平成19年2月議会 19年2月27日  県民企業常任委員会

少水力発電設備について


小川委員
 よろしくお願いします。
 水道事業の少水力発電設備設置事業の内容について伺わせていただきますが、水道事業の平成19年度の予算額が927億年と、その中でこの少水力発電の予算は9,364万円、1%ぐらいの予算ではありますけれども、ルーチンの多い水道事業の中では割合自由材料の企業庁の姿勢があらわれている事業ではないかと私も思いましたので、これについて伺いたいと思いますが、川崎市はすごく  に、自然の段差を利用した  発電所があって、こういう自然の段差、自然の力を利用した電力発電というのは非常にすばらしい試みだなと私も思っております。昨年の12月に  ダム発電所に同じような少水力発電を新設するなど、ここのところで企業庁が環境に配慮した少水力発電に取り組んでいるところが見えまして、こういう事業は私は好きなので、非常に評価しているんですけれども、今回報告された少水力発電の設備についても、ちょっとこの説明を聞いただけではわかりにくい点がございますので、数点簡単に伺いたいと思います。
 この稲荷配水池に少水力発電設備を配置、設置するということに関しては、ここの概要に書いてある条件だけでここに決めたのではないのではないか、ほかにも幾らでも配水池はあるので、どうしてここにターゲットを絞ってこの少水力発電設備を設置することにしたのか、まずそれを伺います。

水道施設課長
 今回少水力発電ということで取り組むわけですけれども、こちらは浄水場から遠いところ、また標高の高いところ、こういったところに水を供給していく中で、到達しているところで未利用のエネルギーが水圧となって残っていると、それを利用しようということで進めるわけですけれども、これには条件がありまして、このような少水力発電設備を設置するためには、配水池へ一定の流入量があって、またその変動が少ないといったことがありまして、それと費用対効果を見据えた中で、稲荷配水池におきましてはその配水池以降使われる水が多いということで、常時ほかの池に比べると水が送られると。それでまた、安定した流入があるということで、幾つかある中で効率的には一番いいということで判断しております。

小川委員
 効率的にいいというのは、配水池に入ってくる水、それから出ていく水、それがいつも流動的に動いていると、水力を活用するにもちょうどいいということなんだと今の御答弁で思うんですが、すべての配水池にバイパス管があるわけなんですか。

水道施設課長
 バイパス管に今回つけるわけですけれども、それは大きな配水池にということで、小さい小規模の配水池にはバイパス管がついていないところもございます。

小川委員
このバイパス管は、いざ何かあるときのためにバイパス管を利用するということを考えて設置しているというふうに伺いましたけれども、似たような、ここを選ばなくても同様な工夫ができる場所というのは、配水池というのはほかにも幾つかあるんじゃないかなというふうに思いますけれども、その中でもここを選んだ一番の理由というのは今の御答弁にあった水の利用、移動する水の量ということが一番だったんですか。

水道施設課長
 今委員お話がありましたように、こちらの池に入る量がいつも安定して、それで先ほどちょっと触れさせていただきましたけれども、流入、そちらに送る量が多いということで、効率よく運転ができるということでございます。

小川委員
 この効果についてなんですけれども、ポンプ所の年間電気料金の一部640万円を節減することができる、それから環境に配慮することとして、年間約280トンの二酸化炭素排出量の削減が期待できると、こう書いてありますけれども、この年間電気料金の一部というのがどのくらいの一部なんですか、パーセンテージでいくと。


水道施設課長
 平成17年度の稲荷ポンプ所の電気料金でございますけれども、これは約6,800万円ございましたので、今回電気料金年間約640万円削減されるということで、割合としましては96%でございます。


小川委員
 1割近くが節減できるということであれば、やはり設置する意義があるかなと思いますけれども、二酸化炭素排出量の削減という視点においては、これは神奈川でも削減目標なんていうのはあると思うんですが、その280トンというのはどのぐらいに当たるんですか。

水道施設課長
 今回稲荷配水池で設置した発電によりまして生み出されるものなんですけれども、こちらは年間約280トンの二酸化炭素排出量が削減できるということで、二酸化炭素排出量の量としましては、これを森林等で吸収するとした場合に横浜スタジアムのおよそ5倍となる純益からの収入が必要となるというような値でございます。


