、その2点が設置基準の改正でございます。これにつきましては、経過ということでは地元の幼稚園の団体、それからやはり県全体にも今後ということもございますので、幼稚園の県の団体、それから川崎市の行政、教育委員会になりますがそことの打ち合わせ、調整を経まして、こういう形でまとめさせていただきたいということでございます。

 以上が設置基準でございます。

小川委員

 はい、分かりました。いろいろと御苦労をありがとうございました。市の幼稚園の団体、県の団体、それから川崎市の教育委員会と折衝をしたということなのですけれども、今回のこの設置基準の緩和は、川崎市のみに限定してなされたというふうに伺っているのですが、学事振興課長名で出された通知は、就園児人口増加地域指定の変更通知ですが、今まで川崎市内は、多摩区、宮前区は指定されていなかったのです。それが、多摩区、宮前区も含めて、川崎市全体一本で人口増加地域に指定されて、ここの地域は今、課長から御答弁いただいた2分の1は借地でよいと、こういう緩和策を受けられることになるわけなのですが、この画期的だと担当の方がおっしゃっていましたけれども、私も非常にありがたいことだなと思っているのですが、宮前区、多摩区は、定員超過率が107%、105%なのです、平成18年5月1日現在で。横浜市鶴見区はやはりマンション急増地域で、実員、定員の差が891名で定員超過率が133.7%、青葉区と都筑区が超過人員が787名で、都筑区が556名、定員超過率がそれぞれ113%、111%なのです。そうすると、宮前区、多摩区よりもそれぞれ実員との差も大きいし、定員超過率も上回っている。しかし、この地域は設置基準の緩和策が認められない。

 これについて私は川崎市ですし、委員長も川崎市ですから非常にありがたいことだと思っているのですが、川崎市だけの子供たちの環境がよくなればいいとは私も思っていなくて、横浜でも実員の定員上回り率が非常に高い地域もあります。そういう川崎市以外の地域では、どういうふうな声があって、どういうふうにされようとしているのかと、それが心配なのです。

桐谷学事振興課長

 幼稚園の設置基準の緩和の方は、私立幼稚園の定員適正化等の基本的な取り扱いの中で、通園児人口の急増地域として指定されたところには、これは一律適用でございます。ですから、川崎市とそれから今現在指定を受けているところについては、この取扱基準は適用がされると。もう一点の市全域の指定というのが今回川崎市に適用されます。といいますのは、川崎市の場合は区を全部足した就園児の定員と実員の差が非常に大きなところでございますので、それを市全域としてやりまして、これまで適用がなかった多摩区と宮前区、ここが市全域適用になりますので新たな適用になるということでございます。

小川委員

 それを伺ってよかったなと思いました。私、勘違いもあったのですが、川崎市の幼稚園協会の方から聞いた話があったので、川崎市だけがそういうふうになったのかなと思っていたものですから、多摩区、宮前区が置いていかれると困るからみたいな話を聞いたので、鶴見区や、青葉区や都筑区はどうなるのかなと思って失敗していたのですが、では、人口増加地域に指定されるところは、小島先生がいらっしゃる青葉区も、都筑区も、鶴見区も全部設置基準緩和は当てはめられると、そういう認識でよろしいのですね。

桐谷学事振興課長

 設置基準の部分については、そのとおりでございます。

小川委員

 はい、ありがとうございました。それで、地域の子供たちは助かると思うのですけれども、こういう話し合いの中で実は借地でも可、これはありがたい話ですけれども、実際にその地域を見てみると、もう人口密集地域で借地を探そうといっても、隣に公園はあるけれども借地はできないみたいな、そういう状況を抱えているところも実はあるのです。そうすると、借地2分の1まで可というのも非常にありがたいことだけれども、建物を2階建てまでというのを3階建てまでにしてもらえないかという、そういう非常に現実的な、実現性の可能性が高いそういう現実的な声もあるのではないかなと思うのですけれども、その辺も一応検討の中には、声もあったし、検討もされたけれども、今回は一応将来にわたる検討課題に残しておいて、園地の2分の1までの借地ということで状況を見守ろうと、そういうふうな気持ちがあったというふうに伺っていますが、その辺はどうなのですか確認させていただきたいと思います。

桐谷学事振興課長

 今回の改正の中で幼稚園関係者と話をしていく中では、一つにはこの自己所有権要件の話、それからあとはプレハブを建てるという話、それからあとは3階を利用するという話、大きなところはその三つでございまして、3階建てにつきましては、幼稚園は原則2階ということが設置基準で定められておりまして、まずは、そこよりも自己所有要件、それからプレハブの場合は現在の園地に、運動場にプレハブを建てる。プレハブ自身は設置基準法上での建物になれば、それに適合していれば私どももその設置は認可ができると。ただ、そうしますと園地が少なくなると。それを補うために借地と、まずそこが現実的なというようなお話もいただいております。当然、検討の中では委員お話の3階の部分もございますし、また、これについては今後やはり検討していくべき課題という認識は持っております。

