2.6. 失われた何かを求めて

悲しいことに、やはり私の技術の未熟さというのは際立つようで、普段どれくらい乗っているのか、何に乗っているのか、尋ねてくる指導員がいた。スヌーピーの飼い主のチャーリーブラウンみたいに優しいので、私は心密かにチャーリーと呼んでいた。

「どんなのに乗ってるの?」

「あの、400CCの、小さいバイクです。」

「?」

「私でも足の着く・・・。」

「何?」

「・・・ドゥカティのモンスター400です。」

「よく乗ってる?」

「・・・週末ぐらいしか。(しかも最近は、週末いつもここに来てるから、更に頻度が下がっているし)」

答えていて、自分でも、なんて頼りない、と思う。

実際、エンジンの息つきで危ない思いをして以来、私が乗る前には、夫が神経質なくらい、暖機をしてくれる。バイクショップの大将にもワークスライダーの方ですか、とからかわれたし、一人前とは言い難い、ということか。

教習以外に、解決すべき問題があるということを、ぼんやりと認識する。基本的な、何かが失われているのだ。

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