三セク問題の新社長
知事を支援530万円 / 川崎市長にも献金

松沢成文知事が就任から2力月余りで早くも窮地に立たされている。30日も県議会6月定例会で自民党の質問をきっかけに、県と川崎市の第三セクター「ケイエスピー」の新社長からの政治献金とパーティー券購入総額が530万円余りにのばることが判明。あわせて、5月臨時会で否決されで以来、懸案となっでいた副知事人事案の提案も見送りに追い込まれた。
知事、副知事案は見送り
「ケイエスピ一社長」の山田長満氏側からの金銭的支援を巡る新しい事実は、自民党の小川久仁子氏の一般質間に対し、知事が明らかにした。94年度からこれまでに405万円の献金を受けたほか、127万円分の政治資金パーティー券を購入してもらったという。
小川氏はさらに、川崎市の阿部孝夫市長も山田氏側から政治献金を受けでいた事実を指摘。01年2月に阿部氏が川崎市長選への出馬表明をした直後の3月と7月の2回、同氏の資金管理団体「川崎ルネッサンス」に30万円ずつ計60万円で、小川氏は「(ケイエスピー社長に山田氏を推薦したのは)選挙でお世話になった方への見返り人事ではないか」とただした。
松沢知事は「山囲氏の(産業人としての)実績を高く評価した。市長には私から栢談を持ちかけた一と説朋。さらに議会後、「献金を受けた人を県に関係のあるポストに任命できないなら、逆差別になる一と記者団の質問に答えた。
一方、知事は本会議に先立ち、副知事案の提案見送りを決め、県議会の主要会派に伝えた。
理由について知事は、朝日新聞の取材に「混乱している議会で無理をするより、次の9月定例会までに考えをしつかりと整理して、改めて議会と相談談したい」と述べた。
知事に近い会派の県議らは、5月臨時会と同じく尾高暉重・特定行政課題担当理事(59)の起用を提案して再び否決された場合@事態は知事への不信任という性格も帯びかねないA尾高氏の経歴に傷がつき、職員の気持ちも離れるーーーなどの判断が働いたとみでいる。
これにより、6月から始まった異例の副知事1人態勢は少なくても、9月定例会最終日の10月上旬すぎまで統く見通しとなった。
社長の実績評価
川崎市長がコメント
川崎市の阿部孝夫市長は30日、山田長満氏からの60万円の政治献金については触れず、「新たな産業を創出・支援するという事業目的、山田氏の経験や見識ヽベシチヤー企業を育成しできた実績からみて、民間人としてこれほどの適任者はいない」とするコメントを発表した。