いまどきのブクロ事情
豊島区池袋、埼京線、高崎線、西武線、東武線などが交差する首都圏北西部の玄関口である。私をはじめとする東武東上線ユーザーが拠点としている池袋、あの都会的かつ田舎臭く、最先端とアナログ精神が同居する街をほっとくわけには行かない。
池袋の今を考えるプログラム。
租界の趣き、上海ヌードル(11/02/23)
最近のオキニ(お気に入りの意)のランチは、池袋東口明治通り沿いの「上海ヌードル」である。
その店は西武百貨店のリブロから地上に上がった辺りにある。1階が「光麺」というよく雑誌に載っているラーメン屋なのだが、いつも混んでいて、カウンターの後ろに並んでいるので、行列に並ぶことが大嫌いな私は1回も入ったことが無い。そもそもこの辺は「ばんかららーめん」や「無敵や」などギトギト系のラーメン屋が多い。
「光麺」の横にある非常に急な階段を上る。狭い上に椅子が置いてあるので、ヒールの高い靴を履いたお姉さんなどはひっくり返らないか心配である。店内は真っ赤に彩られて、エキゾチックな雰囲気をかもし出している。
ランチは特製麺定食やあんかけご飯セットなど、日替わりが数種類用意されている。特製麺は固めのしこしこ麺で醤油ベース。まずまずのボリューム。チャーハンとサラダと杏仁豆腐が付いてくる。
ここでの一番のオキニ(お気に入りの意)は世界最強杏仁豆腐という杏仁豆腐。ストロベリーとバナナが入り、しかもクリーミー。こんなうまい杏仁を初めて食べたといっても過言では無い。
今日も行ったのだが、あんかけご飯にホットスープが付いたが、他のテーブルではチャーハンが付いているように見えたので、何か釈然としない思いをした。
あの傾斜30度の階段を昇る体力があれば、ぜひお試しあれ。
白いのどごし、おうどんですよ!(10/12/27)
南原清隆(ウッチャンナンチャン所属)がうどんの国の王子様らしい。だとしたら、私はおらがそばの国信州から出て来ながら、そばを裏切りうどん派に転向した、うどんの国の郵政事務次官といったところ。つまりはうどんをこよなく愛するウドニストである。
人間の108の煩悩を全て呑み込む街、池袋にももちろんうどんを食わす店があふれている。そこで特にチープでジャンキーなうどんを食わす立ち食いうどん屋をピックアップ。
どんどん:西口みずき通りぞいにある池袋一のお気に入り。こしのあるさぬきうどんを食べさせる店。しかもミニ牛丼とセットで600円とリーズナブル。夏は冷うどん。
あじさい:駅の地下中央通路にある。以前は天かす入れ放題だったが、それが無くなったのは残念。しかし、関西風だしもチョイスできるという、薄味マニアには答えられないサービス。一も二もなくそれを頼む。
月見うどんが400円。
のとや:東武HOPE内。メニューがやたらある。うどんのこしは頂けない。うどんの命はこし。はしでつまむ端からちぎれてしまうようではダメである。口腔内ですいとん食べているように感じてしまう。キムチ丼セット(510円)は御飯にキムチをのせたものがついてくる。
えちごや:西口。いつ茹でたのかわからない、こしを局限まで落としためんを食べさしてくれる。つゆも濃く、私の個人的味覚にはあわない。
日本のファーストフード、立ち食いうどん。噛み切れないほどのこしを持ったうどん屋がどんどん出てくることを望む。
北口改札ベーカリー戦争(10/12/23)
池袋駅JR北口改札(いけふくろうから一番近いところ)を抜け、東武東上線改札方向に向かう地下道で熾烈なベーカリー戦争がぼっ発した。
「いいとも」のテレホンショッキングでタモリの横にあるような花が2〜3あり、新装開店を匂わせている。「メトロポリタンフーズ池袋店」は改札横の6畳程度のスペースにパン、おにぎり、弁当、ジュースといったラインナップで勝負している。
しかし、少し向こうに目をやると、なぜここに出店?と首を45°傾げざるを得ない。そこにはフォションが、何倍ものスペース、品揃えを有して、鎮座ましましているのだ。そしてクリスマスケーキを店先で販売する念の入れよう。それに比べて「メトロ〜」はケーキが2、3種類レジ下のガラスケースにあるのみ。
どうやって、経営していくつもりか。しいて利点をあげれば「メトロ〜」の方が値段が安いということだろうか。心配すると共に、気をつけて見ていかなければならないところだ。閉店の日にパンを買おう。
初心者のための池袋(10/12/05)
池袋、ビギナーをこんなにまで苦しめる街もあるまい。最も分かりにくいのが東口と西口、東武百貨店と池袋西武がてれこ(註1)になっている点だろう。そんな時はあの民間伝承、あたかも京都の人が通りの名前を覚えるために幼少の頃から口づさんだ手まり歌のように、あの歌を歌おう。
「不思議な不思議な池袋。東が西武で西東武。」
また、誰でも分かる待ち合わせ場所が無い。新宿だったらアルタ前、渋谷だったらハチ公前、高田馬場ならビッグボックス前と有名な待ち合わせ場所があるが、ブクロには無い。池袋には駅の地下道に「いけふくろう」というふくろうのモニュメントがあるが、場所が分かりにくい。JRで変な改札口に出てしまえば、ブクロユーザーでも無い限り到達できないだろう。しかも新宿や渋谷と決定的にちがうのはどこにも「こちらいけふくろう」という表示がないのである。それで集まれという方が無理である。
いきおい池袋にはコアなユーザーしか集まらないのである。
(註1)てれこ:入れ違いになること。もともとは歌舞伎用語。

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