小川委員 
 ちょっと違うかなと。

杉山委員長 
 答弁されますか。

水道施設課長
 すみません、ちょっと間違えて聞いてしまったようなんですけれども、委員お話のありましたのは、年間の電気料金がどのくらいのもの。

小川委員
 ちょっと質問の内容が正しくとらえられていないかなと思うので伺うんですけれども、年間約240トンの二酸化炭素排出量の削減というのが、神奈川県でも目指している削減量があると思うんですよ。そういうののどのくらいの割合に当たるのかしらと、それを伺ったんですが、先ほど森林に例えて言っていただいたから、すごく削減には寄与しているのかなとは思いますけれども、それについてをとらえていらっしゃるんであれば、お答えいただきたいと思います。

水道施設課長
 間違えて申しわけございませんでした。全体の神奈川県の目標に対してどのぐらいかということは、今私の方で承知してございません。

小川委員
 じゃ、後ほどお答えいただければ結構なんですけれども、こういうほんの少しずつの努力でも二酸化炭素の排出量を減らせる、それから効率よい電気料金の節約、こういうことがこれからの企業庁にも非常に求められることなのではないかなというふうに思っておりますので、さまざまな工夫ができるかなと。同じような配水池に対して少水力発電を同じようなものを、今回やってうまくいけば、同じようなことをまたトライされるんでしょうけれども、そういう可能性のあるところというのはほかにもあるんですか。

水道施設課長

 県内には現在135カ所、池の数としましては227池ございますけれども、先ほど来ちょっとお話しさせていただいた比較的多くの流入量があって、また規模がその発電した電力を使えるような規模の大きいポンプが建設されているというようなところは、池の中では10カ所程度ございます。これらの中から費用対効果というものを考慮しますと、やはり数は減りまして、現在のところ稲荷配水池以外では3カ所ぐらいは検討の余地があるのではないかなということで現在精査等をしております。

小川委員
 わかりました。こういう姿勢は私は非常にすばらしいことだと思いますので、これからも慎重に検討しながらも進めていただきたいと思います。
電気事業も607万円予算が計上されておりますが、これについてちょっと簡単に伺いたいと思います、電気事業。

発電課長
 来年度の調査委託の計画地点でございますけれども、  の下流にございます   第二、放流地点で計画してございまして、第一、第二発電所の放流地点におきましては、発電所と河川の間に約4メートルの段差がありまして、これを利用しまして何とか発電ができないかということを検討しているものでございます。これからも概略の検討を行ってまいりまして、約58キロ程度という小さい点数でございますけれども、発電が可能ではないかということを結果を得ておりましたので、非常に発電規模も小さい、設計も非常に難しいというんですか、そういうこともございますので、より詳細な調査が必要ということで来年度調査委託を実施する予定でございます。

小川委員
 その調査委託の607万円余の予算ということなんですが、こういう事業というのは調査委託をする業者も限られているのではなかなというふうに思うんですけれども、委託するときの業者の選び方という点においてはきちっと選定、透明性の高い選定をしていただかなくちゃいけないと思うんですが、その辺についてはどうでしたか、どういう姿勢で臨む。

発電課長
 委託先選定でございますけれども、こういう工事の委託等につきましては、各々の委託業者の分野ごとの登録というのがございまして、発電については発電に関する分野の登録をしている業者もございますので、この中から決めさせていただいて委託をやっていきたいというふうに思っています。

小川委員
 質問は以上で終わりますけれども、こういう自然の力を利用したというか、余分な力を利用したもの、少水力発電、これからの企業庁の発電に向けてはこれがメインになっていくのかな、工夫という形で、思いますが、くれぐれも費用対効果の点もしっかりと視野に入れていただいて、業者を選ぶときも透明性の高い選定を行っていただきますようにお願いいたしまして質問を終わります。

平松経営局長
 先ほど水道施設課長の方から御答弁申し上げた際に、削減目標ということでこういうことをしたいと言いましたが、企業庁の水道事業、あるいは電気事業で具体的にこういう少水力発電を行いますと、電気料金で幾ら削減できるか、具体的な数値の計算ができます。しかしながら、県全体ということになりますと、例えば森林の整備でありますとか、なかなか二酸化炭素の削減量というものを数量的に捕捉するということは、すべての事業においてやるというのはやはり容易ではないのではないかと。したがいまして、私どもとしては具体的に県全体に幾らという形でのものはつくっているというふうには承知をしておりません。