小川委員

 いろいろ御配慮いただいているようでありがたいと思いますが、この設置基準緩和の通知をされてから、まだ日にちがたっていません。一日か二日ですから、どういうふうな反応があるかということは把握していらっしゃらないとは思いますが、多少役員やっていらっしゃるような方については動きやお声があるかと思います。どんな感じでしょうか。

桐谷学事振興課長

 私どもの方の通知が、私立学校審議会も終わりまして15日付で出させていただいて、私ども担当班の方には、これについてのどういう内容なのかという問い合わせは来ております。そういった状況でございます。

小川委員

 その数というのは、私たちは幼稚園に入れないで気の毒な子供さんが多いということを考えて、こういうお話ししているわけですけれども、幼稚園に反応していただかないと困るわけなのです。だから、幼稚園が手を挙げてくださるかどうかというのも非常に必要なことなので、協会の役員の方々がこういう話し合いをしていただいて、緩和策も努力してくださったわけですけれども、すべての幼稚園の経営者に、そういう気持ちを同様に持っていただかないと、せっかく緩和策を講じていただいても、実現しないということもあって、それではもったいないし、現状が変更されないということにおいては残念なので、そこら辺は是非協会とも連絡を取りながら、その趣旨を徹底するようにお願いしたいと思うのですが、その辺はどうでしょうか。

桐谷学事振興課長

 今回の問題が、あくまでも象徴的には川崎の中、特に川崎市の中部から北部にかけてというのが非常に幼稚園の入園にかかわる願書の受け付け、それから面接、混乱を来したと。市の幼稚園協会にも問い合わせ、苦情があった。あるいは川崎市教育委員会にも問い合わせ、苦情があった。そういうものを解決していくために、現実的な方策まず取り入れるものは何なのかというところで今回やらせていただいたと。

 委員お話のとおり、そういった要望を受けて行政としてやらせていただきましたので、今度は実際に幼稚園サイドが規制緩和を受けて、これはどういう形で今後努力いただくのか、それと同時に、やはり行政区の幼児教育、幼稚園というのは地域性が高いものでございますので、やはりそういった幼稚園を希望しても、入れないというそういうお子さんを出さないように、調整機能を現在幼稚園協会にも求めていく、そういう中で今後も引き続き話し合いはしてまいりたいというふうに思っております。

小川委員

 是非そういう形で進めていただきたいと思います。これが浸透して、地域の幼稚園が努力していただければ、川崎市、それからまた横浜市も現在人口増加地域として指定されていないところでも、マンション業者の活動によってマンションがどんどんできていくという可能性を含んだところというのが結構あると思うのです。そういう地域への将来への影響も踏まえながら、先取りしていろいろと活動を重ねていただければ幸いだと思います。

 ちょっと最後の部分で気になったことをお話させていただくのですが、今回私立の高校が5校必須科目を履修していなかったということで報告があったわけですけれども、この緩和策を話し合う場において、中学校と高校の私学の経営者の方から、こういう基準緩和を幼稚園に適用されると、中・高にも適用されて、そういうことになったら自分たちが困るというような発言があったというように私聞いたのですけれども、そんなことはまさかなかったのでしょうか。

桐谷学事振興課長

 私立学校審議会は、中学、高校あるいは幼稚園、あるいは小学校のそれぞれの委員の方が入っております。幼稚園の議論のときには、学識経験者の方も弁護士さんですとか公認会計士さんおりますので、そういう方と幼稚園サイドの方がいろいろ御議論と。ただ、これは内外をいわゆる幼稚園ですとか高校ですとか校種を代表してということではございません。あくまでも審議会でございますので、その委員としてということですから、そういう中ではいろいろな議論がございます。

 高校のというのは、多分御指摘いただいている件というのは、中学校卒業者が急増していく中で高校の定員を暫定定員という形で設けていただいた時代がございました。ですから、急増のある一定のところまでの定員だと。今回、幼稚園で定員増が図られるのであれば、それも時限制があるのであれば暫定定員という考えはとれないのか、そういった御意見はございました。

小川委員

 それぞれの立場でいろいろな考え方があると思うのですけれども、まず、私学の経営者の方全体に、幼稚園の窮状についてはよく御理解をいただきたい。
 それから、その必須科目についての問題については、県立高校、私随分もう70校ほど視察をしてきているのですけれども、やはりそのくらい行けば、カリキュラムの内容も確実にそこで披露されるし、チェックを受けているという自覚が各学校あると思うのです。職員の方もいらっしゃっているようですし、チェックするのは大変だと思いますけれども、私もこの間私学2校伺わせていただいて、やはり私学も回ってみた方がいいなと自分でも感じましたので、私たち議員も含めて担当課の方、職員の方も含めて、何かの折に私学も回って、目が行き届いているのだぞというところを見せれば、また、これから対応が違ってくるのかというふうにも感じております。私もなるべく足を運んでみたいと思いますが、これからますます私学振興に努めていただけますようにお願いをして、また、最後にお礼を申し上げて私の質問を終わります。ありがとうございました。