産経新聞
県三セク「KSP」社長知事に計532万円支援
県議会で追求 川崎市長にも60万円
松沢成文知事は三十日の県議会本会議で、起業支援施設を運営する県第三セクター「ケイエスピー」(KSP、川崎市高津区)の山田長満社長(55)から個人・団体名義で政治献金、パーティー券購入合わせて五百三十二万円の金銭的支援を受けていたことを明らかにした。山田氏が阿部孝夫・川崎市長にも計六十万円を献金していたことも自民の小川久仁子議員の質問で判明。松沢知事が阿部市長と相談して推薦したとする山田氏の社長人事に「支援の見返り」(小川議員)との批判が上がった。
山田氏は川崎市麻生区新百合ケ丘で会計事務所を経営し「日本起業家協会」の理事長も兼務。六月に、「かながわサイエンスパーク」を運営するKSP社長に就任したばかり。
小川議員は、山田氏の献金と社長人事をめぐり、支援の総額と阿部市長を含めた三者の個人的関係などを追及。
答弁の中で知事は、山田氏個人や日本起業家協会など関連団体から受けた献金が平成六年度から昨年度までに計四百五万円、パーティー券購入は九年度から昨年度までに百二十七万円に上ることを明らかにした。
小川議員は再質問で、衆院選があった十二年、当時衆院議員の松沢知事の政治団体「翔成会」が受けた個人献金総額八百八十四万円のうち山田氏の献金が百万円を占めていることを例に挙げ、山田氏を知事の「大口支援者」と指摘した。
さらに、山田氏が阿部市長の政治団体「川崎ルネッサンス」に、市長選のあった十三年の二月と七月に三十万円ずつ献金し、山田氏の会社が所有するビルの一室を演説会場に提供していたことも明らかにした。
そのうえで「山田氏が適任という阿部市長との共通認識で提案した」と釈明するKSP社長人事について、小川議員は「山田氏個人の団体活動に利するのでは」と懸念を示したう一えで、 「物心両面の支援者に公的肩書を提供したと言わざるを得ない」と批判した。
「民間人として適任者と判断」
阿部市長
阿部孝夫市長は三十日、「KSPの人事は、新たな産業を創出・支援するという事業目的からみて、山田長満氏の培ってきた経験、見識、さらには市のベンチャー企業育成に多大な貢献をいただいた実績から、民間人としてこれほどの適任者はいないと判断した」とするコメントを発表した。
献金との関係については触れなかった。阿部市長はビジネス・アイデア・シーズ市場構想提案など山田氏の実績を具体的に挙げている。
知事「これが問題なら逆差別」
松沢成文知事は三十日夕、本会議終了後記者団に対し、「高潔な民間経営者の山田さんから献金を受けたことを誇りに思っている。これからも私の政治活動を支援してくれると思う。もし、これが問題なら私を政治支援した人がそういうボストにつけなくなるという逆差別になる」と語った。